書籍

頭頸部の臨床画像診断学改訂第2版

こちらの商品は改訂版・新版がございます。

: 尾尻博也
ISBN : 978-4-524-26209-0
発行年月 : 2011年10月
判型 : B5
ページ数 : 680

在庫なし

定価15,120円(本体14,000円 + 税)


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  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

「頭頸部の画像診断と臨床の統合を図る」をコンセプトに、頭頸部の代表的病態について臨床解剖から治療選択の判断、手術術式に至るまで、画像情報をもとに詳細に解説。今改訂では全体に画像・症例数を大幅に増補し、新たに「頭蓋顔面・頸部外傷」「神経周囲進展」の章や、付録「正常解剖アトラス」を設けた。収載画像総数1737。米国で耳鼻咽喉科の研鑽を積み、画像診断医としての奥行きを身につけた著者渾身の書。

1章 眼窩
 A 臨床解剖
 B 撮像プロトコール
 C 疾患

2章 鼻副鼻腔
 A 臨床解剖
 B “normal variant”とその臨床的意義
 C 撮像プロトコール
 D 炎症性疾患
 E 腫瘍および腫瘍類似疾患
 F 外科的療法

3章 上咽頭
 A 臨床解剖
 B 撮像プロトコール
 C 病態

4章 口腔
 A 臨床解剖
 B 画像診断・撮像プロトコール
 C 病態

5章 中咽頭
 A 臨床解剖
 B 撮像プロトコール
 C 病態

6章 喉頭
 A 臨床解剖
 B 画像診断・撮像プロトコール
 C 喉頭癌
 D その他

7章 下咽頭
 A 臨床解剖
 B 画像診断・撮像プロトコール
 C 下咽頭癌

8章 頸部リンパ節転移
 A 正常リンパ組織の解剖
 B Rouviereによるリンパ節解剖
 C 「レベル」システム
 D 「頭頸部癌取り扱い規約」(第4版)によるリンパ節分類
 E 撮像プロトコール
 F 病理機転
 G 臨床的意義
 H 頸部郭清術
 I 頸部リンパ節転移の画像所見(リンパ節転移の画像診断について)
 J 頸部リンパ節転移画像診断と治療の統合

9章 頸部嚢胞性腫瘤
 A 臨床的事項
 B 先天性頸部嚢胞性腫瘤
 C リンパ節性嚢胞性腫瘤
 D 非リンパ節性炎症性嚢胞性腫瘤
 E 臓側間隙(非炎症性)嚢胞性腫瘤
 F 血管性嚢胞性腫瘤
 G その他

