教科書

NEWテキストシリーズ

NEW予防医学・公衆衛生学改訂第3版

編集 : 岸玲子/古野純典/大前和幸/小泉昭夫
ISBN : 978-4-524-26315-8
発行年月 : 2012年4月
判型 : B5
ページ数 : 402

在庫あり

定価6,480円(本体6,000円 + 税)

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医学部学生のための予防医学・公衆衛生学の好評テキスト。現状と最新の課題、方法、将来像を最新の統計データを豊富に盛り込み解説。今版で全体を「1部 総論」「2部 人口統計、疫学と医用統計」「3部 生涯を通じての健康」「4部 環境と健康」「5部 社会保障と公衆衛生行政」の5部構成とし、より体系立った学習・理解が可能となるよう大幅リニューアル!医師国家試験出題基準対応。

【内容目次】
1部 総論
第1章 衛生学・公衆衛生学の現状と歴史、基本的方法、活動分野
A 医学の中の公衆衛生学・予防医学の位置
 1.医学の究極の目標:疾病予防とQOLの向上
 2.WHOによる公衆衛生の定義
 3.日本国憲法にみる公衆衛生の意義と医師法にみる医師の役割
 4.予防のためには早期に総合的な対策が重要
   コラム 健康障害予防のための「予防原則」と「予防的取組」
 5.現代社会と公衆衛生学
B 変貌する社会環境と国民の健康状態
 1.健康を規定する要因
  a.社会経済的環境
  b.ライフスタイルと教育
  c.遺伝的要因と感受性素因
  d.栄養状態
  e.感染症
  f.物理化学的な環境要因
  g.心理社会的要因
  h.保健医療の水準、保健医療サービスの受療しやすさ
 2.社会環境の変遷と国民の健康問題の推移
C 公衆衛生・予防医学の歴史(世界と日本)
 1.世界の歴史
  a.古代
  b.ギリシャ・ローマ時代
  c.中世
  d.ルネッサンス~大航海時代
  e.19世紀~第二次世界大戦
  f.第二次世界大戦後
 2.日本の歴史
  a.第二次世界大戦前
  b.第二次世界大戦後
D 事例から学ぶ公衆衛生・予防医学の役割
 1.環境汚染による水俣病の発生と原因究明・対策の歴史
  a.水俣病公的届出:第1例
  b.ネコに工場廃液を飲ませた細川院長
  c.工場側からの反論
  d.13年を経て出された政府・厚生省の見解
  e.第2水俣病(新潟水俣病)は未然に予防できたのではないだろうか
  f.魚介やネコなど生態系からみた汚染の広がりと患者発生の年次推移
  g.遅まきながら患者救済措置
  h.水俣病の歴史から学ぶ
 2.油症
  a.奇病発生はどうして判明したか
  b.問題の大きさを把握
  c.油症の原因究明に疫学はどのように寄与したか
  d.油症の原因物質
  e.油症の診断基準の変遷
  f.油症患者の死因
  g.油症患者健康実態調査
  h.今後の課題
 3.アスベスト(石綿)
  a.発端
  b.アスベストの使用状況
  c.近隣曝露被害の広がり
  d.被害者の救済
  e.問題の所在
  f.公衆衛生・予防医学の役割
E 公衆衛生学・予防医学の基本的方法
F 公衆衛生・予防医学の活動分野と教育・訓練
 1.多様な医学生の進路
 2.公衆衛生に必要な3つの目(温かい目、鋭い目、広い視野)
 3.公衆衛生分野の卒後教育・訓練のための専門的な大学院の充実
   コラム パブリックヘルスマインドvsクリニカルマインド
第2章 健康と疾病の概念、健康増進活動
A 健康と健康障害の概念
 1.健康とは
 2.健康障害
 3.患者・障害者のもつ心理社会問題
  a.社会モデル
  b.ノーマライゼーション
  c.患者・障害者の心理問題
B 疾病予防の概念と方法
 1.疾病の自然史
 2.疾病予防の概念と方法
 3.疾病予防の効果の指標
 4.自然史モデルによらない予防
C 健康増進・ヘルスプロモーション
 1.概念・歴史
  a.疾病予防から健康増進・ヘルスプロモーションへ
  b.ラロンド報告
  c.Health for All by the Year 2000とアルマ・アタ宣言
