書籍

EUS下穿刺術〈DVD付〉

Interventional EUSの基礎と実践テクニック

編集 : 山雄健次/入澤篤志
ISBN : 978-4-524-26097-3
発行年月 : 2011年5月
判型 : B5
ページ数 : 236

在庫なし

定価11,880円(本体11,000円 + 税)

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文
  • 書評

2010年に保険収載されるなど近年注目の超音波内視鏡下穿刺術(EUS-FNA)について、その基本から応用までを網羅した国内初の成書。コンベックス型EUSの基本操作法から診断的穿刺、治療的穿刺の実際まで、さらには症例集やトラブルシューティング集など実臨床を意識した内容も多数収載。実際の手技の様子がわかるDVDもついた、現場ですぐに役立つ実践的な一冊!

第I章 総論
1.超音波内視鏡下穿刺術の歴史的変遷
2.超音波内視鏡下穿刺吸引法(EUS-FNA)
3.超音波内視鏡下穿刺治療

第II章 各論
1.コンベックス型超音波内視鏡の基本操作
 A.コンベックス型超音波内視鏡の基本操作法
 B.コンベックス型超音波内視鏡による解剖と走査:縦隔[MOVIE]
 C.コンベックス型超音波内視鏡による解剖と走査:腹腔・後腹膜[MOVIE]
 D.コンベックス型超音波内視鏡による解剖と走査:直腸周囲[MOVIE]
2.超音波内視鏡下穿刺術に用いる処置具
3.超音波内視鏡下穿刺術におけるinformed consent
4.診断的穿刺術
 A.超音波内視鏡下穿刺吸引法(EUS-FNA)の基本手技[MOVIE]
 B.迅速細胞診[MOVIE]
 C.腫大リンパ節へのアプローチ[MOVIE]
 D.上部消化管粘膜下腫瘍性病変へのアプローチ[MOVIE]
 E.膵病変へのアプローチ[MOVIE]
 F.肝胆道系病変へのアプローチ
 G.副腎・脾臓病変へのアプローチ
 H.微量腹水へのアプローチ
 I.直腸周囲病変へのアプローチ
 J.検体処理の方法
 K.有用であった症例集―EUS-FNAが有用であった症例―
  1.腫大リンパ節
  2.上部消化管粘膜下腫瘍
  3.膵腫瘍
  4.胆嚢腫瘍
  5.副腎腫瘍
  6.微量腹水
  7.直腸周囲病変
5.治療的穿刺術
 A.膵仮性嚢胞に対する治療[MOVIE]
 B.拡張膵管に対する治療[MOVIE]
 C.閉塞性黄疸にたいする治療[MOVIE]
 D.腹腔神経叢破壊術・ブロック[MOVIE]
 E.EUS下マーキング(tattooing)
 F.抗腫瘍治療
6.トラブルシューティング集
 A.腫大リンパ節に対するEUS-FNA
 B.消化管粘膜下腫瘍に対するEUS-FNA
 C.膵病変に対するEUS-FNA
 D.肝胆道系病変に対するEUS-FNA
 E.副腎・脾臓病変に対するEUS-FNA
 F.微量腹水に対するEUS-FNA
 G.直腸周囲病変に対するEUS-FNA
 H.膵仮性嚢胞に対するEUS-FNA
 I.拡張膵管に対するEUS-FNA
 J.閉塞性黄疸に対するEUS-FNA
 K.腹腔神経叢破壊術・ブロック
 L.EUS下マーキング(tattooing)
 M.Interventional EUSによる抗腫瘍治療