10章 側頭骨
 A 臨床解剖
 B 耳痛(関連痛)
 C 撮像プロトコール
 D 側頭骨術式
 E 病態

11章 唾液腺
 A 生理・臨床解剖
 B 撮像プロトコール
 C 代表的術式
 D 病態

12章 頭蓋顔面・頸部外傷
 A 頭蓋顔面骨折
 B 穿通性咽頭損傷
 C 頸部外傷

13章 神経周囲進展
 A 総論
 B 各論

14章 その他

付録 頭頸部の正常解剖像
 A 眼窩・鼻副鼻腔(CT)
 B 上咽頭MRI(T2W1)
 C 中咽頭・口腔
 D 咽頭・下咽頭
 E 側頭骨

索引

2005年に本書「頭頚部の臨床画像診断学」の初版を出版したが、その当時、頭頚部領域の画像診断において、英文ではSom PM、Curtin HD編による“Head and Neck Imaging”(Mosby Inc.)が既に4th editionに達しており(現在5th editionに至っている)、邦文でもわが恩師である多田信平先生、黒崎喜久先生編の“頭頚部のCT・MRI”(メディカル・サイエンス・インターナショナル社;現在、酒井修先生と私で改訂中)が、いずれも包括的かつ詳細な記述から絶対的な教科書として認知されていた。初版の序文にも記したが、その中で本書を執筆したのは私なりの“本書の存在理由”があると信じていたからである
 同じ画像から得られる情報は本来同じものであるはずだが、画像診断医、臨床医と視点が異なると、各々、所見の重みが変わってきたり、相手にとって必要な情報を提供できなかったり、重要でない情報を過度に強調したりということもしばしば生じる。画像診断医が臨床医に必要な画像情報を提供するためには、画像診断の知識のみを有し、画像診断医としての視点でのみ画像評価を行うだけでは不十分である。臨床医が必要とするものを理解するには臨床的知識が要求される。一方、臨床医側としては、画像診断医から最大限の画像情報の提供を受けるために、必要な臨床情報の提供のみならず、評価を望む病態の画像検査の適応、適切な画像診断の選択に関する理解が必要となる。画像診断の知識を臨床に適応し、実践することが最も重要であり、“本書の存在理由(目的)”はまさにその一点に集約される。
 具体的には、画像診断医に対しては頭頚部領域での画像診断とともに、必要とされる臨床的知識(主に画像評価により影響される治療選択、画像情報による予後推定、治療後画像評価の臨床的意義など)臨床医に対しては画像診断において最大限の画像情報の提供を受けるために必要な画像診断の知識(主に画像評価の適応、適切な画像診断の選択、造影剤投与の要否、画像解剖など)を提供することを目的としている。また、検査を担当する放射線技師に対しては、各病態あるいは領域での適切な撮像を行うのに必要な知識(撮像方向、スライス厚・間隔の設定、造影剤投与の要否など)の理解、その知識を臨床において適応・実践できるようにすることを目的としている。
 今回の改訂版も、継続して初版と同じ存在理由を持つものと信じているが、初版発刊より6年あまりが経過し、多くの点で改訂の必要性が生じた。また、何よりもmentorであるDr。Mancusoが本年出版した“Head and Neck Radiology”(Lippincott Williams&Wilkins)により頭頚部画像診断を専門的に学び出した当初の記憶が呼び起こされたことが改訂を行う判断を後押しした。同書では各章で多少飽きるほどに同じスタイルの記述が繰り返され、重要な事項に関しては、時間・労力・紙面を惜しむことなく、読者に十分な理解を要求している。これは私が師事していた当時とまったく同じであり、私も本書の中でこの考えに従った。本書全体として、まれな疾患を一通り含む、collector's bookの形式ではなく、より頻度の高い、あるいは臨床上重要な病態・疾患を中心に、その重要性に応じて解説することに努めた。したがって、まれな病態、画像診断の関与するところが小さい病態などの記述は制限されており、必要であれば既出の他の成書を参照されたい。
 具体的な改訂内容では、今回、画像診断においては、初版出版当時はまだ一部の普及にとどまっていた多列検出器CTが基幹病院にほぼ完全に導入されたことから、CT撮像プロトコールを多列検出器CT用に書き換えた。また、これにより冠状断像・矢状断像など再構成画像の有用性が広がったため、これらの解説を追加した。また、適宜、より高い画質の画像に置き換えるとともに画像を多数増補し、必要なシェーマを加えた。
 臨床側からの改訂ポイントとしては、疾患概念の変遷(鼻副鼻腔炎の病型分類など)、疾患分類の変更(悪性リンパ腫の新しいWHO分類など)頭頚部癌での病期診断の改訂(UICC・JCCのTNM分類7th ed.)や化学療法・化学放射線療法の普及による画像評価の目的・対象・時期の変更などに関して、必要に応じて書き換え、あるいは解説を加えた。
 さらに、「頭蓋顔面・頚部外傷」「神経周囲進展」「その他」の3つの章を追加し、巻末付録として「頭頚部の正常解剖像」を設けた。その結果、画像や解説の増補と合わせて第2版は初版より約250ページ増えて、700ページ近い規模となった。
 本書が頭頚部領域の臨床に関わる医師、主に画像診断医、耳鼻科医、頭頚部外科医、口腔外科医、脳外科医、形成外科医、救急医、そして同検査に関わる放射線技師の臨床に寄与することを願う。
2011年9月
尾尻博也