  d.ヘルスプロモーションに関するオタワ憲章
  e.健康都市プロジェクトの推進
 2.日本と世界の現状と課題
  a.日本の健康づくり施策
  b.諸外国の施策について
第3章 医の倫理
A 医の倫理と医師の義務
 1.基本的人権
  a.権利
  b.基本的人権
 2.生命倫理
 3.患者の権利
 4.法による医師の義務と関係法規
 5.自己決定権とインフォームド・コンセント
  a.インフォームド・コンセント
  b.自律概念と判断能力(意思決定能力)
 6.疫学研究における倫理問題
  a.記述疫学
  b.分析疫学
   コラム 3省合同指針:ヒューマンゲノムプロジェクト
  c.介入研究
  d.疫学研究の倫理原則
B 医師と患者および家族との関係
C 末期患者への対応

2部 人口統計、疫学と医用統計
第1章 人口統計と保健統計
A 人口静態統計
 1.日本の人口
 2.人口ピラミッド
 3.人口高齢化
 4.世界の人口
B 人口動態統計
 1.出生の把握方法
 2.出生に関する指標と日本の状況
  a.出生率
  b.再生産率
 3.死亡の把握方法
 4.死亡に関する指標と日本の状況
  a.粗死亡率、年齢調整死亡率
   コラム William Farr
  b.50歳以上の死亡割合
  c.乳児死亡率
  d.死産
C 年齢調整死亡率と標準化死亡比(SMR)
 1.死亡率の年齢標準化
 2.算出方法
  a.直接法
  b.間接法(SMR)
 3.直接法と間接法
D 疾病分類と原死因
E 主要死因の動向
 1.性・年齢別にみた主要死因の動向
 2.悪性新生物
 3.心疾患
 4.脳血管疾患
 5.自殺
 6.不慮の事故
F 生命表
 1.生命表と平均余命、平均寿命
 2.生命表関数の特色と日本の平均寿命の推移、国際比較
 3.生命表による疾病の影響の分析
G 疾病統計
 1.日本の疾病統計
  a.死亡統計
  b.感染症患者報告数
  c.地域がん登録
  d.循環器疾患登録
第2章 疫学と方法
A 総論
 1.疫学研究手法の概要
  a.記述疫学
  b.分析疫学
  c.介入研究
  d.調査方法
 2.関連性と因果関係
  a.疫学での因果関係
  b.観察研究に基づく因果関係の判断
B 疾病量の把握
 1.割合と率
 2.疾病量の指標
C 記述疫学
 1.地理的分布
 2.時間的分布
 3.人の属性別分布
  a.年齢階級別罹患率
  b.性別比較
  c.人種差
  d.職業
D 分析疫学
 1.コホート研究
  a.要因の調査
  b.疾病の罹患・死亡
  c.人年法
  d.相対危険と寄与危険
  e.コホート研究の例
 2.症例対照研究
  a.症例群と対照群の設定
  b.要因の調査
  c.オッズ比
  d.オッズ比と相対危険
  e.症例対照研究の例
 3.バイアスと交絡因子
  a.バイアス
  b.交絡因子
   コラム John Snowと高木兼寛
E 無作為化比較試験
 1.概念
 2.対象者数の算定
 3.実施手順
 4.RCTの手順
F 臨床疫学
 1.スクリーニング
  a.感度と特異度
  b.偽陰性率と偽陽性率
  c.ROCカーブ
  d.陽性反応適中度
  e.検査前確率と検査後確率
  f.検診に適した疾患
  g.検診の評価
G Evidence-based medicine(EBM)とメタアナリシス
1 根拠に基づく医療evidence-based medicine(EBM)
  a.EBMとは何か
  b.EBMの実践
  c.臨床医療から公衆衛生へ:「根拠に基づく」方法の展開
 2.エビデンス・レベル
  a.エビデンス・レベルの考え方
  b.疫学的な研究デザインとの関係
 3.メタアナリシス
  a.システマティックレビューとメタアナリシス
  b.コクラン共同計画
 4.出版バイアスから臨床試験登録へ
  a.出版バイアスの背景と影響
  b.出版バイアスの影響
   コラム MindsPLUS/医療提供者向け/コクラン・レビュー
  c.臨床試験登録の実現
