書籍

感染症のチーム医療

専門医の処方意図を探れ!

編集 : 三笠桂一/森田邦彦
ISBN : 978-4-524-26263-2
発行年月 : 2012年11月
判型 : B5
ページ数 : 239

在庫あり

定価3,780円(本体3,500円 + 税)

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

チーム医療対象の代表格である感染症について、各科の代表的な疾患毎に、病態や症状を踏まえた診断から処方設計に至るプロセスを学ぶことで、「処方意図」を理解できる。医師と薬剤師がタッグを組んだ構成のため、医師の視点を理解したうえで、チーム医療の一員として薬剤師が知っておくべき処方時の注意点や、治療薬物モニタリング(TDM)が的確に押さえられる一冊。

I 呼吸器科領域
 1.急性上気道炎、急性気管支炎
 2.肺炎(市中肺炎、院内肺炎)
 3.肺結核、非結核性抗酸菌症(肺MAC症)
U 耳鼻咽喉科領域
 1.外耳炎
 2.中耳炎
 3.鼻副鼻腔炎
 4.急性扁桃炎
 5.咽喉頭炎
V 外科領域
 1.腹膜炎
 2.胆?炎、胆管炎
 3.創感染、軟部組織感染
 4.手術部位感染(SSI)
W 消化器科領域
 1.感染性胃腸炎
X 神経科領域
 1.髄膜炎
 2.脳膿瘍
 3.脳炎
Y 泌尿器科領域
 1.膀胱炎
 2.腎盂腎炎
 3.ウロセプシス
 4.小児の尿路感染症
 5.無症候性細菌尿
 6.カテーテル関連尿路感染症
 7.急性前立腺炎
 8.急性精巣上体炎
 9.必読のエビデンスとCHECKすべき目のつけどころ
Z 婦人科領域
 1.外性器感染症
 2.腟炎
 3.内性器感染症
 4.性感染症
 5.絨毛膜羊膜炎
 6.CHECKすべき目のつけどころ
[ 皮膚科領域
 1.細菌性皮膚感染症
 2.ウイルス性皮膚感染症
 3.疥癬
\ 眼科領域
 1.涙嚢炎
 2.眼瞼炎、麦粒腫
 3.結膜炎
 4.角膜炎
] 循環器科領域
 1.感染性心内膜炎
 2.感染性動脈瘤
XI 血管領域
 1.血管内留置カテーテル関連血流感染症
 2.敗血症
XII 口腔外科領域
 1.口腔外科領域
索引

感染対策は、制御と治療の二本柱からなる。前者は、医療関連感染の予防、薬剤耐性菌も含めた病原体の水平伝播の防止、さらには医療従事者の職業感染予防などに照準を当てて実施されるもので、従来、多くの医療機関ではこれこそが感染制御チーム(infection control team:ICT)の役割として取り組まれてきた。一方、感染症科が独立して組織され機能しているケースがきわめてまれなわが国の大多数の医療機関では、近年もう一方の柱である感染症の治療、とりわけ抗菌薬、抗真菌薬あるいは抗ウイルス薬の適正使用についてもICTが果たすべき重要な役割として位置づけられ、これに対応して、ICT を構成するメンバーの中でもとくに薬の専門家としての薬剤師の職能発揮に絶大な期待が寄せられている。
 本書は、呼吸器科、耳鼻咽喉科、外科といった各診療科領域ごとに、好発する感染症とそれに対する病態→所見→処方設計という、一連の感染症専門医の診断と処方を組み立てる上での思考のポイントを薬剤師向けに解説したものである。最適な感染症治療薬の選択や、最適な用法・用量の提案、さらには副作用や薬物相互作用などの有害事象をいかに回避するかといった、薬剤師ならではの職能発揮に向けてのノウハウを具体的に示した指南書である。各章の冒頭には、“カンファレンス”と題してICTの構成メンバーが互いの専門性を背景にさまざまな角度からの提案場面を設けることで、臨場感を読者に抱いてもらいやすいよう工夫を凝らした。
 平成22年(2010年)4月に発せられた厚生労働省医政局通知(医政発0430第1号)の中で、“薬剤師と医師との協働”あるいは“薬剤師から医師への提案”が望まれる項目として、
 1)薬剤の種類、投与量、投与方法、投与期間等の変更や検査のオーダーについて、医師・薬剤師等により事前に作成・合意されたプロトコールに基づき、専門的知見の活用を通じて、医師等と協働して実施すること。
 2)薬剤選択、投与量、投与方法、投与期間等について、医師に対し、積極的に処方を提案すること。
 3)薬物の血中濃度や副作用のモニタリング等に基づき、副作用の発現状況や有効性の確認を行うとともに、医師に対し、必要に応じて薬剤の変更等を提案すること。
などが謳われた。感染制御あるいは感染症治療の領域は、薬剤師にとって上記の職能を如実に発揮しうる格好のフィールドといえる。その意味で本書は、ICTの構成メンバーである薬剤師のみならず、病棟業務担当薬剤師ならびに保険薬局薬剤師にも大いに活用してもらいうるものと確信している。
2012年秋
編集者一同