書籍

骨軟部病変の画像診断原書第1版

監訳 : 吉川秀樹/田中壽
ISBN : 978-4-524-26233-5
発行年月 : 2014年4月
判型 : A4
ページ数 : 858

在庫あり

定価32,400円(本体30,000円 + 税)

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文
  • 書評

画像診断領域の最高峰であるAMIRSYSコレクションの筋骨格系病変版。外傷も含め、炎症性疾患、先天性疾患、代謝性疾患まですべての骨・軟部病変を網羅。3,000枚を超える良質なX線、CT、MRI写真は貴重な資料である。鑑別診断に必要な知識が一目で分かるエッセンシャルな解説、さらに解剖学的、放射線学的、臨床学的の3部構成による縦横漏れのない画像診断情報を提供。

SECTIONS
PART I
解剖学的部位からみた鑑別
 (1)扁平骨
 (2)長管骨−骨端部
 (3)長管骨−骨幹端部
 (4)長管骨−骨幹から骨幹端部
 (5)長管骨−成長軟骨板
 (6)骨膜
 (7)関節
 (8)肩甲帯(上肢帯)・上腕
 (9)肘・前腕
 (10)手関節・手
 (11)指・趾
 (12)椎間板
 (13)傍脊椎異常
 (14)椎体縁
 (15)椎体病変
 (16)肋骨
 (17)骨盤
 (18)腰部・大腿
 (19)膝・下腿
 (20)足・足関節
PART II
画像所見からみた鑑別
 (1)X線/CT−骨
 (2)X線/CT−軟部組織
 (3)MR−骨
 (4)MR−軟部組織
 (5)MR−関節
 (6)超音波
 (7)核医学
PART III
臨床所見からみた鑑別
 (1)肩甲骨・上肢
 (2)肘・前腕
 (3)手関節・手
 (4)骨盤・股関節・大腿
 (5)膝・下腿
 (6)足関節・足
 (7)脊椎
 (8)全身性疾患
PART I
解剖学的部位からみた鑑別
 (1)扁平骨
  扁平骨、限局性の骨膨隆性・泡沫状病変
  扁平骨、浸透性病変
 (2)長管骨−骨端部
  長管骨、骨端部の不整像あるいは斑点像
  長管骨、骨端部の過成長/風船状拡大
  長管骨、骨端部の骨硬化/象牙様変化
  長管骨、骨端部・骨突起部の軟骨下溶骨性病変
 (3)長管骨−骨幹端部
  長管骨、骨幹端部の帯・線状病変
  長管骨、骨幹端部の杯状変形
  長管骨、骨幹端部の毛羽立ち
  長管骨、骨幹端部中心性病変、非侵襲性
  長管骨、骨幹端部中心性病変、侵襲性
  長管骨、骨幹端部の泡沫状病変
  長管骨、骨幹端部偏心性病変、非侵襲性
  長管骨、骨幹端部偏心性病変、侵襲性
  長管骨、骨幹端部骨皮質病変
  長管骨、表面(皮質近傍)病変
 (4)長管骨−骨幹から骨幹端部
  長管骨、骨幹部中心性病変、非侵襲性
  長管骨、骨幹部病変、侵襲性:成人
  長管骨、骨幹部病変、侵襲性:小児
  長管骨、骨内膜肥厚を伴う骨幹部侵襲性病変
  長管骨、骨幹部骨皮質病変、硬化性
  長管骨、骨幹部骨皮質病変、溶骨性
  長管骨、びまん性皮質骨、骨内膜性肥厚
  脛骨骨幹端および骨幹の皮質骨病変
  長管骨、横径拡大(undertubulation)
  長管骨、横径縮小(overtubulation)
 (5)長管骨−成長軟骨板
  成長軟骨板、成熟前骨端線閉鎖
  成長軟骨板、骨端線拡大
 (6)骨膜
  骨膜、侵襲性が高い骨膜反応
  骨膜、肥厚性の骨膜反応
  骨膜、異様な水平状骨膜反応
  骨膜、多発骨膜反応/肢端部肥厚、成人
  骨膜、多発骨膜反応、小児
 (7)関節
  正常骨濃度の関節炎
  骨減少症を伴う関節炎
  増殖性変化を伴う関節炎
  びらん性変化を伴う関節炎
  びらん性/増殖性混合型関節炎
  大きな軟骨下嚢胞を伴う関節炎
  萎縮性関節破壊
  ムチランス型関節炎
  神経障害性関節症
  軟骨スペースが温存される関節炎
  関節腔の拡大
  強直
  関節内石灰化病変
  軟骨石灰化
  関節近傍の石灰化
  中手指節(MCP)関節に優勢な関節炎
  指節間(IP)関節に優勢な関節炎
  単関節炎
  関節内腫瘤
  溶骨性/嚢胞性病変を伴う人工関節
 (8)肩甲帯(上肢帯)・上腕
  鎖骨、非関節疾患
  鎖骨遠位端の骨吸収像
  上腕骨近位端、骨幹端内側のびらん像
  肩甲上腕関節のアライメント異常
  前上方関節唇の変異/病態
  肩関節周囲の関節液貯留
 (9)肘・前腕
  橈側列形成不全/無形成
  前腕変形
 (10)手関節・手
  手根部の嚢胞性/溶骨性病変
  橈骨carpal angleの異常
 (11)指・趾
  くも状指
  指(趾)の軟部腫瘤
  先端骨溶解症
  先端骨硬化症
  指(趾)節骨の嚢胞性/溶骨性病変
  種子骨炎
  中手骨/中足骨の短縮症
  尺側偏位(MCP関節)
  指(趾)の腫脹と骨膜炎(指(趾)炎)
 (12)椎間板