 5.疾病管理ガイドライン
  a.疾患管理(診療)ガイドラインの定義
 6.ガイドラインの評価
 7.疾患管理ガイドラインをめぐる動き
  a.現場の裁量との関連
  b.ヘルスサービス研究
  c.公衆衛生ガイドライン
  d.ガイドラインの普及に向けて
H ポピュレーション・ストラテジーとハイリスク・ストラテジー
 1.予防医学のパラドックス
 2.ハイリスク・ストラテジーの限界
 3.ポピュレーション・ストラテジーの効用
 4.予防医学のストラテジーの組み合わせ
第3章 医用統計
A 総論
 1.母集団と標本
 2.データの種類と統計量
  a.測定値の尺度
  b.数量データのまとめ方
  c.質的データのまとめ方
 3.図表の作成
  a.帯グラフ(円グラフ)
  b.棒グラフ
  c.折れ線グラフ
  d.ヒストグラム
  e.散布図
 4.平均と標準偏差
   コラム 平均への回帰
 5.標準誤差と信頼区間
B 統計学的検定
 1.平均値の差の検定
  a.独立2群
  b.関連2群
  c.多群(3群以上)
  d.多重比較
 2.比率の検定
C 相関と回帰
   コラム ロジスティック回帰分析とCoxモデル
D 疫学の統計手法
 1.疾病集積性
 2.リスクの大きさの推定と関連の方向性
E 遺伝統計学
 1.ヒトゲノムと多型
 2.疾患遺伝子のマッピングを目的とする連鎖解析
 3.多因子疾患の遺伝要因に関する関連解析
 4.Hardy-Weinbergの法則

3部 生涯を通じての健康
第1章 現代社会と子どもの健康、女性の健康
A 子どもの健康に影響を与える環境要因
 1.胎児期の環境要因
 2.家庭環境要因
  a.社会経済要因
   コラム 子どもの権利条約
   コラム 子ども虐待の動向と予防への対策
  b.受動喫煙の影響
  c.住居に適した環境因子
 3.地域の環境汚染による子どもへの影響
  a.自然環境
  b.大気汚染
  c.騒音
  d.廃棄物や事故などによる環境汚染
B 現代社会と女性の健康
 1.女性の健康と性差に配慮した保健医療ニーズの高まり
 2.働く女性の健康
  a.女性労働の現状
  b.働く女性の健康の問題
 3.女性労働者に関する法律
  a.労働基準法
  b.男女雇用機会均等法
  c.育児・介護休業法
   コラム 女医のM字型就業率と医師の労働時間
C 母性保健とハイリスク妊娠
 1.母の年齢別出生率の変化
 2.母性保健の指標
  a.妊産婦死亡率
  b.死産率
 3.妊産婦保健対策
  a.妊娠の届出および母子健康手帳の交付
  b.妊産婦に対する健康診査
  c.ハイリスク妊娠に対する管理
 4.家族計画
   関連法規 母体保護法
D 子どもの健康と予防医学の現状(保健統計)
 1.子どもの健康指標
 2.出生率
 3.出生時体重
 4.乳幼児死亡
 5.身体発育
E 子どもの心身の発達・健康と母子保健対策
 1.一貫した母子保健対策
 2.母子健康手帳の交付
 3.乳幼児健康診査
 4.医療援護、公費負担医療
 5.母子保健の基盤整備
F 子育て支援施策
 1.少子化対策と子育て支援
 2.エンゼルプランから子ども・子育てビジョンまで
 3.健やか親子21
 4.次世代育成支援対策推進法
G 遺伝相談と出生前診断
 1.遺伝と母子保健
 2.遺伝相談と遺伝カウンセリング
 3.出生前診断
 4.地域における遺伝カウンセリング体制の整備
第2章 学校保健と思春期の健康
A 意義
 1.保健管理
 2.保健教育
 3.生涯を通じての保健活動としての学校保健の意義
B 学校保健の仕組みと学校医の役割
 1.学校保健行政
 2.学校における保健組織と関係職員
 3.学校医の職務
C 学童の心身の発達と健康管理
 1.健康診断
 2.健康相談
D 発達段階・思春期の精神保健
E 学校環境衛生と学校安全
 1.学校環境衛生
 2.学校安全
F 学校保健と感染症予防
 1.学校感染症
 2.予防接種
G 学校給食
 1.意義
 2.実施状況
 3.食事内容と栄養摂取
 4.学校給食指導
