書籍

緩和ケアゴールデンハンドブック

こちらの商品は改訂版・新版がございます。

編著 : 堀夏樹
ISBN : 978-4-524-26018-8
発行年月 : 2009年10月
判型 : 新書
ページ数 : 254

在庫なし

定価3,456円(本体3,200円 + 税)

最新版はこちら
  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

苦痛を訴える患者さんを前に、具体的に何を考え、どうすべきかをコンパクトサイズにまとめた。「なぜその苦痛があらわれるのか」という病態生理とともに緩和領域の基礎知識を、key wordsを挙げるなどポイントを立ててわかりやすく解説。適応・診断や治療・管理方法までもわかり、ガイドラインも掲載。図表を駆使した見やすい紙面で、知りたい情報がすぐわかる。ドクターはもちろん、ナースや緩和ケアに携わるスタッフにもおすすめ。

I がん性疼痛
1.がん性疼痛への基本概念
2.がん性疼痛への姿勢
3.WHO第1段階
4.WHO第2段階〜オピオイド導入
5.WHO第3段階〜オピオイド増量
6.がん性疼痛緩和クリティカルパス
7.モルヒネ注射による導入
8.オピオイドの薬理・薬物動態
9.各オピオイドの特徴
10.オピオイドローテーション
11.オピオイドの副作用概論
12.オピオイドの副作用〜嘔気・嘔吐
13.オピオイドの副作用〜便秘
14.オピオイドの副作用〜眠気
15.オピオイドの副作用〜排尿困難、掻痒・発汗、ミオクローヌス、意識障害
16.神経障害性疼痛治療〜総論
17.神経障害性疼痛治療〜抗痙攣薬
18.神経障害性疼痛治療〜抗うつ薬
19.神経障害性疼痛治療〜抗不整脈薬
20.神経障害性疼痛治療〜NMDA受容体拮抗薬
21.骨転移痛
22.脊椎圧迫骨折への経皮的椎体形成術(PVP)
23.骨転移による病的骨折の外科治療
24.神経ブロック-1〜薬剤の効きにくい疼痛への神経ブロック総論
25.神経ブロック-2
26.放射線治療〜総論
27.骨転移への放射線治療
28.疼痛の看護

II 症状の評価
1.各種症状評価法

III ADLの低下
1.悪液質食思不振症候群
2.緩和的リハビリテーション

IV 血液に関する病態
1.貧血
2.出血性素因

V 消化管に関する病態
1.口腔ケア
2.嚥下障害
3.吃逆(しゃっくり)
4.嘔気・嘔吐
5.消化管閉塞
6.腹水
7.便秘・下痢
8.消化器疾患のインターベンション
9.胆道系疾患のインターベンション

VI 呼吸器に関する病態
1.呼吸困難総論〜呼吸不全と呼吸困難感
2.呼吸不全の治療〜酸素療法の基本
3.咳嗽・喀血
4.胸水
5.呼吸器感染症
6.上大静脈症候群
7.呼吸困難の非薬物療法

VII 皮膚に関する病態
1.褥瘡
2.皮膚病変
3.皮膚掻痒〜かゆみと原因と対応
4.浮腫・リンパ浮腫〜鑑別診断と対処

VIII 輸液と栄養
1.輸液
2.栄養

IX 泌尿器に関する病態
1.排尿障害〜刺激症状、閉塞症状
2.閉塞性腎症〜上部尿路閉塞、下部尿路閉塞
3.血尿〜上部尿路出血、下部尿路出血

X 神経疾患による苦痛
1.脳転移
2.転移性脊椎腫瘍による脊髄圧迫

XI 精神疾患による苦痛
1.意識障害〜せん妄
2.うつ・適応障害〜気持ちのつらさ
3.睡眠障害
4.見逃されやすい薬物による神経・精神症状
5.不安と心理療法〜カウンセリング

XII 自律に関する問題
1.スピリチュアルな苦痛
2.予後予測
3.病状説明〜インフォームドコンセント
4.鎮静〜鎮静のガイドライン

XIII 在宅療養への移行のポイント
1.社会資源の活用
2.医療処置が必要な場合

XIV ターミナルケア
1.看取り〜看取りのクリティカルパス
2.エンゼルケア
3.死亡診断書〜ICD-10準拠の記入法

XV その他
1.家族ケア〜終末期における家族ケア
2.尊厳〜dignity therapy(尊厳を支えるケア)

XVI 薬剤の知識
1.抗精神病薬
2.抗うつ薬
3.抗不安薬・睡眠薬
4.抗痙攣薬
5.緩下薬
6.制吐薬
7.消化管薬・ステロイド
8.抗菌薬
9.薬が飲めないとき
10.医療用麻薬の管理

索引

わたしたちの病院では、15年ほど前から「緩和ケアはがん医療の柱の1つ」という考え方を発展させ続け、特に近年は、地域がん拠点病院指定もあり、それに拍車がかかっています。その結果、自画自賛をいとわず申せば、わがスタッフは、がん患者さんやご家族のQuality of Life(QOL)に鋭敏になり、On the Job Trainingや時間外の研修会などを通して、スキルアップのための研鑽を継続的に行っています。
 これをみつづけてきた編者は、「当院の知を結集し、常に持ち運べる小冊子に、臨床医学としての緩和ケアを集約させることはできないだろうか」と大それたことを考えたわけです。しかし現在は、緩和ケア関連書籍が陸続と出版され、webをのぞけば全世界のリソースがどれを選んでよいか迷うほどです。その中で、あえて新たに書を編むという作業には、それなりの意味と覚悟が必要でした。
 そこで、困っている患者さんに対して直截的に「介入」や「対処」「治療」で接するのではなく、病態の機序と評価法を理解したうえで、患者さんの価値観にあった解決策をみいだせる独自のつくりにしよう、と思い至りました。
 したがって本書は、各章とも原則的に「病態生理、基本概念」「診断、評価」「治療、管理、対処法」という3ステップに分けて記すとともに、図表の多用、見開き表示などの工夫を凝らしました。また文中の薬剤は、普段実際に用いている商品名を表記しました。教科書というにはボリュームが足りず、ハウツー本のように即決ではない、というあたりが「帯に短し、たすきに長し」であるとお感じの向きもありましょうが、いままでにない切り口のハンドブックとして、日常診療に携行しつつ、役立てていただければ幸甚です。
2009年仲秋
堀夏樹