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血液専門医テキスト

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編集 : 日本血液学会
ISBN : 978-4-524-26337-0
発行年月 : 2011年10月
判型 : B5
ページ数 : 576

在庫なし

定価16,200円(本体15,000円 + 税)

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正誤表

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文
  • 書評

日本血液学会編集によるテキスト。専門医を目指す医師はもちろん、すべての血液臨床医に専門知識の維持・向上に役立つ包括的な教科書。主要な兆候と検査値異常などの基礎的事項から、腫瘍性・非腫瘍性疾患の病因・病態・診断・治療、患者教育、形態学まで、「血液専門医研修カリキュラム」に基づいた内容を網羅。各項の冒頭に「到達目標」を設け、専門医レベルとして知っておくべき学習目標を呈示。巻末付録には専門医試験の過去問を収載。

第I章 造血システムと腫瘍化
1.造血幹細胞
 1 特性・機能
 2 発生・局在
 3 外的制御
 4 内的制御
2.血球産生と分化
 1 血球の発生
 2 造血因子と細胞内シグナル伝達
 3 転写制御
3.鉄代謝と造血
 1 生体内鉄代謝の概要
 2 赤芽球における鉄代謝
 3 生体内鉄代謝全体の調節機構
4.骨髄性白血病の発症機構
 1 遺伝子異常と病型分類
 2 急性骨髄性白血病(AML)
 3 骨髄増殖性腫瘍(MPN)
 4 骨髄異形成症候群(MDS)、MDS由来AML
 5 骨髄異形成/骨髄増殖性腫瘍(MDS/MPN)
5.リンパ腫の発症機構
 1 リンパ腫の発症と遺伝子
 2 遺伝子異常と腫瘍化のメカニズム
 3 リンパ腫における遺伝子転座
 4 転座以外の遺伝子異常
 5 ウイルス遺伝子

第II章 止血機構
1.止血・抗血栓機序
 1 血管
 2 血小板
 3 血液凝固とその制御
 4 線維素溶解(線溶)系とその制御機構

第III章 主要な徴候と検査値異常
1.リンパ節腫大、扁桃腫大、肝脾腫の鑑別
 1 リンパ節腫大
 2 扁桃腫大
 3 肝脾腫
2.貧血の鑑別
 1 貧血の鑑別診断に向けて
 2 最初に貧血を疑ったとき
 3 平均赤血球容積による検査診断の進め方
3.多血症の鑑別
 1 多血症の定義
 2 多血症の分類
 3 多血症診断へのアプローチ
4.白血球増加症・減少症の鑑別
 1 白血球増加症
 2 白血球減少症
5.血小板増加症・減少症の鑑別
 1 血小板増加症
 2 血小板減少症
6.出血傾向の鑑別
 1 出血傾向
 2 問診・理学所見
 3 検査
 4 凝固検査を用いた鑑別診断の手順
7.血栓傾向の鑑別
 1 病因・病態・疫学
 2 症候・身体所見
 3 診断・検査
 4 治療と予後

第IV章 臨床検査・画像検査
1.骨髄穿刺・骨髄生検
 1 骨髄検査の目的
 2 骨髄穿刺検査の方法
 3 骨髄生検の必要性
 4 骨髄所見の評価
2.細胞化学的検査
 1 細胞化学的検査総論
 2 細胞化学的検査各論
3.溶血に関する検査
 1 溶血と溶血性貧血
 2 溶血所見
 3 溶血性疾患の識別検査
4.表面形質検査
 1 表面形質検査の目的
 2 フローサイトメトリーによる表面形質検査
 3 造血器腫瘍の表面形質検査
 4 リンパ球サブセット検査
 5 その他
5.染色体検査
 1 染色体検査の基礎知識
 2 染色体分染法
 3 FISH法
 4 SKY法
6.分子生物学的検査:サザンブロット・ハイブリダイゼーション法、点突然変異
 1 検査の種類と利用法
 2 検査対象となる病因・病態
 3 検査法
7.分子生物学的検査:PCR法
 1 検査の種類と利用法
 2 病態
 3 検査法
8.リンパ節生検時の検査
 1 生検部位の選択
 2 検体の取り扱い
 3 リンパ節生検時の各種検査
9.FDG-PET(PET-CT)
 1 リンパ腫診療におけるFDG-PETの役割
 2 FDG-PETを用いた病期診断
 3 FDG-PETを用いた治療効果判定

