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日本消化器病学会ガイドライン

胃食道逆流症(GERD)診療ガイドライン

こちらの商品は改訂版・新版がございます。

編集 : 日本消化器病学会
ISBN : 978-4-524-26219-9
発行年月 : 2009年11月
判型 : B5
ページ数 : 144

在庫なし

定価3,240円(本体3,000円 + 税)

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  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

日本消化器病学会編集による、エビデンスに基づいたオフィシャルな診療ガイドライン。胃食道逆流症(GERD)に関わる厖大な文献を吟味し、診療する上で問題となるクリニカルクエスチョン(CQ)に対して、推奨グレードとエビデンスレベルを明記して診療の指針を示す。GERDの疫学、病態、診断、内科的治療、外科的治療、上部消化管術後食道炎、および食道外症状の現時点での標準的治療がわかる。

クリニカルクエスチョン一覧
1.疫学
(1)有病率
 CQ1-01 日本人のGERDの有病率はどれくらいか?
 CQ1-02 日本人のGERDの有病率は増加しているか?
(2)GERD患者の身体的特徴と合併症
 CQ1-03 GERDの有病率は過体重者に多いか?
 CQ1-04 GERDは食道裂孔ヘルニアを合併するか?
 CQ1-05 狭窄、出血、Barrett食道の合併頻度はどうか?

2.病態
(1)GERDの定義
 CQ2-01 GERDとは胃内容物の逆流により臨床症状や合併症を生じた病態の総称であるか?
 CQ2-02 GERDの食道粘膜傷害の主な原因は胃酸曝露であるか?
 CQ2-03 酸以外の逆流がGERDの原因となるか?
 CQ2-04 食道の胃酸曝露の原因は胃内容物の逆流と食道運動異常であるか?
 CQ2-05 食道への胃酸逆流の原因は一過性の下部食道括約筋弛緩と食道裂孔ヘルニアであるか?
(2)世界との比較
 CQ2-06 H.pylori感染でGERDの有病率は低下するか?
(3)胃食道逆流の要因
 CQ2-07 激しい肉体運動はGERDの誘発因子になるか?
(4)胃食道逆流によって起こる粘膜傷害以外の影響
 CQ2-08 逆流性食道炎(びらん性GERD)とNERD(非びらん性GERD)の病態は異なるか?
(5)Barrett食道
 CQ2-09 GERDはBarrett食道の原因になるか?

3.診断
(1)自覚症状の評価
 CQ3-01 胸やけ症状は患者に正しく理解されているか?
 CQ3-02 酸逆流により食道外症状のみが出現するGERD患者はいるか?
 CQ3-03 自己記入式アンケートでGERDは診断できるのか?
 CQ3-04 内視鏡的粘膜傷害の程度は症状と相関するか?
 CQ3-05 PPIテストの意義は何か?
(2)内視鏡診断
 CQ3-06 逆流性食道炎(びらん性GERD)の分類には日本でもロサンゼルス分類を用いるべきか?
 CQ3-07 minimal changeは逆流性食道炎(びらん性GERD)として取り扱うべきか?
(3)逆流現象の評価
 CQ3-08 24時間pHモニタリング検査のGERD診療での位置づけは何か?
(4)Barrett食道の診断
 CQ3-09 Barrett食道の定義は?
 CQ3-10 Barrett食道の診断には組織学的所見の裏づけが必要か?

4.内科的治療
(1)治療の目的
 CQ4-01 GERD治療の目的(目標)は何か?
(2)治療手段
 CQ4-02 生活習慣の改善・変更はGERDの治療に有効か?
 CQ4-03 アルギン酸塩、制酸薬、OTC薬はGERDの治療に有効か?
 CQ4-04 酸分泌抑制薬はGERDの治療に有効か?
 CQ4-05 PPIはGERDの第一選択薬か?
 CQ4-06 常用量のPPIで治療ができない場合はどうするか?
 CQ4-07 GERDの長期治療戦略は何か? 維持療法、間欠療法、オンデマンド療法、ステップダウン療法はどう使い分けるか?
 CQ4-08 GERD治療薬の長期維持療法は安全か?

5.外科的治療
(1)外科的治療適応対象の基準
 CQ5-01 どのような病態が外科的治療の適応となるか?
(2)外科的治療の効果
 CQ5-02 逆流防止手術の長期成績はPPI治療や内視鏡的治療と同等以上か?
 CQ5-03 外科的治療はPPI治療や内視鏡的治療よりも費用対効果比が良効か?
 CQ5-04 逆流防止手術の成績は外科医の経験と技能に左右されるか?
 CQ5-05 開腹手術に比べ腹腔鏡手術は有用か?
 CQ5-06 Nissen法とToupet法のどちらが優れているのか?
 CQ5-07 GERDに対する内視鏡的治療は有効か?

