書籍

1型糖尿病の治療マニュアル

編集 : 丸山太郎/丸山千寿子
ISBN : 978-4-524-26306-6
発行年月 : 2010年12月
判型 : A4
ページ数 : 174

在庫あり

定価3,024円(本体2,800円 + 税)

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

1型糖尿病におけるインスリン療法と食事療法(栄養指導)を並行するためのマニュアル。糖尿病の病態理解から、インスリン療法の基本と応用、治療の目標、食事パターンによるインスリン量の調節方法など、患者さんの理解度に応じて、“最低限何をわかってもらうか”“何をできるようになってもらうか”を解説。また、書き込み式のワークブックは、答えをうめながら理解できるだけでなく、指導用ツールとしても活用できる。さらに、トラブル対処法、病気との向き合い方、ベテラン患者の考え方なども掲載。1型糖尿病治療に携わる栄養士や医師、糖尿病療養指導士はもちろん、患者さんやご家族にもおすすめの一冊。

第1部 病気と治療法を理解する
A.1型糖尿病とは
 1.異常はどこに起きているのか
 2.異常によってどのような代謝異常が起こるのか
 3.異常はどのように改善できるのか
 4.治療上の問題、未解決の問題
B.1型糖尿病におけるインスリン療法と栄養
 1.1型糖尿病におけるインスリン療法の基本
 2.治療の目標

第2部 病気と取り組む(実践編)
A.基礎編:病気と向き合う
B.実践編(1):治療を始める
 1.正しいインスリン注射法を決めるには
 2.血糖値へ影響を与える栄養素の名称を言える
 3.各栄要素の血糖への影響の特徴を説明できる
 4.糖質、タンパク質、脂質、食物繊維を主に供給する食品を言える
 5.理想的な食事のパターンを知る
 6.主食+主菜+副菜の組み合わせで食べて血糖を測る
 7.運動・労働に見合ったチャージ(補食)の方法を知る
 8.不足に備えてチャージ(補食)する
C.実践編(2):レベルを上げる
 1.いろいろな食事パターンがあることを知る
 2.食事のパターンに合わせて食前に打つインスリンの量を変えることができる
D.実践編(3):エキスパートになる=病気とつきあう
 1.血糖値に影響を及ぼす因子を説明できる
 2.ベテラン患者にきく血糖コントロールのコツと考え方
 (1)インスリンはどこに置く
 (2)インスリンはいつ、どこで打つ?(外食時など)
 (3)血糖はいつ、どこで測定するか?
 (4)間食を食べるとき
 (5)不規則な食事時間
 (6)会食・宴会のパターン
 (7)アルコールを飲むとき
 (8)旅行先で(海外旅行など)
 (9)車の運転
 (10)夜勤のとき
 (11)激しいスポーツをするとき
 (12)血糖自己測定器の針はいつ替えるのか?
 (13)女性ならではの困りごと
 (14)決めておくと良いこと・自分なりのルール
 3.トラブルに対応する(周囲のサポート)

索引

1型糖尿病と2型糖尿病は本質的に異なる疾病であり、治療の考え方もそれぞれに適した方法によらなければなりません。しかしながら、わが国は2型糖尿病大国であり、1型糖尿病患者数は2型糖尿病のそれと比べると、きわめて少ないのは周知のとおりです。そのために、糖尿病専門医であっても1型糖尿病患者の治療に2型糖尿病治療の考え方を当てはめてしまうことが少なくないのではないかと思うことがあります。1型糖尿病の治療を2型糖尿病治療の考え方で行っても、患者の血糖コントロールはよくならず、患者のストレスを高めてしまい、かえって血糖コントロールを悪化させることも少なくありません。
 絶対数でみると1型糖尿病の患者数はわが国でも決して少なくはありません。しかしながら、今までわが国には1型糖尿病治療に特化した教科書といえるものはありませんでした。今回、私たちは1型糖尿病の治療について、最新の考え方を知っていただくことを目的として、本書「1型糖尿病の治療マニュアル」を企画いたしました。
 本書は、1型糖尿病におけるインスリン療法の基本、食事療法の考え方、そして、治療に伴うさまざまな問題について今日からの治療に役立つ内容を目指して編纂いたしました。本書が1型糖尿病患者の血糖コントロールの改善に少しでも役立ってくれることを祈念いたします。
 本書には、他にも2つの特徴があります。ひとつは、血糖コントロールの非常に上手な1型糖尿病の患者さんたちに糖尿病治療に対する考え方や「うら技」を披露してもらったことです。素晴らしい血糖コントロールと高いQOLを両立させている患者さんたちはさまざまな工夫を凝らしています。医療関係者はそうした患者さんから学ばなければならないことがたくさんありますが、学ぶ機会はあまりありません。患者さんたちが、どのようにして血糖コントロールとQOLを両立させているかを知ることのできる貴重な教科書と思います。
 もうひとつの特徴は、患者さんにも理解できる内容を目指したことにあります。糖尿病は教育の病気ともいわれます。患者さん自身が糖尿病についてよく学び、病態と治療法について正しく理解していなければ良好な血糖コントロールを得ることはできません。本書は、医師、コメディカルに読んでいただくと同時に、医師、コメディカルによる患者教育のためのテキストとしてもお使いいただくことを念頭に作成いたしました。そのため、一部はワークブック形式となっています。本書を通じて、医師、コメディカル、患者さんが共通の理解のもとに最善の治療を実践していただければ編者としてこのうえない幸せです。
2010年12月
丸山太郎
丸山千寿子