第V章 治療法:薬剤、放射線、脾摘術
1.抗血栓薬(抗凝固薬、抗血小板薬、線溶薬)
 1 抗凝固薬
 2 抗血小板薬
 3 線溶薬
2.抗がん薬の作用機序と分類
 1 抗腫瘍薬の分類
 2 アルキル化薬
 3 代謝拮抗薬
 4 自然界由来物質
 5 その他の薬剤
3.抗がん薬の副作用
 1 アルキル化薬
 2 白金製剤
 3 代謝拮抗薬
 4 自然界由来物質
 5 その他の薬剤
4.分子標的治療薬の作用機序と分類
 1 血液疾患領域の分子標的治療薬
 2 抗体
 3 シグナル伝達系阻害薬
 4 プロテアソーム阻害薬
 5 ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害薬
 6 DNAメチル化阻害薬
 7 細胞周期阻害薬
5.分子標的治療薬の副作用
 1 分化誘導薬
 2 チロシンキナーゼ阻害薬
 3 プロテアソーム阻害薬
 4 抗体薬
 5 その他
6.放射線療法の適応
 1 悪性リンパ腫
 2 孤立性形質細胞腫、多発性骨髄腫
 3 白血病
7.放射線療法の副作用
 1 放射線療法に伴う副作用の時期
 2 臓器別の副作用の考え方
 3 急性副作用の発生機序
 4 晩発副作用の発生機序
 5 副作用への対策および治療
 6 放射線誘発がん
8.脾摘
 1 脾臓の機能
 2 脾摘の適応疾患
 3 脾摘の術式
 4 脾摘後の合併症

第VI章 輸血
1.血液型、交差適合試験、不規則抗体、HLA抗体
 1 血液型
 2 交差適合試験
 3 不規則抗体
 4 HLA抗体
2.血液製剤と血漿分画製剤
 1 血液製剤の種類
 2 血漿分画製剤の種類
3.輸血の適応
 1 血液製剤の適正使用
 2 輸血用血液の適応
 3 血漿分画製剤の適応
 4 顆粒球輸血
4.輸血の合併症:感染症、TRALI、鉄過剰症など
 1 ヘモビジランス
 2 急性輸血副作用
 3 遅発性輸血副作用
5.交換輸血、アフェレーシス
 1 交換輸血
 2 アフェレーシス


第VII章 造血幹細胞移植
1.同種造血幹細胞移植:適応疾患
 1 移植適応を決定する際の基本的事項
 2 成人(55歳未満)の適応疾患
 3 55歳以上の高齢者の適応疾患
 4 小児の適応疾患
2.同種造血幹細胞移植:HLA適合とドナーソース
 1 ドナー・幹細胞源別の移植の種類
 2 血縁者間HLA適合移植(血縁者間骨髄移植、血縁者間末梢血幹細胞移植)
 3 非血縁者間骨髄移植
 4 臍帯血移植
 5 血縁者間HLA不適合移植
3.同種造血幹細胞移植:移植前処置
 1 前処置の歴史(骨髄破壊的前処置)
 2 骨髄破壊的前処置の実際
 3 前処置意義の変遷(骨髄破壊的前処置から骨髄非破壊的前処置、ミニ移植へ)
 4 ミニ移植の実際
4.同種造血幹細胞移植:GVHD、GVL効果
 1 病因・病態・疫学
 2 症候・身体所見・診断・検査
 3 予防・治療・予後
5.同種造血幹細胞移植:合併症(感染症、VOD/SOS)
 1 感染症
 2 VOD/SOS
6.自己末梢血幹細胞移植:適応、幹細胞動員、前処置
 1 適応
 2 造血幹細胞動員
 3 前処置