  椎間を越えて拡がる病変
  椎間板の石灰化
 (13)傍脊椎異常
  環椎前方の骨化/石灰化
  脊椎近傍の骨化と石灰化
  脊椎前縁に沿っての線状骨化
 (14)椎体縁
  弾丸状の椎体/椎体前縁の嘴状の突出
  小児期の先天的または後天的な扁平椎
  魚椎(上下がなだらかにくぼんだ椎体)またはH型の椎体(H-shaped vertebra)
  ひとつまたは複数の椎体の方形化
 (15)椎体病変
  椎体の骨硬化
  脊椎骨棘
  椎体に発生する病変
  後方要素に発生する病変
 (16)肋骨
  肋骨侵蝕像(rib notching)、下部
  肋骨侵蝕像(rib notching)、上部
  単発性肋骨病変
 (17)骨盤
  仙腸関節炎、両側性、対称性
  仙腸関節炎、両側性、非対称性
  仙腸関節炎、片側性
  増殖性変化/癒合を認める恥骨結合
  恥骨結合、開大
  臼蓋上方〜腸骨の破壊像
 (18)腰部・大腿
  股臼底突出
  巨大骨頭変形
  股関節唇断裂、病因
 (19)膝・下腿
  大腿骨顆間窩の拡大
  膝蓋溶骨性病変
  脛骨弯曲
  膝関節周囲の液体貯留
  膝窩部腫瘤、関節外
  半月板サイズの変化
  外反膝
  内反膝変形
 (20)足・足関節
  アキレス腱の肥厚/肥大
  踵骨のびらん、後部結節
  踵骨腱滑液包炎
  足の軟部腫瘤
  距骨嘴
  距骨の嚢腫様病変/溶骨性病変
PART II
画像所見からみた鑑別
 (1)X線/CT−骨
  多骨性病変、成人
  多骨性病変、小児
  単発性地図状溶骨性病変
  骨硬化性病変、単発性
  骨硬化性病変、多発性
  中心部透亮像を伴う硬化性病変
  腐骨
  骨ターゲット病変
  石灰化含有骨病変
  高侵襲性所見を示しうる良性骨病変
  転移性骨腫瘍
  骨濃度の全身性上昇、成人
  骨濃度の全身性上昇、小児
  硬化性骨異形成
  仮骨の過形成
  骨内骨像(bone-within-bone appearance)
  骨減少
  骨粗鬆症、びまん性
  局所的骨粗鬆症
  皮質内骨吸収(cortical tunneling)
  偽関節
  腱(靱帯)付着部症
  腱と靱帯の骨化
  骨年齢、早熟
  骨年齢、遅延
 (2)X線/CT−軟部組織
  軟部組織骨化
  結節状石灰化
  線状・曲線状石灰化
  石灰化を含む軟部腫瘍
 (3)MR−骨
  骨髄浮腫症候群(近位大腿骨)
  軟骨下浮腫様信号
  骨端骨髄異常信号
  骨髄脂肪の増加
  骨髄過形成
  液面形成を伴った骨病変
 (4)MR−軟部組織
  T1強調像で高信号の病変
  T1強調像、T2強調像ともに低信号の軟部組織病変
  液面形成を有する軟部組織病変
  軟部組織のターゲット病変
  嚢胞性腫瘤
  皮下腫瘤
  筋肥大
  筋萎縮
  筋肉間浮腫
  腱鞘滑膜炎/腱鞘滑膜の液貯留
  末梢神経の腫大
 (5)MR−関節
  低信号を示す関節内物質、MRのどの撮影法でも
 (6)超音波
  無エコー腫瘤
 (7)核医学
  骨シンチグラムでの取り込みの減少および正常と誤解される画像
  骨シンチグラムでの軟部組織における取り込み
  スーパースキャン(骨が濃く、腎臓・尿路系が淡く描画される骨シンチグラム)
PART III
臨床所見からみた鑑別
 (1)肩甲骨・上肢
  有痛性あるいは肥大した胸鎖関節
  肩腱板症状
  肩関節不安定症
  前下方関節唇/関節包損傷
  神経絞扼性障害、肩
 (2)肘・前腕
  小児および若年者における肘関節変形
  肘関節外側部痛
  肘関節内側部痛
  肘頭滑液包炎
  神経絞扼性障害、肘と手関節
 (3)手関節・手
  手関節 クリック/clunk(関節運動時の雑音)/不安定性
  手関節尺側部痛
  手関節橈側部痛
 (4)骨盤・股関節・大腿
  鼡径部/股関節の疼痛
  股関節外側部痛
  弾発股
  大腿部痛
  神経絞扼性障害、下肢
  股関節痛、高齢者
  人工股関節全置換術後の疼痛
 (5)膝・下腿
  膝前部痛
  膝内側部痛
  腓腹部痛
  人工膝関節全置換術後の疼痛
 (6)足関節・足
  足関節前部痛/インピンジメント
  足関節内側部痛
  足関節外側部痛
  踵部痛
  趾付け根の膨らみ部(中足骨頭足底側)の痛み
  外反扁平足(扁平足)
  凹足変形
  先天性足部変形
  糖尿病性足の合併症
 (7)脊椎
  有痛性側弯症
 (8)全身性疾患
  10歳代の関節炎
  筋骨格系に所見を呈する貧血
  阻血性壊死(avascular necrosis)
  異所性骨化
  くる病と骨軟化症
  軟部組織拘縮
  上肢または下肢短縮、片側性
  片側肥大
  部分的巨大症/巨指症
  脊椎に目立った変化を有する小人症
  四肢短縮を伴う小人症
  肋骨短縮を伴う小人症
  水平な臼蓋を伴う小人症
索引