H 保健教育・保健学習
 1.保健学習
 2.保健指導
 3.安全教育
I 教職員の健康管理
第3章 生活習慣病の疫学と予防
A 総論
 1.生活習慣病とは
 2.日本の総死亡、医療費に占める生活習慣病の割合
  a.総死亡に占める割合と推移
  b.医療費に占める割合と推移
 3.生活習慣病の予防対策
  a.一次予防
  b.二次予防
  c.三次予防
 4.生活習慣と行動変容
  a.ヘルス・ビリーフ(健康信念)・モデル
  b.自己効力感(セルフ・エフィカシー)
  c.トランスセオレティカル(変化のステージ)・モデル
B 悪性新生物(がん)
 1.がんの死亡・罹患
 2.がん罹患の年次推移
 3.がん罹患の国際比較
 4.がん生存率
 5.リスク要因と予防要因
 6.がん一次予防
 7.がん検診
  a.胃がん検診
  b.肺がん検診
  c.大腸がん検診
  d.子宮頸がん検診
  e.乳がん検診
  f.前立腺がん検診
C 脳血管疾患、高血圧
 1.脳血管疾患の定義と分類
 2.脳血管疾患の死亡率・有病率
 3.脳血管疾患の危険因子
  a.脳出血
  b.くも膜下出血
  c.アテローム血栓性梗塞
  d.ラクナ梗塞
  e.脳塞栓
  f.新しい危険因子
 4.脳血管疾患の予防
  a.一次予防
  b.二次予防
 5.高血圧
  a.高血圧の分類
  b.高血圧の疫学
  c.食塩摂取
  d.リスク層別化
  e.生活習慣の改善
D 心疾患、脂質異常症
 1.虚血性心疾患の定義と分類
 2.虚血性心疾患の死亡率・有病率
 3.虚血性心疾患の危険因子
 4.虚血性心疾患の予防
  a.一次予防
  b.二次予防
 5.脂質異常症
  a.脂質異常症の疫学
  b.脂質異常症と生活習慣、予防
E 糖尿病・肥満・メタボリックシンドローム
 1.糖尿病
  a.糖尿病の分類
  b.糖尿病の診断基準と2つの境界型
  c.糖尿病の疫学
  d.糖尿病の合併症
  e.糖尿病の予防と管理
 2.肥満
  a.肥満・肥満症の定義と分類
  b.肥満の疫学
  c.低体重(やせ)
  d.肥満の一次予防と肥満・肥満症への対応
 3.メタボリックシンドローム
  a.メタボリックシンドロームの診断基準
  b.メタボリックシンドロームの有病率
F 骨粗鬆症・骨折予防
 1.骨の老化と骨粗鬆症
  a.骨粗鬆症とは
  b.骨密度変化と骨粗鬆症
  c.骨粗鬆症の終末像としての骨折
 2.骨粗鬆症・骨折の罹患状況と予防の意義
  a.骨粗鬆症の有病率
  b.骨折の発生状況
  c.骨折の予後
 3.骨粗鬆症のリスク要因
  a.個体側要因
  b.ライフスタイル要因
  c.医療的要因
 4.骨折のリスク要因
 5.骨折・骨粗鬆症の予防
  a.骨折・骨粗鬆症予防の戦略
  b.一次予防策
  c.二次予防策
  d.三次予防策
G 身体活動、運動
 1.身体活動・運動の効果
 2.身体活動・運動の現状
 3.日本の健康づくり施策における身体活動・運動の推進
   コラム 健康日本21
第4章 高齢者と健康
A 現状と動向
 1.人口高齢化の動向
 2.高齢者の生活
B 高齢者の精神的活動・身体的活動の維持と健康
 1.老化とは
 2.サクセスフル・エイジング
 3.高齢者における心身機能改善の可能性
 4.高齢者における廃用症候群
C 加齢と疾病
 1.加齢と健康状態
 2.加齢と医療
 3.高齢者における死亡原因と要介護の原因
D 高齢者の健康寿命とQOL、ADL
 1.健康指標としての平均寿命の限界
 2.健康寿命の定義
 3.健康寿命の現状
 4.WHOの健康寿命
 5.健康寿命の延長に向けて
 6.介護予防の展開
第5章 口腔保健
A 母子における口腔保健
 1.妊産婦の口腔保健
 2.乳幼児の口腔保健
B 学校における口腔保健
 1.学童の口腔保健水準
 2.口腔保健教育・保健管理
C 職域口腔保健
D 成人・高齢者の口腔保健
 1.成人・高齢者の口腔保健水準
 2.口腔保健とQOL
   コラム 歯周病と心疾患・糖尿病の関連(Floss or Die?)