6.上部消化管術後食道炎
(1)定義
 CQ6-01 術後食道炎の原因となる食道粘膜傷害性を持つ逆流内容物は何か?
(2)要因
 CQ6-02 術後食道炎の発生に影響する要因は何か?
(3)術後食道炎の病態評価
 CQ6-03 術後逆流性食道炎(びらん性GERD)の病態評価の診断に有用なものは何か?
 CQ6-04 術後逆流性食道炎(びらん性GERD)に特有な病理組織像はあるか?
(4)術後食道炎の治療
 CQ6-05 術後食道炎の治療に有用な薬剤はあるか?
 CQ6-06 術後食道炎の治療に生活指導は有用か?
(5)術後食道炎の長期経過と合併症
 CQ6-07 術後食道炎の自然経過はどうなるか?
 CQ6-08 術後食道炎でBarrett食道は生じるか?

7.食道外症状
(1)非心臓性胸痛
 CQ7-01 GERDにより虚血性心疾患と見分けのつかない胸痛が生じることがあるか?
(2)慢性咳嗽
 CQ7-02 GERDにより慢性咳嗽が生じることがあるか?
(3)咽喉頭症状
 CQ7-03 GERDにより慢性咽喉頭炎(自覚症状のみも含む)が生じることがあるか?
(4)喘息
 CQ7-04 GERDにより喘息が生じることがあるか?
(5)睡眠障害
 CQ7-05 GERDにより睡眠障害が生じることがあるか?
(6)その他の食道外症状
 CQ7-06 GERDによりその他の食道外症状が生じることがあるか?

本ガイドラインの作成は日本消化器病学会の統一ガイドラインとして「消化性潰瘍」、「炎症性腸疾患(クローン病)」、「慢性膵炎」、「胆石症」、「肝硬変」のガイドラインとともに、2006年4月に行われた日本消化器病学会ガイドライン統括委員会において、(1)ガイドラインを作成すること、(2)GERDのガイドラインの担当理事を京都大学の千葉勉、評価委員会の委員長を東北大学の本郷道夫、作成委員会の委員長を島根大学の木下芳一とすること、(3)さらにそれぞれの委員会の委員が発表されたことに始まる。この時点で日本消化器病学会の作成するガイドラインは文献(エビデンス)に基づいたものとすること、対象疾患の患者の60〜70%程度がガイドラインで推奨されている診療を受ければ良好な結果が得られるような診療情報を提供するものであることが説明された。
 2006年5月に担当理事、評価・作成委員長による打ち合わせを行ったあとに、8月に作成・評価合同委員会を開き、ガイドラインの作成コンセプト、作成・評価についての説明、確認を行った。その後、作成委員会において、ガイドライン作成の基本となるクリニカルクエスチョン(CQ)の作成を行った。第一次のCQ案では、GERDの疫学に関するCQが8項目、病態が9項目、診断が33項目、内科治療が4項目、外科治療が13項目、食道外症状が10項目であった。その後、作成委員会内で検討を重ね、10月に疫学9項目、病態10項目、診断28項目、内科的治療12項目、外科的治療13項目、食道外症状10項目のCQを含む作成委員会としての最終案を評価委員会において検討した。さらに検討を重ねCQは疫学5項目、病態9項目、診断10項目、内科的治療8項目、外科的治療6項目、胃切後食道炎9項目、食道外症状6項目となり、これを最終CQとした。2007年5月より疫学・病態については、藤本一眞、城卓志、岩切勝彦、診断については三輪洋人、草野元康、内科的治療については蘆田潔、羽生泰樹、外科的治療・胃切後食道炎については河野辰幸、柏木秀幸、食道外症状については大原秀一、木下芳一の各作成委員が主に担当し、文献を検索、検索された論文の抄録を参考に論文を選択・発注し、各論文の日本消化器病学会で統一された様式に従った構造化抄録の作成と、これに基づいた論文の評価を行った。これをもとに各CQに対するステートメント案とステートメントのエビデンスレベルの決定、治療に関する部分においては推奨度の決定を行った。2008年2月にはステートメント案、エビデンスレベル案、推奨度案を評価委員会において検討した。さらに、その後に作成委員会、評価委員会合同でステートメントおよびエビデンスレベルと推奨度の修正、フローチャートの作成を行った。この過程で、学会会員の意見を取り入れるため、日本消化器病学会において合計3回の作成過程の発表、報告を行った。特に2008年10月の日本消化器病学会大会においてはCQ、ステートメント案、その根拠となった文献の検索式と検索された論文の一覧、エビデンスレベルと推奨度案の全てを示し、意見の聴取を行った。
 このあとに、ステートメントの解説文章を作成し、様式を日本消化器病学会で統一されたものに変更し、全学会会員の意見を聴取するべく学会ホームページへ掲載された。学会ホームページに掲載されたGERDガイドライン(案)に対して3件の意見が寄せられたため、これに対応した修正を行ったあとに日本消化器病学会の「胃食道逆流症(GERD)診療ガイドライン」として出版することとなった。
2009年9月
日本消化器病学会胃食道逆流症(GERD)診療ガイドライン作成委員長
木下芳一