近年の画像診断の進歩は目覚しく、骨軟部領域の画像診断もその例外ではない。一方、臨床の場で、早期の適切な治療を開始するためには、正しい画像診断が必須である。骨軟部病変の画像診断に関する解説書は多く出版されているが、各疾患や各診断名ごとに画像所見が解説されており、意外にも「骨軟部病変の鑑別診断」という切り口でまとめられた書はほとんど存在しない。
 このような時機に、ユタ大学医学部放射線医学のManaster 教授が中心となって、“Expert ddx”シリーズ、『Musculoskeletal』(原題:Expert DifferentialDiagnosis Musculoskeletal)が出版された。本シリーズは、脳・脊椎、頭頚部、婦人科、腹部、小児、超音波が既に出版されている。このたび、「骨軟部」版の日本語訳の企画があり、大阪大学整形外科吉川秀樹と大阪大学放射線科田中壽の体制で監訳に携わる機会を与えていただいた。本領域に造詣の深い第一線でご活躍の放射線科医、整形外科医の先生方に翻訳を依頼した。豊富かつ詳細な内容であること、用語の統一が必要であったことから、翻訳・監訳に長期間を要したが、ここに膨大な日本語訳の『Expert ddx 骨軟部病変の画像診断』が出版される。
 本書の特徴は、『解剖学的部位からみた鑑別』『画像所見からみた鑑別』『臨床所見からみた鑑別』の3つのセクションに分けられていることである。それぞれのセクションには、頻度別の鑑別診断、鑑別診断のキーポイント(診断に有用な手がかり)が記載されており、各病変の質の高い画像が網羅的に提示されている。実際の症例に遭遇した時に、まるで大事典を検索するように、最も適切な診断にたどり着くという形式に構成されている。このセクション別に分けた編集方針のねらいと活用方法の例は、原著の序でManaster 教授が述べておられるので、本書を読まれる際に参考にしていただきたい。
 本書は骨軟部病変の画像診断のエキスパートを目指す放射線科医、整形外科医にとって、まさにバイブル的な書と考えている。全国の放射線科、整形外科の先生方に広く活用していただければ、このうえない喜びである。
 最後に、ご多忙の中翻訳作業にご尽力いただいた諸先生に感謝の意を表したい。