4部 環境と健康
第1章 感染症の疫学と予防
A 総論
 1.感染症の基本的事項
  a.病原体の特性と感染源
  b.宿主要因
  c.感染経路
 2.感染症の流行
 3.流行の数学的モデル
 4.流行モデル構築と接触構造研究
 5.感染症法の概要
B 主要感染症の動向
 1.腸管感染症
 2.マラリア・デング熱
 3.リケッチア症
 4.小児感染症
 5.性感染症
 6.HIV感染・エイズ(AIDS)
 7.結核
 8.その他の感染症
C 予防対策
 1.感染源・感染経路対策
 2.母子感染症
 3.予防接種
   コラム DOTS
 4.感染症発生動向調査(サーベイランス)
 5.積極的疫学調査
 6.スタンダード・プリコーション
D 世界の感染症
 1.開発途上国における感染症による疾病負担
 2.感染症克服に立ちはだかる偽造医薬品の問題
 3.三大感染症
  a.結核
  b.HIV/エイズ(AIDS)
  c.マラリア
 4.WHOにおける地球規模感染症対策
 5.検疫感染症
第2章 環境保健
A 環境と適応
 1.環境の概念
  a.環境
  b.環境と健康および生存
  c.環境と疾病
 2.疾病と遺伝要因および環境要因
  a.環境による遺伝的選択の実例:マラリアと鎌状赤血球貧血
  b.環境問題と健康
 3.生態系と生物濃縮
  a.メチル水銀の生物濃縮
  b.難分解性有機塩素系化合物
 4.環境汚染物質の吸収・代謝・排泄
  a.吸収代謝過程
  b.生物学的半減期
 5.環境汚染物質の健康障害
   コラム Rachel Carson
B 地球環境の変化と健康影響
   コラム アジェンダ21
 1.地球温暖化
  a.自然界への影響
  b.ヒトへの影響
  c.地球温暖化防止対策
   コラム 京都議定書
 2.酸性雨
  a.自然界への影響
  b.建造物への影響
 3.砂漠化
  a.砂漠化への対処
 4.オゾン層破壊
  a.オゾン層破壊による影響
  b.オゾン層保護のための取り組み
C 環境汚染の発生原因と現状
 1.大気汚染とその指標
  a.イオウ酸化物(SOx)
  b.窒素酸化物(NOx)
  c.浮遊粒子状物質(SPM)
  d.一酸化炭素(CO)
  e.光化学オキシダント
  f.ベンゼン
  g.トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、ジクロロメタン
  h.その他
   コラム 大気中の微小粒子状物質
 2.室内環境
 3.水質汚濁とその指標
  a.「人の健康保護」関連の項目について
  b.生活環境の保全に関する項目
 4.土壌汚染とその指標.
 5.ダイオキシン類
D 上水道と下水処理
 1.上水道と健康、下水処理と環境保全
 2.上水道と水質基準
 3.浄水法と消毒
 4.水系伝染病
 5.下水処理
  a.下水道
  b.農業集落排水施設など
  c.合併処理浄化槽
 6.活性汚泥法による汚水処理
 7.下水の水質に関する指標
 8.今後の下水処理
E 公害の健康影響と対策
 1.公害の概念
  a.定義
  b.原因と特徴
  c.公害対策
 2.主な公害のエピソード
  a.大気汚染による公害事件
  b.水質汚濁による公害事件
  c.その他の公害事件
  d.海外の公害事件
 3.公害健康被害補償制度
   関連法規 公害健康被害の補償等に関する法律
F 環境汚染の評価と対策
 1.環境基準と排出規制
  a.大気汚染に関する環境基準と防止対策
  b.水質汚濁に関する環境基準と防止対策
  c.土壌汚染に関する環境基準と防止対策
  d.騒音に関する環境基準と規制対策
 2.環境モニタリング
   関連法規 環境基本法
 3.環境影響評価(環境アセスメント)
 4.事務所などにおける環境管理
G 廃棄物処理
 1.一般廃棄物
 2.リサイクル
 3.産業廃棄物
 4.感染性廃棄物
第3章 産業衛生
A 産業保健の歴史
   コラム アリス・ハミルトン
B 産業医制度
 1.産業医の職務
 2.産業医の資格要件
 3.各国の産業医制度と職務