第VIII章 赤血球系疾患
1.鉄欠乏性貧血
 1 症状・理学所見
 2 診断・検査
 3 治療
2.先天性溶血性貧血
 1 病因・病態・疫学
 2 症候・身体所見
 3 診断・検査
 4 治療・予後
3.巨赤芽球性貧血
 1 病因・病態・疫学
 2 症候・身体所見
 3 診断・検査
 4 治療と予後
4.自己免疫性溶血性貧血:温式、冷式
 1 病因・病態・疫学
 2 症候・身体所見
 3 診断・検査
 4 治療と予後
5.発作性夜間ヘモグロビン尿症
 1 病因・病態・疫学
 2 症候・身体所見
 3 診断・検査
 4 治療と予後
6.赤血球破砕症候群
 1 病因・病態・疫学
 2 症候・身体所見
 3 診断・検査
 4 治療と予後
7.成人特発性再生不良性貧血
 1 病因・病態・疫学
 2 症候・身体所見
 3 診断・検査
 4 治療と予後
8.小児特発性再生不良性貧血
 1 病因・病態・疫学
 2 症候・身体所見
 3 診断・検査
 4 重症度分類
 5 同種骨髄移植
 6 免疫抑制療法
 7 治療アルゴリズム
9.先天性骨髄不全症
 1 Fanconi貧血
 2 Diamond-Blackfan貧血
10.赤芽球癆
 1 病因・病態・疫学
 2 症候・身体所見
 3 診断・検査
 4 治療と予後
11.ACD
 1 病因・病態
 2 診断・検査
 3 治療
12.腎性貧血
 1 病因・病態
 2 診断・検査
 3 治療法と治療目標

