教科書

シンプルシリーズ

シンプル免疫学改訂第4版

: 中島泉/高橋利忠/吉開泰信
ISBN : 978-4-524-26358-5
発行年月 : 2011年12月
判型 : B5
ページ数 : 306

在庫あり

定価2,916円(本体2,700円 + 税)

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

免疫学の重要なポイントをコンパクトにまとめつつ、最新の研究もカバーしたコメディカル学生のための教科書。「基礎編」「展開編」の二部構成で、各領域に必要なトピックを効率よく学ぶことが可能。今改訂では各章の冒頭で全体像を提示し、学習目標を設定。「何を学ぶのか」を明確に意識して学べる。相互参照も充実させ、初学者でも分かりやすい1冊になった。

基礎編
1.免疫の基本
 A.免疫とは
 B.免疫のしくみの探求

2.免疫の器官・組織と細胞
 A.免疫系の基本的な骨組み
 B.免疫系の成り立ち
 C.骨髄とB細胞(Bリンパ球)
 D.胸腺とT細胞(Tリンパ球)
 E.脾臓とリンパ節
 F.皮膚・粘膜付属リンパ組織
 G.食細胞と抗原提示細胞

3.免疫の分子
I 抗原(異物)の識別
 A.抗体
 B.T細胞レセプター(TCR)
 C.主要組織適合(MHC)抗原
 D.抗原
 E.Toll様レセプター(TLR)
II 細胞の接着
III 細胞間のシグナル伝達
 A.サイトカインとサイトカインレセプター
 B.抗体とFcレセプター
 C.補体
 D.化学メディエーター
IV 細胞内シグナル伝達
 A.抗原レセプター(TCR、BCR)等を介するシグナル伝達
 B.サイトカインレセプターを介するシグナル伝達
 C.細胞死のシグナル伝達

4.免疫のはたらきと調節
I 自己と非自己の識別
 A.リンパ球のレパートリー形成
 B.トレランス(免疫寛容)
II 免疫応答
 A.免疫応答のダイナミクス
 B.抗原の提示
 C.T細胞の応答
 D.抗体応答
III 免疫のエフェクター活性
 A.抗原と抗体の反応
 B.液性免疫
 C.細胞性免疫
IV 免疫の制御
 A.免疫の起動段階での調節
 B.免疫のフィートバック制御
 C.エフェクターレベルでの制御

5.臨床における免疫の基本
 A.免疫と生体防御
 B.免疫の破綻と病気
 C.病気の診断、予防、治療と免疫

II.展開編
6.医学と免疫
 A.人体のしくみと免疫
 B.神経・内分泌系と免疫系
 C.生殖系と免疫
 D.その他の器官・組織系と免疫

7.アレルギー疾患
 A.アレルギーのしくみ
 B.感染症に伴う炎症とアレルギー反応
 C.代表的なアレルギー疾患
 D.予防と治療

8.自己免疫疾患
 A.自己免疫疾患とアレルギー疾患の関係
 B.自己免疫のしくみ
 C.代表的な自己免疫疾患
 D.自己免疫疾患とHLA
 E.自己免疫疾患の動物モデル
 F.自己免疫疾患の治療

9.感染に対する免疫
 A.感染に対する免疫のしくみ
 B.感染の部位によって違う免疫のはたらき
 C.病原微生物の種類と感染防御機構
 D.免疫による感染のコントロール

10.免疫不全症
 A.遺伝子の異常による免疫不全症
 B.後天性免疫不全と免疫障害

11.個体の識別と移植
 A.輸血と血液型
 B.臓器移植

12.がんと免疫
 A.異種動物血清による解析
 B.実験動物腫瘍を用いた研究
 C.ヒト腫瘍の腫瘍抗原
 D.免疫療法の可能性

13.血液・免疫細胞の腫瘍
 A.白血病
 B.骨髄異形成症候群
 C.悪性リンパ腫

14.先端の免疫治療法
 A.免疫系の統御による感染症および免疫病の治療
 B.抗体を用いる治療
 C.T細胞ネットワークの修飾を目指す治療

15.免疫系の検査法と診断
 A.抗体および抗体に反応する抗原の検査法
 B.T細胞およびNK細胞の機能の検査法
 C.皮膚反応検査

付表
索引
 和文索引
 欧文索引

この度改訂となった『シンプル免疫学』は1997年10月の初版刊行以来、改訂第2版(2001年)、改訂第3版(2006年)が刊行と版を重ねてきた。本書は、医学や医療、さらには基礎生命科学を学ぶ学生や大学院生を含む若手研究者が、日進月歩の免疫学の理念と知識をコンパクトに学習するための教材として一定の役割を果たしてきたと自負する。
 今回の改訂では、従来とは異なるゴールをめざし、免疫学を学ぶ学生や若手研究者が目標にあわせて必要な知識をより効果的に学習できるよう、構成と体裁を大幅に見直した。
 まず、基礎編と展開編の役割を変更し、基礎編の学習のみで免疫学全体の枠組みが理解できる構成とした。基礎編を4章構成から5章構成に変更し、内容を「1章 免疫の基本」、「2章 免疫の器官・組織と細胞」、「3章 免疫の分子」、「4章 免疫のはたらきと調節」と一新し、免疫学をより系統的に学習できるようにした。また、「5章 臨床における免疫の基本」を新たに置いて、臨床免疫学の基本を含めて基礎編だけで学習が完結することをめざした。
 展開編は、基礎編の「5章 臨床における免疫の基本」の内容を高度に展開させた構成とし、「6章 医学と免疫」(展開編の導入章)、「7章 アレルギー疾患」、「8章 自己免疫疾患」、「9章 感染に対する免疫」、「10章 免疫不全症」、「11章 個体の識別と移植」、「12章 がんと免疫」、「13章 血液・免疫細胞の腫瘍」といった臨床免疫学の主要テーマに関する詳細な最新情報を紹介する内容とした。さらに「14章 先端の免疫治療法」、「15章 免疫系の検査法と診断」といった各章を横断する内容の2章を付表とともに巻末に配置した。
 また、読者アンケートの調査結果とも参考に、さらに利用しやすくなるよう、いくつか新たな工夫を試みた。第1に、本書の全体の構成を目次の後ろに図示した。第2に、各章の冒頭部分に概念図を添えて章全体のまとめを示した。第3に、読者の学習を促すため各章の大項目ごとに学習目標をつけた。第4に、本文中の重要事項は青のゴシック文字で記した。第5に、基礎編の中心的な章である2〜4章では、本文中のアンダーライン(青)を付した事項と関連する前、あるいは後の説明との関連性(リンク)を脇組みにして明示した。ただし、導入章である1章でのリンク先は大枠(章、亜章)にとどめ、5章では脇組みに示すリンク先は展開編のいずれかの章に限定した。展開編では、脇組みによるリンク表示は特に行わず、一般的な参照先は本文中の括弧内に示した。
 本書の使い方として、医学、歯学、薬学、看護学、放射線医学、理学療法学、作業療法学、臨床工学、生命科学等の領域すべての学生と研究者には、基礎編で完結する免疫学の基本の学習を勧める。その場合、多くの読者にとって展開編は必要な場合に参照できる参考書となろう。基礎編に続く展開編の本格的な学習は、臨床免疫学の最新で詳細な情報を必要とする医学、歯学、薬学、臨床検査学等の領域の学生と研究者にとっては特に有用であろう。なお、巻末の付表は、基礎編と展開編のいずれを学習する場合にも活用いただきたい。
2011年11月
著者を代表して
中島泉