C 産業衛生管理
 1.3管理・総括管理
   関連法規 労働基準法、労働安全衛生法など
 2.労働衛生安全マネジメントシステム(OHSMS)
D 労働災害
 1.労災補償
   コラム 労働災害の指標(度数率、強度率)
   関連法規 労働者災害補償保険制度
 2.成立要件
E 過重労働
F 健康診断
 1.目的
 2.一般健診
 3.特殊健診
G 産業保健に関する国際協力
H 職場のメンタルヘルス
 1.職場のメンタルヘルスの現状
 2.職業性ストレスの研究と対策
  a.職業性ストレスの評価法の開発
  b.職業性ストレスの健康影響
  c.職業性ストレスの対策に関する研究
 3.メンタルヘルス相談体制の確立
 4.職場復帰および職場適応の支援
 5.職場のメンタルヘルスについての社会の動き
  a.行政の対応
  b.精神障害および自殺の労働災害認定と過労自殺の民事訴訟
 6.職場のメンタルヘルスの国際的動向
I 化学物質による健康被害
 1.金属
  a.鉛およびその化合物
  b.カドミウムおよびその化合物
  c.水銀
  d.ヒ素
  e.クロム
  f.その他の金属
 2.有機化合物による中毒
  a.有機溶剤中毒
  b.各種有機化合物中毒
 3.粉じん
  a.粒子の沈着と肺の線維化
  b.じん肺の種類と原因物質
  c.じん肺の所見
  d.じん肺の予防
   関連法規 じん肺法
  e.アスベスト(石綿)
 4.腐食性物質
  a.強酸
  b.強アルカリ
  c.フッ化水素
 5.農薬
  a.有機リン系農薬
  b.カーバメート系農薬
  c.有機塩素系農薬
  d.パラコート、ジクワット
  e.くん蒸剤
  f.その他の農薬
   コラム 神経ガス
 6.感作性物質
  a.有機粉じん
  b.低分子有機化合物
  c.金属
 7.発がん物質
  a.化学発がん物質とは
  b.職業がん
  c.発がん物質のリスク評価
  d.化学発がん物質によるがんの予防に関する最近の話題
 8.生殖発生毒性物質
  a.生殖発生毒性の定義
  b.生殖発生毒性物質の生殖機能および胎児への作用
   コラム 2-ブロモプロパン職業性曝露による生殖発生障害事例
  c.生殖機能障害の原因となる化学物質
  d.胎児の発生異常・生まれた子どもの発達異常の原因となる化学物質
  e.法令上の取り扱い
 9.酸素欠乏
  a.酸素欠乏
  b.健康影響
J 物理的要因による健康障害
 1.電離放射線
  a.主な種類
  b.自然放射線と人工放射線
  c.放射線の健康影響
  d.線量限度
 2.非電離放射線
  a.紫外線
  b.紫外線以外の非電離放射線
 3.騒音
  a.評価
  b.影響
  c.騒音障害の予防
 4.振動
  a.局所振動
  b.全身振動
 5.温熱
  a.高温
  b.低温
 6.気圧
  a.減圧症
  b.高山病
K 労働負荷
 1.職業性腰痛
 2.頸肩腕障害(症候群)
 3.VDT作業による健康影響
 4.交代勤務による健康影響
L 曝露限界
 1.量・影響関係と量・反応関係
  a.量
  b.影響
  c.量・影響関係
  d.量・反応関係
 2.健康リスクアセスメントと曝露限界値
  a.単回高濃度吸入曝露に対する曝露限界値
  b.短時間吸入曝露に対する曝露限界値
  c.長期間低濃度吸入曝露に対する曝露限界値
  d.発がん物質の吸入曝露限界値
   コラム 先端産業での金属中毒
  e.粒子状物質の曝露限界値
  f.物理的有害要因の曝露限界値
  g.生物学的モニタリングによる曝露限界値
  h.経口曝露に対する曝露限界値
   コラム 毒性の種差
第4章 食品保健
A 食品保健の目標と現状
B 日本人の食事摂取基準(2010年版)
 1.概念と指標
 2.食事摂取基準の実際と活用
C 国民栄養・栄養調査
 1.食育の推進と食生活指針
 2.国民健康
 3.日本人の栄養素摂取などの現状と変遷
D 特別用途食品、保健機能食品
E 食中毒
 1.概念と分類
 2.細菌性食中毒
  a.黄色ブドウ球菌
  b.ボツリヌス菌