第IX章 白血球系疾患:腫瘍性疾患
1.WHO分類:骨髄系腫瘍
 1 骨髄系腫瘍のWHO分類の特徴
 2 骨髄増殖性腫瘍(MPN)
 3 好酸球増加とPDGFRA、PDGFRBあるいはFGFR1異常を伴った骨髄系とリンパ系腫瘍
 4 骨髄異形成/骨髄増殖性腫瘍(MDS/MPN)
 5 骨髄異形成症候群(MDS)
 6 急性骨髄性白血病(AML)とその関連腫瘍
 7 分化系統不明瞭な急性白血病(ALAL)
2.WHO分類:リンパ系腫瘍
 1 リンパ腫分類の変遷とWHO分類の位置づけ
 2 B細胞リンパ腫
 3 T/NK細胞リンパ腫
 4 Hodgkinリンパ腫
 5 今後のリンパ腫分類
3.慢性骨髄性白血病
 1 病因・病態・疫学
 2 症候・身体所見
 3 診断・検査
 4 治療と予後
4.真性赤血球増加症
 1 病因・病態・疫学
 2 症候・身体所見
 3 診断・検査
 4 治療と予後
5.原発性骨髄線維症
 1 病因・病態・疫学
 2 症候・身体所見
 3 診断・検査
 4 治療と予後
6.本態性血小板血症
 1 病因・病態・疫学
 2 症候・身体所見
 3 診断・検査
 4 治療と予後
7.その他の骨髄増殖性疾患
 1 慢性骨髄単球性白血病(CMML)
 2 BCR-ABL1陰性非定型慢性骨髄性白血病(atypical chronic myeloid leukemia、BCR-ABL1 negative)
 3 腫瘍性好酸球増多症
8.骨髄異形成症候群
 1 病因・病態・疫学
 2 病型分類
 3 臨床像と検査所見
 4 診断と予後
 5 治療戦略
9.急性骨髄性白血病(急性前骨髄球性白血病を除く)
 1 病因・病態・疫学
 2 症候・身体所見
 3 診断・検査
 4 治療と予後
10.急性前骨髄球性白血病
 1 疫学・病因・病態
 2 症候・身体所見
 3 診断・検査
 4 治療と予後
11.混合型急性白血病
 1 病因・病態・疫学
 2 症候・身体所見
 3 診断・検査
 4 治療と予後
12.二次性(治療関連)白血病
 1 病因・病態・疫学
 2 症候・身体所見
 3 診断・検査
 4 治療と予後
13.急性リンパ性白血病
 (Ph染色体陽性急性リンパ性白血病を除く)
 1 病態・疫学
 2 症候・身体所見
 3 診断・検査
 4 治療と予後
14.Ph染色体陽性急性リンパ性白血病
 1 病因・病態・疫学
 2 症候・身体所見
 3 診断・検査
 4 治療と予後
15.慢性リンパ性白血病とその類縁疾患
 1 病態と診断
 2 予後指標
 3 治療
 4 CLL関連疾患
16.濾胞性リンパ腫
 1 病因・病態・疫学
 2 症候・身体所見
 3 診断・検査
 4 治療と予後
17.MALTリンパ腫
 1 病因・病態・疫学
 2 症候・身体所見
 3 診断・検査
 4 治療と予後
18.マントル細胞リンパ腫
 1 病因・病態・疫学
 2 症候・身体所見
 3 診断・検査
 4 治療と予後
19.びまん性大細胞型B細胞リンパ腫
 1 病因・病態・疫学
 2 症候・身体所見
 3 診断・検査
 4 治療(治療アルゴリズム)
 5 予後予測因子
20.Burkittリンパ腫
 1 病因・病態・疫学
 2 症候・身体所見
 3 診断・検査
 4 治療
21.末梢性T細胞リンパ腫
 1 病因・病態・疫学
 2 症候・身体所見
 3 診断・検査
 4 治療と予後
 5 各論
22.NK/T細胞リンパ腫
 1 病因・病態・疫学
 2 症候・身体所見
 3 診断・検査
 4 治療と予後
23.成人T細胞白血病/リンパ腫
 1 病因・病態・疫学
 2 症候・身体所見
 3 診断・検査
 4 治療と予後
24.その他のリンパ性腫瘍疾患:菌状息肉症、Sezary症候群など
 1 菌状息肉症、Sezary症候群
 2 原発性皮膚CD30陽性T細胞増殖性疾患
 3 皮膚原発末梢性T細胞リンパ腫、まれな亜型
25.Hodgkinリンパ腫
 1 病因・病態・疫学
 2 症候・身体所見
 3 診断・検査
 4 治療と予後
26.マクログロブリン血症
 1 病因・病態・疫学
 2 症候・身体所見
 3 診断・検査
 4 治療と予後
27.多発性骨髄腫
 1 病因・病態・疫学
 2 症候・身体所見
 3 診断・検査
 4 治療と予後

第X章 白血球系疾患:非腫瘍性疾患
1.顆粒球減少症
 1 病因・病態・疫学
 2 症候・身体所見
 3 診断・検査
 4 治療と予後
2.先天性免疫不全症
 1 病因・病態・疫学
 2 症候・身体所見
 3 診断・検査
 4 治療と予後
3.HIV感染症
 1 病因・病態・疫学
 2 症候・身体所見
 3 診断・検査
 4 治療と予後
4.伝染性単核症
 1 病因・病態・疫学
 2 症候・身体所見
 3 診断・検査
 4 治療と予後
5.血球貪食症候群
 1 病因・病態・疫学
 2 症候・身体所見
 3 診断・検査
 4 治療と予後

