書籍

呼吸器疾患診断フォトブック

: 杉山幸比古
ISBN : 978-4-524-26246-5
発行年月 : 2013年7月
判型 : B5
ページ数 : 180

在庫あり

定価7,344円(本体6,800円 + 税)

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

呼吸器疾患診療に豊富な経験をもつ著者が、貴重な写真・画像とともに自身の考えを交えて呼吸器疾患診断の要点を解説。感染症、閉塞性肺疾患、間質性肺疾患、肺癌など多岐にわたる呼吸器疾患について“特徴的な症例写真、画像所見、病理所見と明快な解説”でテーマごとに見開きで構成。臨床呼吸器内科学のダイナミックさが理解でき、総合的診断力が身につく一冊。

総論 呼吸器疾患における診断力
各論 呼吸器疾患カラーアトラス
A.感染症
 1.クレブシエラ肺炎
 2.肺炎球菌肺炎
 3.緑膿菌とグラム染色
 4.パラコクシジオイデス症
 5.サワガニと肺吸虫症
 6.マイコプラズマの細菌学
 7.マイコプラズマ肺炎の画像
 8.肺アスペルギルス症(1):慢性壊死性肺アスペルギルス症
 9.肺アスペルギルス症(2):アスペルギローマ、侵襲性肺アスペルギルス症
 10.肺ムコール症
 11.結核菌と肺結核
 12.気管支結核
 13.粟粒結核
 14.結核性胸膜炎の胸腔鏡所見
 15.クリプトコッカス症
B.気管支喘息、COPD、気管支拡張症、気道系疾患
 1.COPDの徴候:胸鎖乳突筋の発達
 2.気管支拡張症
 3.びまん性汎細気管支炎と在宅酸素療法
 4.びまん性汎細気管支炎と遺伝的素因
 5.気管支結石症
 6.Kartagener 症候群
 7.びまん性気管支拡張と排痰ドレナージ
C.びまん性肺疾患、間質性肺疾患
 1.特発性肺線維症と蜂巣肺
 2.Hermansky-Pudlak 症候群
 3.非特異性間質性肺炎
 4.特発性器質化肺炎
 5.砥の粉肺
 6.夏型過敏性肺炎
 7.加湿器肺
 8.鎌倉彫とマコモズミ
 9.肺胞蛋白症と気管支肺胞洗浄
 10.肺胞微石症
 11.バチ指と特発性肺線維症
 12.サルコイドーシスと肉芽腫
 13.サルコイドーシス(皮膚病変)
 14.サルコイドーシスの気管支鏡所見
 15.過敏性肺炎の肉芽腫
 16.夏型過敏性肺炎のBAL 細胞
 17.びまん性肺胞出血
 18.急性好酸球性肺炎
 19.全身性強皮症と間質性肺炎
 20.鳥飼病
D.画像が特徴的な疾患
 1.漏斗胸
 2.Chilaiditi 症候群
 3.おさげ髪
 4.円形無気肺
 5.肺リウマチ結節
E.腫瘍
 1.縦隔腫瘍:奇形腫と喀毛症
 2.Pancoast 腫瘍とHorner 症候群
 3.肺癌と女性化乳房
 4.黒色表皮腫と肺癌
 5.脂漏性角化症と肺癌
 6.上大静脈症候群
 7.肺癌の画像と組織:腺癌
 8.肺癌の画像と組織:扁平上皮癌
 9.肺癌の画像と組織:小細胞癌
 10.肺癌の画像と組織:大細胞癌
 11.粘表皮癌と中葉無気肺
 12.癌性リンパ管症
 13.気管腫瘍とフローボリューム曲線
 14.神経線維腫
 15.縦隔型肺腺癌
 16.Pulmonary epithelioid hemangioendothelioma
 17.悪性胸膜中皮腫
F.その他の疾患、原因不明な疾患
 1.黄色爪症候群
 2.肺動静脈瘻
 3.気道異物(トウモロコシ)
 4.気道異物(義歯)
 5.石綿小体と胸膜プラーク
G.検査
 1.呼吸機能
 2.卓上型スパイロメーター
 3.気管支鏡と内科的胸腔鏡
 4.気管支腔内超音波診断法(EBUS)

私は1976年に大学を卒業して、大学病院で2年間研修したのち、ある県の一般病院で1年間働く機会があった。そのとき、様々な患者さんの診療を経験するなかで、内科学(医学)というものは目で見て診断の役に立つ事柄が大変多いのではないかと思うようになり、役に立ちそうな写真の保存を始めた。その後大学へ戻り、呼吸器内科学の基礎と臨床を学ぶに従い、内科学のなかでも呼吸器病学というものが、非常に古典的な要素が多く、いかに詳しく患者さんから様々な情報をもらうか(問診)と、じっくり患者さんや、周辺の状況を見る(視診)ことが極めて大切で有用であることを実感する毎日であった。このことは現在の自治医科大学へ赴任してからも、益々強く思うこととなり、長年集めてきた資料を何らかの形で、若いドクター、医学生の役に立てたいとの思いが強まってきていた。
 この本は若い医学生や研修医、レジデントの方々に、目で見ることによって得られる情報を一冊で経験していただこうという趣旨である。したがって、ベテランや専門医の方々には少しくどい内容であろうかと思う。
 本をまとめるにあたり、30数年にわたって集めてきた資料を使わせていただいたが、多くの病理写真についてはことに思い入れが深い。若い頃東京大学病院で、自分が係となって毎月、生検例のカンファレンスを行っていたが、その際病理所見を教えていただき、毎回貴重なスライドを作って私にくださったのが、元杏林大学病理学教授であった故山口和克先生である。当時は若き助教授として東大病院におられたが、毎回、浅学の私が夕方、医学部本館の半地下のお部屋にお邪魔すると、大変熱心に詳しくいろいろなことを教えてくださった。なかなか厳しい先生だったが、大変お忙しいなか、私のつまらぬ沢山の質問にいつも丁寧にお答えいただき、私はこの時間が何よりも楽しい一時であった。今、本になろうとしているゲラを見ながら、当時のワクワクするような、疑問点が一つ一つ氷解する素晴らしい時間を思い出し、感無量である。山口先生にこの本を差し上げられないのが何とも残念でならない。
 その他、本をまとめるにあたり、友人の自治医科大学細菌学 平井義一教授、そしていつも病理の最終判断で頼りにさせていただいている日本赤十字社医療センター 武村民子先生に貴重なお写真をいただいた。また、自治医科大学皮膚科 大槻マミ太郎教授には適切なアドバイスをいただいた。ここに感謝申し上げる。所々にある切手は、私の7歳のときからの趣味である切手収集の余録であり、こんな所で趣味が役に立つとは思わなかった。多くの症例に実際にかかわってくださった医局員の皆様や、写真に快く登場してくださった皆様に深く感謝致します。

平成25年6月吉日
杉山幸比古