  c.腸炎ピブリオ
  d.サルモネラ
  e.カンピロバクター
  f.病原大腸菌
  g.ウエルシュ菌
  h.セレウス菌
 3.ウイルス性食中毒
 4.自然毒食中毒
 5.化学性食中毒
 6.食中毒の発生状況
F 食品安全基本法と食品安全委員会

5部 社会保障と公衆衛生行政
第1章 保健医療行政
A 保健医療行政の概要
 1.衛生行政と保健医療行政
 2.保健医療行政の体系
 3.厚生労働省
 4.都道府県
 5.保健所
 6.市町村
B 社会変動と保健医療制度
 1.医療
 2.保健
   関連法規 地域保健法
 3.高齢者福祉・介護保健
C 地域医療と医療計画
 1.地域医療と医療法
 2.医療計画
D プライマリケアと包括的保健医療
 1.プライマリ・ヘルスケア
 2.包括的保健医療
 3.公衆衛生の視点
 4.ヘルスプロモーションおよび国民の健康権
E 地域精神保健福祉
 1.心の健康に関する疫学調査からみた精神障害の有病率
 2.地域精神保健福祉を支える制度
 3.地域における精神障害者の入院制度の概要
 4.精神保健福祉制度改革の方向性
 5.日本の自殺対策の動向
F 高齢者保健と福祉
 1.保健福祉の変遷、障害者プラン
  a.老人保健法の成立
  b.老人保健法から高齢者保健福祉推進10ヵ年戦略(ゴールドプラン)
  c.老人保健福祉計画
  d.新・高齢者保健福祉推進10ヵ年戦略(新ゴールドプラン)
  e.今後5か年間の高齢者保健福祉施策の方向
(ゴールドプラン21)
  f.障害者基本計画、新障害者プラン
   関連法規 障害者基本法、身体障害者福祉法
 2.介護保険制度と地域リハビリテーション
  a.介護保険制度の趣旨
  b.介護保険制度の概要
  c.地域リハビリテーション
 3.地域保健活動と高齢者保健対策、生涯にわたる健康づくり
  a.地域保健と地域医療
  b.高齢者保健対策
  c.生涯にわたる健康づくり:高齢者保健・医療・福祉施策の動向
第2章 社会保障と保健医療制度、医療経済
A 保健医療の資源と財源
 1.資源
  a.人的資源
  b.物的資源
 2.財源
  a.社会保険と社会保障
  b.自己負担(窓口負担)
 3.まとめ
B 保健医療福祉施設
 1.保健施設
 2.福祉施設
  a.介護保険施設
 3.医療施設
 4.まとめ
C 医療保険制度と医療費
 1.医療保険制度
  a.医療保険制度の概要
  b.健康保険における自己負担
  c.医療保険の給付
  d.保険診療の仕組み
  e.診療報酬の決定
  f.診療報酬による支払い制度
 2.国民医療費
  a.国民医療費の定義
  b.国民医療費の動向
  c.医療費の内訳
D 保健医療と医療経済
 1.医療経済学
 2.効率性評価
 3.保健医療制度と医療経済学
E 予防医学と医療経済
 1.予防・健康増進活動の医療経済評価
 2.医療経済評価の種類と手法
F 医療の質の評価
 1.医療の質と評価の枠組み
 2.病院機能評価
 3.質の保証と改善
G 社会保障と社会福祉
 1.社会保障の歴史
 2.社会保障の定義と範囲
 3.社会保障の体系
 4.社会保障の財政
 5.社会保険:年金制度を中心に
 6.社会福祉の対象
 7.社会福祉の行政機構
 8.障害者に対する医療費助成制度
 9.生別母子家庭に対する手当
 10.貧困者に対する公的扶助
   関連法規 生活保護法
第3章 社会と医療
A 保健・医療・福祉・介護・教育の制度と連携
B 先端医療技術の社会との調和
 1.先端医療技術
 2.社会との調和
   コラム 遺伝子医療と移植医療
C 医療とメディア
D 災害と医療
 1.防疫
 2.災害医療
 3.PTSD:心的外傷後ストレス障害
E 医療事故と医療過誤
 1.用語の解説と、医療危機管理の目標
 2.医療紛争と医療裁判
 3.民事訴訟・裁判
 4.医療情報の公開
 5.最近の最高裁判決の動向
 6.病院での医療過誤やニアミスを防ぐシステム・これまでのシステムの概要
  a.各病院でのヒヤリ・ハット事例収集と分類
  b.国レベルでの報告・分析
