書籍

チャートでわかる実践IVUS,OCT & FFR

編著 : 大倉宏之
ISBN : 978-4-524-26002-7
発行年月 : 2009年12月
判型 : A4
ページ数 : 170

在庫あり

定価7,020円(本体6,500円 + 税)

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

好評書『チャートでわかる実践心エコー図法』の姉妹書。IVUS・OCT・プレッシャーワイヤーについてチャート形式でやさしく解説。機器の解説では基本事項にとどまらずメーカー各社の特徴まで記載、本当に知りたいことがすぐ分かる。「何を・どこから・どのように」見ているのか、IVUS・OCT像の見え方を写真やイラストを用い具体的に解説。循環器医のみならず、検査技師、看護師にも理解しやすい一冊。

I章 血管内超音波法(IVUS)
A 超音波法の基礎
  チャート1 超音波により断層画像を表示する原理
  チャート2 IVUSカテーテルの基本構造とその種類
  チャート3 カテーテルの構造に由来するアーチファクト
  チャート4 超音波の特性に由来するアーチファクト
B IVUSの基本構造・セットアップ
 1 基本構造
 a カテーテル
  チャート5 電子走査式IVUS
  チャート6 機械式IVUS
 b コンソール
  チャート7 Galaxy TM2とClearView TM(Boston Scientific社)
  チャート8 iLab TM(Boston Scientific社)
  チャート9 VISIWAVE TM(Terumo社)
  チャート10 In-Vision Gold3 TM(IVG3 TM,Volcano社)とs5 TM(Volcano社)
  チャート11 プルバック装置(各社の比較)
 2 セットアップ
  チャート12 カテーテルのセットアップ
C IVUSの基本操作
 1 血管内へのカテーテルの挿入
  チャート13 カテーテル挿入困難時の対策
  チャート14 カテーテル挿入後に気をつけること
 2 画像の表示
  チャート15 画像がうまく表示されない原因と対策
 3 画像の記録
  チャート16 画像の記録
 4 カテーテルの抜去
  チャート17 カテーテルを安全に抜去するには
D 正常像と病変の見え方
 1 IVUSのオリエンテーション
 a 断層像の見え方
  チャート18 冠動脈断層像の見え方(正常血管、病的血管、ステント留置後)
 b 位置の確認方法
  チャート19 冠動脈と冠静脈の解剖
  チャート20 血管周囲のランドマークと血管内のランドマーク
 c アンギオとの対比(どこを見ているのか)
  チャート21 アンギオとの対比:左前下行枝(LAD)
  チャート22 アンギオとの対比:左回旋枝(LCX)
  チャート23 アンギオとの対比:右冠動脈(RCA)
 2 解剖
  チャート24 血管壁
  チャート25 血管周囲組織
 3 プラーク性状診断(定性的診断)
  チャート26 線維性プラーク(fibrous plaque)
  チャート27 混合性プラーク(mixed plaque)
  チャート28 脂質性プラーク(fatty plaque)、ソフトプラーク(soft plaque)
  チャート29 石灰化プラーク(calcified plaque)
  チャート30 脂質プール(lipid pool)と壊死性コア(necrotic core)
  チャート31 プラーク破裂(破綻)(plaque rupture)
 4 血栓
  チャート32 血栓の意義とIVUS所見
 5 IVUSによる定量的評価
  チャート33 外弾性板(膜)断面積(external elastic membrane cross sectional area:EEM CSA)
  チャート34 内腔断面積(lumen CSA)
  チャート35 プラーク+中膜断面積(plaque+media CSA)
  チャート36 Plaque burden(%plaque area,cross sectional narrowing,プラーク面積率)
  チャート37 IVUSガイドPCI:実際の流れ
E IVUSによる病変評価:治療前
 1 画像レビューの実際:コンソールの操作方法
  チャート38 Galaxy TM 2(Boston Scientific社)
  チャート39 iLab TM(Boston Scientific社)
 2 IVUS画像判読の手順
 a 通過したらまずオリエンテーションをつける
  チャート40 通過したらまずオリエンテーションをつける
  チャート41 画像の回転補正
 b 病変部を中心としたプラークの広がりを評価
  チャート42 遠位、近位対照血管の決定
  チャート43 病変部の決定
  チャート44 長軸方向への広がり(病変長評価)
  チャート45 短軸方向への広がり(病変サイズ評価)
 c 病変部のプラーク性状を診断(定性的評価)
  チャート46 プラーク性状診断
  チャート47 デバイスの選択
 d 有意狭窄の診断
  チャート48 有意狭窄の診断(心筋シンチグラフィーやFFRとの比較)
  チャート49 臨床経過からみた狭窄診断
  チャート50 左主幹部病変の診断
 e 病変部と対照血管部位のサイズを計測(定量的評価)