2014年2月
吉川秀樹
田中壽

本年4月に発行された本書が手元に届いた。A4版で厚さ4cmを超える大著である。本書は大阪大学大学院整形外科教授の吉川秀樹先生と同放射線医学准教授の田中壽先生が監訳され、お二人を含む14名の方々が翻訳されたものである。専門的知識を必要とする膨大なお仕事にまず敬意を表したい。原著は米国Utah大学の放射線科Manaster教授が中心となって執筆した、Amirsys社の「Expert ddx(Expert Differential Diagnosis Musculoskeletal)」シリーズの一つである。本シリーズはすでに脳・脊椎、頭頚部、婦人科、腹部、小児、超音波が出版されているとのことである。
 本書は大部の書であるにもかかわらず、図が豊富で、きわめて合理的かつ読みやすく執筆されており、むしろコンパクトな印象さえ与える。すなわち、全体は鑑別診断を基本にまとめられており、「PartI解剖学的部位からみた鑑別」、「PartII画像所見からみた鑑別」、「Part III臨床所見からみた鑑別」の3部に分かれている。PartIでは「(1)扁平骨」から「(20)足・足関節」まで解剖学的部位別に記載がされている。PartIIでは「(1)X線/CT−骨」から「(7)核医学」まで最新の画像診断が網羅されている。Part IIIでは「(1)肩甲骨・上肢」から「(8)全身性疾患」まで主要な臨床所見について記載されている。さらに本書の全体を通じて各Partの記載項目が統一されており、大きく「鑑別診断」、「必須事項」に分かれ、さらに「必須事項」は「(1)高頻度病変の診断に有用な手がかり」、「(2)比較的稀な病変の診断に有用な手がかり」、「(3)稀な病変の診断に有用な手がかり」に分かれている。また、疾患の特徴などの細目も箇条書きにされており、みやすく理解しやすい。「鑑別診断」、「必須事項」の記載の後には、一般的な疾患からまれな疾患までを含めたX線像、CT、MRIなど数多くの良質な画像が呈示され、簡潔な解説が加えられている。
 従来、多くの医学書では疾患ごとの記載が行われてきた。しかし、実際の臨床現場では個々の患者の愁訴の解剖学的部位、画像所見、臨床所見などから、絶えず鑑別診断を行い、正しい診断に到達するのが通常である。はじめから疾患の目安がついているわけではない。特に骨・軟部病変においては、一刻も早く診断を確定することがその後の治療の成否を左右することさえある。この意味からも、本書は実地臨床に即したものといえる。
 現在はインターネットをはじめとして多くの情報がきわめて容易に入手できる時代である。しかしながら、氾濫する情報の中から真に有用なものを的確に選択することは時に困難である。本書のごとく責任ある執筆者が十分に内容を吟味し、必要なことを簡潔に記載した書物は、特に医学・医療においては貴重なものである。前述のように本書は大部でありながら、第一線の臨床現場で機動的に使用可能な書物である。放射線科、整形外科の外来・病棟におき、多くの医療関係者に活用していただくことをぜひおすすめしたい。
 一方、本書は実地臨床に即した書物というだけではなく、日常診療ではあまりみることの少ないまれな疾患の画像まで多く収載されており、骨・軟部病変の画像診断を学ぶすべての医療関係者にとって知識の整理につながる書物である。本書を座右におき、多くの最新の画像とその解説を読むことにより、自然に骨・軟部病変の画像について実地臨床に役立つ知識が得られるものと思われる。一度、時間をつくり全体を通読されることもおすすめしたい。

臨床雑誌整形外科65巻10号(2014年9月号)より転載
評者●千葉大学大学院整形外科教授 高橋和久