第XI章 血栓・止血疾患
1.血管障害による出血性疾患:血管性紫斑病
 1 血管性紫斑病の分類
 2 血管構造の奇形による血管性紫斑病
 3 血管周囲結合組織の異常による血管性紫斑病
 4 血管炎に伴う血管性紫斑病
2.特発性血小板減少性紫斑病
 1 病因・病態・疫学
 2 症候・身体所見
 3 診断・検査
 4 治療と予後
3.播種性血管内凝固症候群
 1 病因・病態
 2 疫学
 3 病型分類と臨床症状
 4 診断・検査
 5 治療
4.血栓性微小血管障害
 1 疾患概念
 2 ADAMTS13とUL-VWFM
 3 診断
 4 治療
5.Heparin起因性血小板減少症
 1 病因・病態・疫学
 2 発症形式と臨床症状
 3 検査・診断
 4 治療
6.静脈血栓塞栓症
 1 疫学
 2 発症機序・要因
 3 症状・診断
 4 予防
 5 治療
7.抗リン脂質抗体症候群
 1 病因・病態・疫学
 2 症候・身体所見
 3 診断・検査
 4 治療
8.先天性血小板減少症・機能異常症
 1 先天性血小板減少症
 2 血小板機能異常症
9.血友病
 1 病因・病態
 2 疫学
 3 症候・身体所見
 4 診断・検査
 5 治療
 6 後天性血友病
10.vonWillebrand病
 1 病因・病態・疫学
 2 症候・身体所見
 3 診断
 4 治療と予後
11.先天性凝固・抗凝固因子欠損症
 1 先天性凝固因子欠損症
 2 先天性抗凝固因子欠損症

第XII章 小児の造血器悪性腫瘍
1.若年性骨髄単球性白血病
 1 病因・病態・疫学
 2 症候・身体所見
 3 診断・検査
 4 治療と予後
2.小児の骨髄異形成症候群
 1 病因・病態・疫学
 2 症候・身体所見
 3 診断・検査
 4 治療と予後
3.小児の急性骨髄性白血病
 1 病因・病態・疫学
 2 症候・身体所見
 3 診断・検査
 4 治療と予後
4.小児の急性リンパ性白血病
 1 病因・病態・疫学
 2 症候・身体所見
 3 診断・検査
 4 治療と予後
5.小児のリンパ腫
 1 病態・疫学
 2 症状
 3 診断・検査
 4 治療と予後
6.Epstein-Barrウイルス関連T/NKリンパ増殖性疾患
 1 病因・病態・疫学
 2 症候・身体所見
 3 診断・検査
 4 治療と予後
7.小児の血球貪食性リンパ組織球症(HLH)とLangerhans細胞組織球症(LCH)
 1 組織球系疾患の分類
 2 HLHの病因・病態・疫学
 3 HLHの診断
 4 HLHの治療
 5 LCHの病因・病態・疫学
 6 LCHの診断
 7 LCHの治療と予後

第XIII章 支持療法
1.化学療法時の支持療法
 1 悪心・嘔吐
 2 口内炎、口腔内合併症
 3 消化管潰瘍予防
 4 下痢、便秘
 5 腫瘍崩壊症候群(TLS)
 6 抗がん薬の血管外漏出
2.サイトカイン
 1 顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)
 2 エリスロポエチン(EPO)
 3 トロンボポエチン(TPO)
3.感染症の予防と治療
 1 血液疾患に伴う免疫機構の破綻
 2 感染症予防
 3 発熱性好中球減少症(FN)に対する対策
 4 特定の起因菌による感染症
4.鉄キレート療法
 1 鉄過剰症の病態
 2 鉄キレート療法の意義
 3 鉄過剰症の管理:鉄キレート療法の実際

第XIV章 臨床腫瘍学、患者教育
1.統計学を含む臨床研究
 1 臨床研究
 2 臨床試験の方法
 3 臨床試験のデザイン
 4 臨床試験登録
 5 臨床研究に必要とされる統計学的基礎知識
2.オンコロジー・エマージェンシー
 1 急性白血病初発
 2 腫瘍崩壊症候群(TLS)
 3 高カルシウム血症
 4 上大静脈症候群
 5 脊髄圧迫
3.がん性疼痛
 1 全人的苦痛
 2 痛みの評価
 3 WHO方式がん性疼痛治療法
 4 がん性疼痛治療の実際
 5 鎮痛補助薬
4.サイコオンコロジー
5.長期的合併症と長期フォローアップ
 1 背景
 2 長期的生命予後と身体合併症
 3 二次がん
 4 造血幹細胞移植後の長期的合併症
6.遺伝カウンセリング
 1 遺伝学的側面を考慮すべき血液疾患
 2 疾患の遺伝性が疑われる場合の実施事項