 e-1 デバイスのサイズ選択
  チャート51 ベアメタルステント(BMS)時代のIVUSによるバルーン(ステント)サイズの選び方
  チャート52 分岐部病変におけるバルーン(ステント)サイズの選び方
  チャート53 薬剤溶出ステント(DES)時代のIVUSによるバルーン(ステント)サイズの選び方
 e-2 リモデリングの評価
  チャート54 リモデリングとは
  チャート55 リモデリングの定義
  チャート56 リモデリングの臨床意義(不安定プラーク、予後予測)
 f 病変長の測定
  チャート57 自動プルバックによる計測
  チャート58 手動プルバックによる距離計測
  チャート59 カテーテルのマーカーを用いた計測
 g 合併症の予測
  チャート60 末梢塞栓、slow flow/no reflowの予測
  チャート61 側枝閉塞の予測
  チャート62 拡張不良とその対策
  チャート63 冠解離、血腫
  チャート64 冠穿孔
  チャート65 ステント通過不能
 h 特殊な病変の評価
  チャート66 伏在静脈グラフト(SVG)病変の評価
  チャート67 左主幹部病変の評価
  チャート68 分岐部病変の評価
  チャート69 再狭窄病変の評価
  チャート70 急性心筋梗塞での評価
  チャート71 慢性完全閉塞病変での評価
F IVUSによる病変評価:治療後
 1 至適ステント留置の診断
  チャート72 BMS時代の至適ステント留置の定義
  チャート73 再狭窄予防の観点からみた至適ステント留置
  チャート74 簡単なサイズの決め方
  チャート75 ステント血栓症の観点からみた至適ステント留置
  チャート76 慢性完全閉塞病変における真腔の確認
  チャート77 POBA、ステント前後のIVUS:拡張機序
 2 POBA後に認められる所見
  チャート78 解離(dissection)
 3 ロータブレーター後に認められる所見
  チャート79 ロータブレーター後のIVUS
 4 方向性アテレクトミー(DCA)前後に認められる所見
  チャート80 DCA前後のIVUS所見
 5 ステント留置後に認められる異常所見とその対処法
  チャート81 ステント不完全圧着(incomplete stent apposition)、圧着不良(malapposition)
  チャート82 プラーク逸脱(plaque prolapse, plaque protrusion)
  チャート83 ステントエッジの解離(edge dissection)
  チャート84 壁内血腫(intramural hematoma)
  チャート85 冠攣縮(spasm)
  チャート86 壁外血腫(extravascular hematoma)と冠穿孔(perforation)
  チャート87 冠動脈瘤(coronary aneurysm)
  チャート88 ステントジェイル(stent jail)と側枝閉塞
G IVUSによる病変評価:治療後慢性期
 1 POBA(またはDCA)後の再狭窄
  チャート89 IVUSからみた非ステントインターベンション後再狭窄の機序
  チャート90 POBA後再狭窄の予測因子
 2 ステント再狭窄
 a IVUSからみた再狭窄の機序と予測因子(BMS時代)
  チャート91 IVUSからみたステント再狭窄の機序と予測因子(BMS時代):新生内膜増殖
  チャート92 ステント拡張不良、その他の機械的な問題によるステント再狭窄
  チャート93 再狭窄の予測因子:糖尿病
  チャート94 再狭窄病変の治療
 b IVUSからみた再狭窄の機序と予測因子(DES時代)
  チャート95 DES留置後の新生内膜
  チャート96 Black wallあるいはblack hole(DES後の特殊な新生内膜)
  チャート97 ステントフラクチャーとnon-uniform stent strut distribution
  チャート98 ステントエッジ再狭窄
 3 ステント血栓症
 a ステント血栓症のIVUS所見
  チャート99 ステント血栓症のIVUS所見
 b IVUSによる遅発性血栓症の予測因子(DES時代)
  チャート100 遅発性ステント血栓症(LST)
 4 IVUSガイドインターべンション:まとめ
  チャート101 IVUSガイドインターベンションの有用性
H その他の診断法
 1 IVUSによる定量解析法
  チャート102 解析ソフト
 2 IVUSによる組織性状診断法
  チャート103 VH?-IVUS
  チャート104 IB-IVUS
  チャート105 iMap
I 末梢血管のIVUS
 1 下肢閉塞性動脈硬化症(ASO)の治療におけるIVUS
  チャート106 ASOにおけるIVUSの活用法
  チャート107 腸骨動脈、大腿動脈、下腿3分枝の解剖とIVUSの実際
  チャート108 慢性完全閉塞病変
  チャート109 血栓性病変
  チャート110 プラーク破裂(破綻)
  チャート111 合併症の診断
 2 腎動脈狭窄症の治療におけるIVUS
  チャート112 腎動脈の解剖とIVUSの実際
  チャート113 線維筋性異形成症(fibromuscular dysplasia)におけるIVUS
  チャート114 合併症

