教科書

Essential解剖学

テキスト&アトラス

監訳 : 中野隆
ISBN : 978-4-524-26129-1
発行年月 : 2015年5月
判型 : A4変
ページ数 : 554

在庫あり

定価7,128円(本体6,600円 + 税)

正誤表

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

原書『Anatomy:An Essential Textbook』は米国の医学部生対象のテキストで、美しい図版と分かりやすい解説、そして臨床との結びつきを意識した内容で評価が高い。随所に設けられた疾患との関係を記したコラムと、各章末問題とその解答・解説により、解剖学の基礎から臨床までを関連づけて効率よく学ぶことができる。日本語版では原書に忠実に訳出されており、医学部生のみならず、その内容から医療技術系学部生にもぜひ活用していただきたい一冊。

第I部 序論
 1 解剖学的な系統と定義についての序論
 復習問題
第II部 背部
 2 背部
 復習問題
第III部 胸部
 3 胸部
 4 胸壁
 5 縦隔
 6 肺腔
 復習問題
第IV部 腹部
 7 腹部と鼠径部
 8 腹膜腔および腹部の脈管と神経
 9 腹部内臓
 復習問題
第V部 骨盤部と会陰
 10 骨盤部と会陰
 11 骨盤内臓
 12 会陰
 復習問題
第VI部 上肢
 13 上肢
 14 上肢の機能解剖
 復習問題
第VII部 下肢
 15 下肢
 16 下肢の機能解剖
 復習問題
第VIII部 頭部と頸部
 17 頭部と頸部
 18 髄膜,脳,脳神経
 19 頭部
 20 眼と耳
 21 頸部
 復習問題
索引

監訳者の序

 「医学が進歩しても解剖学の重要性は変わらない」−医学教育者が良く口にする言葉である。卒後にどの診療科に進むにせよ、医学の根幹をなす解剖学の重要性は言うまでもない。一方で解剖学は、医学を学ぶ者が最初に遭遇する‘難関’であろう。解剖学書を開けば見たこともない漢字が並び、講義では聴き慣れない専門用語が飛び交い、それらの暗記に陥りやすい。しかし、「知識は実際に使わなければ身に付かない」と言われる。例えば、数学の学習過程において、公式は覚える。その公式を用いて応用問題を解く。同様に、‘公式’に相当する解剖学の知識を使って、‘応用問題’である臨床医学、すなわち画像診断や病態、症候の理解に結び付ける思考過程が重要である。とくに高い根治性や術後のQOLを考慮した手術術式や術後治療が求められる現在、解剖学教育においても応用力や問題解決能力の必要性は益々高まっている。さらに、近年の医学教育改革の柱であるモデル・コア・カリキュラムや共用試験は、旧来の-ology(学問)の枠を外して統合的に組み直されている。すなわち解剖学教育は、医学の進歩に伴って改革しなければならない。
 本書『Essential解剖学−テキスト&アトラス』は、エッセンシャルの名の通り臨床医学の理解に必須の解剖学的知識に的を絞り、かつ、解剖学の範疇に留まることなく-ologyの枠を越えて、人体の構造を統合的に解き明かしている。ドイツのイラストレーターの芸術的なセンスとコンピュータ技術の粋を結集した図譜は、気品すら感じさせる秀作であり、見る者を‘精緻な人体の世界’へと誘いざなう。特筆に値するのは、随所に疾患と関連するコラムが設けられ、X線写真などの画像も掲載されていることである。また、人体発生学の知識を含めて記載されているため、先天性疾患の病態の理解にも有用である。換言すれば、テキスト&アトラスの名の通り、的を絞った解説と精緻な図譜を絶妙のバランスで組み合わせている。さらに章末には復習問題があり、知識の整理と習熟度の確認ができる。臨床医学を学ぶ高学年次生も、ぜひ手元に置いていただきたい。
 本書の発刊にあたっては、私が全体の表現法の統一を中心に、監訳を担当した。翻訳は、実力と実績を兼ね備えた著名な先生方にお願いした。用語については、日本解剖学会編『解剖学用語改訂13版』に準拠したが、必要に応じて臨床用語も併記している。
 「学無止境」−学問には終止も境界も無い。これは、私の座右の銘であると同時に、医学教育者としての基本方針でもある。本書『Essential解剖学−テキスト&アトラス』は、まさしく「学無止境」の精神にかなった解剖学書である。医学生だけではなく、理学療法や作業療法、看護、臨床検査、東洋医学など医学周辺領域を含めた多くの学生に広く活用していただきたい。

2015年4月
愛知医科大学医学部解剖学講座教授
中野