第XV章 形態学
1.骨髄・末梢血スメア標本
 1 末梢血の赤血球形態異常
  A.菲薄赤血球
  B.球状赤血球
  C.標的赤血球
  D.涙滴赤血球
  E.破砕赤血球
 2 代表的な細胞異形成
  A.低分葉好中球(偽Pelger核異常)
  B.無(脱)顆粒好中球
  C.微小巨核球
  D.環状鉄芽球
 3 疾患編
  A.急性白血病
  B.骨髄異形成症候群(MDS)
  C.慢性骨髄性白血病:慢性期
  D.慢性リンパ性白血病(B-CLL)
  E.形質細胞骨髄腫(多発性骨髄腫)
  F.悪性貧血
  G.赤芽球癆(PRCA)
  H.特発性血小板減少性紫斑病(ITP)
  I.血球貪食症候群
  J.がんの骨髄転移
2.骨髄生検像
 1 骨髄生検の必要性
 2 骨髄生検の病理像と細胞密度
 3 骨髄線維症
 4 悪性リンパ腫の浸潤
 5 炎症性骨髄病変および沈着症
 6 がん腫・肉腫の転移および浸潤
3.リンパ節生検像
 1 悪性リンパ腫
  A.濾胞性リンパ腫
  B.マントル細胞リンパ腫
  C.粘膜関連リンパ組織(MALT)リンパ腫
  D.びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)
  E.Burkittリンパ腫
  F.Bリンパ芽球性白血病/リンパ腫
  G.末梢性T細胞リンパ腫、非特定型
  H.血管免疫芽球性T細胞リンパ腫
  I.成人T細胞白血病/リンパ腫
  J.鼻型NK/T細胞リンパ腫
  K.未分化大細胞リンパ腫(ALCL)
  L.Hodgkinリンパ腫
 2 リンパ節における非腫瘍性病変
  A.サルコイドーシス
  B.結核性リンパ節炎
  C.組織球性壊死性リンパ節炎(菊池-藤本病)

付録
 1.血液専門医試験過去問─解答と解説
 2.血液専門医研修カリキ

2011年9月の時点で76学会が日本専門医制評価・認定機構に加盟している。このなかで日本内科学会や日本小児科学会などは、患者診療における基本的な領域を担当する学会である。一方、日本血液学会は、専門的な領域として血液診療の専門医を育成する任務を担っている。血液専門医の有資格者は、現在、約3,000人弱いるが、専門医取得後の教育は十分なものとは言えない。日進月歩の現代医学のなかにあって、専門医として必要とされる知識レベルは時代とともに急速に変化する。したがって、専門医のレベル維持・向上のために、学会として専門医のためのテキストを作成することは誠に時宜にかなったことであると思われる。また、本テキストは、血液臨床医にとっての実用書であるとともに、これから血液専門医を目指す医師にとっても指針となりうるよう編集されている。「血液専門医研修カリキュラム」が学会ホームページ上で公開されているが、試験問題についてはこれまで公開されてこなかった。このため、受験者から試験勉強をする際にどの程度の知識が求められるのかわからないという意見を聞くこともあった。血液専門医受験者に「血液専門医研修カリキュラム」に基づいた学習目標を呈示することもまた本テキスト編集の目的である。そのため、本テキストの巻末には過去の代表的な問題を記載して簡単な解説を加えた。さらには、小児科領域の「小児の造血器悪性腫瘍」や、「形態学」で多数の病理像を示すなど、血液専門医に必要な知識を余すところなく盛り込んだ。
 本テキスト編集にあたっては、日本血液学会の教育委員会と専門医認定委員会が共同で編集委員会を組織した。また、各執筆者による原稿は編集委員会および査読委員会による査読を受けている。本テキスト編集にご尽力いただいた各委員会、およびお忙しいなかご執筆いただいた諸先生に深甚の謝意を表する。日本血液学会は、血液学関連の臨床医学の健全な発展、知識の普及と併せて、臨床血液学研究の進歩を促し、医療を介し国民の福祉に貢献することを目的としている。本テキストが、血液臨床医のレベル維持・向上にとって有用であるとともに、本テキストを通して今後さらに多くの医師が血液専門医の認定を取得されることを願っている。
2011年9月
日本血液学会教育委員会委員長 赤司浩一
日本血液学会専門医認定委員会委員長 澤田賢一