  c.課題
 7.医療事故の予防回復の新しいシステムへ
  a.医療者主導型の事故分析の限界
  b.患者主導型のシステム
 8.個人情報保護法と医療情報
  a.個人情報保護法のしくみ
  b.医療と個人情報保護
   コラム C型肝炎ウイルスとC型肝炎訴訟
第4章 国際保健
A 国際保健とグローバルヘルス
B 開発途上国における健康観の転換
C 死亡と疾病負荷の世界的現状
 1.死因とその割合
 2.健康リスクとその割合
D 国際援助・協力のしくみと国際保健・グローバルヘルスの実施機関
 1.ODA
 2.独立行政法人国際協力機構(JICA)の活動
 3.NGOおよびNPOによる国際協力
 4.国際機関
  a.世界保健機関(WHO)
  b.世界銀行(WB)
  c.国連児童基金(UNICEF)
  d.国連食糧農業機関(FAO)
  e.国際労働機関(ILO)
  f.経済協力開発機構(OECD)

参考図書、参考ホームページ
索引

私たちは、2003年10月に21世紀にふさわしい視点と予防医学・公衆衛生学の新しい展開への期待を込めて、本書初版を出版した。その後、9年を経てここに改訂第3版を発行することができた。環境の変化と医療技術の発展は、疾病構造の変化をもたらし、それに対応して保健医療制度の改革も進められる。したがって、公衆衛生学の教科書は常に改訂される必要がある。2006年11月には、保健統計値の更新、関連法規の制定・改定を取り入れて、改訂第2版を出版した。今回は、これらの観点に加え、内容全般を見直した大幅な改訂をおこなった。初版と改訂第2版では20章であったが、今回は全体を組み替え、5部に分けて19章の構成とし、学生の学習効率の向上をはかるとともに、保健医療のさまざまな専攻学科および公衆衛生大学院における学習カリキュラム編成に役立つよう特別の配慮をした。図表を多用し、関連用語のコラムを多く設けているのは初版からの編集方針であるが、これらをさらに充実させたことも改訂第3版の特徴である。
 1部「総論」では、衛生学・公衆衛生学の歴史と基本的事項を解説しており、現代社会における世界とわが国の公衆衛生学的な諸問題とその背景を理解するのに役立つ。2部「人口統計、疫学と医用統計」は、疫学・統計学の方法を解説しているが、医療全般で重要視されるようになってきた無作為化比較試験(RCT)、メタアナリシス、統合的レビューの内容を充実した。3部「生涯を通じての健康」では、各ライフステージに特化した健康問題を解説しているので、医学部のみならず、さまざまな学部、学科で母子保健学、成人保健学、老人保健学の学習カリキユラムに対応できる内容になっている。4部「環境と健康」は、物理学的、化学的および生物学的環境要因と健康についてまとめているので、環境保健学、環境医学あるいは産業医学の学習カリキュラムに対応できる。感染症の項は全面的な改訂をおこない、感染症の流行については教科書として他に類を見ない内容である。5部「社会保障と公衆衛生行政」では、保健医療行政の近年の改革の背景と現在の仕組みを容易に理解できるように工夫した。
 環境整備や保健制度も含めて、疾病予防・健康増進の学問は、ドイツ医学を導入した明治政府以降わが国では“生命・生活を衛る”という意味をこめて「衛生学」と呼ばれてきた。加えて第二次世界大戦後の連合軍占領下の保健医療政策のなかで、地域社会や医療現場における公衆衛生の向上を図るべく、医学部、医科大学には衛生学講座と合わせて公衆衛生学講座が設置されることになった。社会としての組織的な取り組みが強調されたものである。さらに、現代社会の多様なニーズに応えるため、一部の大学では専門職大学院として公衆衛生大学院が開設されている。なお、本書では、教科書タイトルを衛生学・公衆衛生学ではなく、予防医学・公衆衛生学としたのは、疾病予防の組織的取り組みに予防医学の技術と知識が重要視されていることを考慮したためである。
 医学科、保健学科を含め、保健医療関連学科の学生および公衆衛生学大学院の学生が、本書を活用して、予防医学の方法を学び、日本と世界の公衆衛生に対する理解を深めることを期待する。
2012年3月
編集者一同