II章 光干渉断層法(OCT)
A OCTの基礎
  チャート115 OCTにより断層画像を表示する原理
  チャート116 OCTの特性に由来するアーチファクト
B OCTとIVUSの違い
  チャート117 OCTとIVUSの比較
C OCTの基本構造
 1 カテーテル
  チャート118 OCTイメージワイヤーの基本構造
 2 コンソール
  チャート119 コンソールの基本構造
D OCTの実際
 1 OCTのセットアップ
  チャート120 オクルージョンバルーンのセットアップ
  チャート121 イメージワイヤーのセットアップ
  チャート122 接続
  チャート123 キャリブレーション
 2 OCT操作の実際
  チャート124 オクルージョンバルーンの挿入
  チャート125 イメージワイヤーの挿入
  チャート126 オクルージョンバルーン拡張およびフラッシュによる血球除去
  チャート127 非オクルージョン法(使用溶液と方法、注意点)
 3 画像の表示
  チャート128 画像がうまく表示されない原因と対策
 4 OCT画像の読み方
 a OCTガイド経皮的冠動脈インターベンション(PCI)
  チャート129 対照血管の評価
  チャート130 責任病変の評価
  チャート131 病変長の評価
 b PCI前の基本画像
  チャート132 正常冠動脈
  チャート133 脂質性プラーク
  チャート134 線維性プラーク
  チャート135 石灰化プラーク
  チャート136 血栓
  チャート137 TCFA(thin-cap fibroatheroma)
  チャート138 プラーク破裂(破綻)
  チャート139 冠攣縮
  チャート140 慢性完全閉塞病変
 c PCI後の基本画像
  チャート141 解離、壁内血腫
  チャート142 プラーク逸脱
  チャート143 ステント不完全圧着、圧着不良
  チャート144 ステント再狭窄治療後のOCT画像
 d 慢性期の基本画像
  チャート145 ステント内新生内膜
  チャート146 遅発性ステント不完全圧着(LISA)
  チャート147 ステントフラクチャー

III章 冠動脈内圧計測と冠血流予備量比(FFR)
A 冠動脈内圧計測の原理
 チャート148 冠動脈内圧計測用ワイヤーの原理、構造
B 冠動脈内圧計測の応用
 1 冠血流予備量比(FFR)総論
  チャート149 FFRの理論背景と定義
  チャート150 圧較差とFFRの比較
  チャート151 正常冠動脈におけるFFR値
  チャート152 FFRによる有意狭窄の診断
  チャート153 FFRによるPCI回避
  チャート154 FFRによるPCIのエンドポイント決定
 2 冠血流予備量比(FFR)各論
  チャート155 中等度狭窄のFFRによる評価
  チャート156 中等度狭窄のFFRによるPCI回避
  チャート157 側副血流とFFRの評価
  チャート158 心筋梗塞とFFR
  チャート159 左主幹部病変におけるFFRの評価
  チャート160 びまん性病変におけるFFRの評価
  チャート161 複数病変におけるFFRの評価
  チャート162 多枝病変におけるFFRの評価:FAMEスタディ
  チャート163 側枝狭窄におけるFFRによる評価
 3 冠動脈内圧計測の実際
  チャート164 圧計測用ワイヤーとコンソール(プレッシャーワイヤー)
  チャート165 プレッシャーワイヤーのセットアップ(イコライズ他)
  チャート166 最大充血の誘導方法(冠動脈内、中心静脈、末梢静脈)
  チャート167 FFR計測の流れ
  チャート168 冠動脈内圧計測の応用:IABP
  チャート169 側副血流の評価
 4 冠血流予備能(CFR)
  チャート170 熱希釈法によるCFR測定の原理
  チャート171 熱希釈法によるCFR計測の実際
  チャート172 CFR測定の意義
 5 冠微小循環抵抗指数(IMR)
  チャート173 IMRとは:理論
  チャート174 IMR計測の実際
  チャート175 IMR計測の注意点
  チャート176 IMRに及ぼす側副血行の影響
  チャート177 IMRの臨床応用
 6 冠動脈内温度
  チャート178 冠動脈内温度測定の意義
  チャート179 冠動脈内温度測定の実際、臨床応用