索引

本書は超音波内視鏡下穿刺術(EUS-FNA)をテーマにした本邦初の書籍である。前々からこのような本を出版したいと考えていたが、本当に自分たちでできるのか、またニーズがあるのかという思いがあった。そういった思いを払拭できたのは2010年4月のEUS-FNAの保険収載であり、本書の企画をいただいた南江堂の達紙氏、その間を取り持っていただいた後藤田卓志先生の後押しにより、ここに上梓することができた。
 企画着手から約一年、編者として今思うのは、“掛け値なしに素晴らしい本”が完成したということである。執筆者には本邦におけるEUS-FNA、interventional EUSの各分野のspecialist/professionalにお願いすることができたし、内容も読めば読むほど味のある本に仕上がったと自負している。また、付属のDVDによる実際の手技の映像もよい仕上がりである(初学者には少し難しいので本文を参照しながら、あるいは先輩と一緒に見ていただきたい)。初学者の先生には本書をEUS-FNAを実際に行う前に一読、指導者に教えてもらってからもう一読していただきたい。すでに実践されている先生にはさらなるskill upにぜひ通読していただきたい。本書は本邦における現時点でのinterventional EUSの情報・知見のほぼ全てを網羅しており、必ず役に立つと思う。本書から知識を得て、high volume centerに行って手技の実際をその目で見て(Seeing is believing)、自施設でさらに精進していただく(Practice makes perfect)、これが上達の早道・コツである。
 私たち自身のことを言えば、本もビデオもなく、現在のような優れた機器・処置具もない時代には、interventional EUSの習得には10年以上を要するものであった。しかし今では、頑張り次第では1-2年で身に付けることができるのではないだろうか。読者諸兄には私たちが習熟に要した長き時間を日本から発信できる新たなinterventional EUSの開発・改良に充ててほしい。このことが編者、さらには執筆者全員の願いである。
2011年3月
山雄健次、入澤篤志

EUS(超音波内視鏡)は、かなり長い間消化管病変の深達度診断にのみ使われる時期が続いていたが、穿刺技術を獲得したことで俄然用途も対象も拡大してきている。これはちょうど、ERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影)が高周波電気メスによる切開技術を獲得し、胆管切石、ドレナージ、ステント留置、胆道鏡、さらに膵石除去、膵管ステント留置などへと爆発的に発展した経過の初期の状態に似ている。しかし、EUS−FNA(超音波内視鏡下穿刺術)の場合は対象が膵・胆道にとどまることはない。この技術がいつどのようにして始まり、どのような経過で発展してきたかは本書の冒頭に述べられているので詳細はご覧いただくとして、穿刺術自体が開発されてすでに20年になろうとしているという。
 それにしては発展の仕方がやや遅かった感があるのは、内視鏡に加えて超音波検査の知識が要求されるEUSそのものの普及がまだまだで、穿刺術の開発後も技術の普及に時間を要しているためではないかと思われる。日本においては、医療保険が認可されるかどうかも大きく影響する。そのEUS−FNAの保険収載が、2011年春の改訂によってついに成し遂げられた。これを機に、EUSの素地のある内視鏡医への穿刺術の普及に加速度がつくのは間違いなく、本書の出版は誠に時宜を得たものである。
 中でもトラブルシューティングの項目が面白い。どんなことが起こりうるか、いかにして未然に防ぐか、起こってしまった場合にどうするかがきわめて簡潔に要領よく描かれている。その前の手技ごとの各論にはそれぞれ偶発症が記述されているのに、さらにトラブルシューテイングがAからMまで具体的に再度説明されている。この念の入れようは、第一人者と評価されている著者たちがいかにこれまで苦労してきたか、もっと普及させるためにこれから学ぶ医師たちに、できれば自分たちの経験済みの苦労を重ねずに習熟して欲しいと考えながら企画・執筆したかが表現されているように思う。さらに、超音波映像が、本当のところは施行している者にしかわからないという特徴から、穿刺術をよりよく理解できるようにDVDが付録についているのである。編者のお二人は常日頃から、実技面を歯に衣を着せない語り口で述べられることで定評があり、それが本書のこのような特徴につながっている。
 本書はコンパクトであるが、図を多用して誠に親切に、そして丁寧に実際の手技について解説している。ぜひとも内視鏡室のすぐ手の届くところ、あるいは自室の机上に置いて折に触れて見返しながら役立てていただきたい。
評者● 田中雅夫
臨床雑誌内科109巻1号(2012年1月号)より転載