2011年10月、日本血液学会によって『血液専門医テキスト』が南江堂から刊行された。本書は日本血液学会の教育委員会と専門医認定委員会が共同で編集したものであり、日本血液学会が総力をあげて刊行したものといえる。
 本書の目的は、血液専門医のレベルの維持・向上のために作成された専門医のための“textbook”であるが、同時に血液内科医にとっては実用書として利用でき、さらにこれから血液専門医を目指す医師にとっては指針となりうるように編集されている。具体的には、血液専門医試験受験者に対して「血液専門医研修カリキュラム」だけでなく、それに基づいた学習目標を呈示するために専門医試験の代表的な過去問題が簡単な解説とともに公開されている。したがって、本書は血液専門医を目指す医師にとって必携の書といえる。
 本書は、第I章の「造血システムと腫瘍化」から「止血機構」、「主要な徴候と検査値異常」、「臨床検査・画像検査」、「治療法:薬剤、放射線、脾摘術」、「輸血」、「造血幹細胞移植」、「赤血球系疾患」、「白血球系疾患:腫瘍性疾患」、「白血球系疾患:非腫瘍性疾患」、「血栓・止血疾患」、「小児の造血器悪性腫瘍」、「支持療法」、「臨床腫瘍学、患者教育」、第XV章の「形態学」まで、血液学の原理から応用、そして実臨床まで余すところなく網羅した内容となっている。限られた頁数を各章、各項目にいかに配分するか、大変苦労の多い作業があったものと推察される。しかも、執筆された原稿は編集委員会および査読委員会による査読を受けるという編集方針は、特筆に値する。日本臨床腫瘍学会も「がん薬物療法専門医」および専門医を目指す医師のための教科書である『新臨床腫瘍学』(2006)、『同改訂第2版』(2009)を南江堂より刊行しているが、同様の査読制を取り入れている。このpeerreviewによって、執筆内容は世界的に認められているデータやエビデンスに基づいて記述され、執筆者の我田引水的な記載を避けることができる。本書のもう一つの特徴は、代表的血液疾患の骨髄・末梢血スメア標本、骨髄生検像、リンパ節生検像が多数、ミニ図譜として示されている点で、病態病理の理解に大いに役立つ。また、小児造血器悪性腫瘍も独立した章として記載されている。このように、血液学の基礎から臨床まで余す所なく専門医に伝えようとする本書の姿勢が窺える。
 以上のように、本書は血液専門医を目指す医師だけでなく、第一線で活躍している血液内科医が専門医のレベルを維持かつ向上させるのになくてはならない“textbook”といえる。したがって、血液学の進歩をフォローするためには3-4年ごとの改訂が望まれる。また、教科書はreference bookとしての役割も期待されるので、文献には各分野・領域のposition paperというべき、専門医として当然読んでおかなければならないものを厳選すべく、次回改訂を期待したい。また、頁数不足のため記載不十分と思われる箇所も散見されるので、次回改訂の際に、可能ならば全体の頁数を増すことによって、各章、各項目の頁数のより適切な配分をお願いしたい。
 日本血液学会が、血液診療の専門医育成のために卓越した編集方針のもと、優れた内容の教科書を刊行されたことに敬意を表するとともに、血液専門医を目指す医師だけでなく、血液専門医を含むすべての血液内科医に本書を強く推薦したい。
評者● 原田実根
臨床雑誌内科109巻6号(2012年6月増大号)より転載