■文献
■索引

1988年、Paul G.Yock先生らによって、初めてヒトでの臨床応用が行われた血管内超音波法(IVUS)は、約20年経過した現在、日本における経皮的冠動脈インターベンション(PCI)において約80%以上の症例に使用されるまでになり、まさに標準的手技の一つになった。この間、数多くの経験と研究の結果、IVUSに関する知見が蓄積されてきた。私自身は1993年頃より、神戸市立中央市民病院で初めてIVUSに関わる機会を得た。1994年に日本ではIVUSが認可されたが、ちょうどその頃、Yock先生がPeter J.Fitzgerald先生とともに、スタンフォード大学でIVUSのラボを始められることとなり、神戸市立中央市民病院から吉田清先生(現川崎医科大学循環器内科教授)が参加されることとなった。その後、同僚の本多康浩先生(現スタンフォード大学IVUSコアラボco-director)が続き、そして私が1998年から約2年間留学し、IVUSの臨床研究に携わることとなった。ここでは、Fitzgerald先生から、一例のIVUS画像から、いかに多くのことを読み取ることができるかを学んだ。
 帰国後は、臨床の場でIVUSを使用したPCIに携わりながら研究をつづけてきたが、いつしか自分が後輩たちを指導する立場となり、教育ならびに日々の臨床で使えるテキストの必要性を痛感することとなった。IVUSは進化しつづけ、白黒だけであった断層像はカラー表示できるようになった。また、薬剤溶出ステント(DES)の導入以後、IVUSの役割は少なくなるどころか、むしろその有用性が見直されることとなった。近年、末梢血管インターベンションの症例も増加し、ここでもIVUSが威力を発揮している。さらに、2008年には光干渉断層法(OCT)が認可された。OCTにはIVUSとの共通点も相違点もあり、IVUSに慣れた術者にとっても、さらに多くのことを学ぶ必要が出てきた。
 そのようななか、新たにIVUSやOCTを始める医師やコメディカルに向けた解説書として、本書を企画した。吉田清先生編集の『チャートでわかる実践心エコー図法‐エキスパートへの近道』にならって、内容を項目別に整理し、要点を簡潔にまとめた「チャート」形式とし、目で見てわかりやすく、現場ですぐに使える実践書をめざした。内容は、これまでに蓄積されてきたエビデンスに加えて、現場で行われている実際の方法を記載するように心がけた。また、われわれはIVUSやOCTによる解剖学的画像診断だけではなく、プレッシャーワイヤーを用いた機能的診断も行っているため、これらについても記載する必要性を感じた。画像診断と機能診断の両者を一冊のテキストに併記している点には、そのどちらもが臨床の現場に必要なものであるというわれわれの考えが込められている。
 本書の共同執筆者の面々は、川崎医科大学循環器内科でともにカテーテル検査、治療に携わっている仲間たちであり、本書の刊行にあたり並々ならぬご尽力をいただいた。本書に引用された画像の多くは、川崎医科大学心臓カテーテル検査室のスタッフの協力のもと記録されたものである。また、ここに引用した症例の一部は、私の前任地であるベルランド総合病院におけるものである。その使用を快く了解していただいた、同病院心臓病センター長の戸田為久先生ならびにスタッフの皆様にはこの場を借りて感謝の意を表したい。
 本書には『チャートでわかる実践心エコー図法』にならって、読者が書き込みをできるようなスペースをとってある。心臓カテーテル検査室で検査に携わる方々が必要に応じて書き込みをして、本書を自分のものにし活用されることを切に願う。
2009年11月
大倉宏之