書籍

いま知っておきたい経口糖尿病治療薬の疑問76

編集 : 寺内康夫
ISBN : 978-4-524-25789-8
発行年月 : 2015年10月
判型 : A5
ページ数 : 300

在庫あり

定価3,672円(本体3,400円 + 税)

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文
  • 書評

SGLT2阻害薬を含め、近年新薬の登場で複雑になった糖尿病薬物治療について、臨床現場の疑問にQ&A形式で答える実践書。第一選択の選び方や既存薬との併用法、同一成分薬の相違点、市販後に明らかとなった副作用など、実地医家をはじめ非専門の臨床医が“いま知っておきたい”情報を完全網羅。糖尿病薬物治療の第一人者によるわかりやすい解説で、明日からの診療にすぐに役立つ。

I章 経口糖尿病治療薬の選び方のキホン
 Q1.経口糖尿病治療薬の種類について教えてください
 Q2.経口糖尿病治療薬の選択の基本は?
 Q3.経口糖尿病治療薬の併用法の基本は?
 Q4.経口糖尿病治療薬以外の薬物治療への変更・追加のタイミングは?
 Q5.若年・やせ型患者での経口糖尿病治療薬の選び方は?
 Q6.若年・肥満型患者での経口糖尿病治療薬の選び方は?
 Q7.高齢者・やせ型患者での経口糖尿病治療薬の選び方は?
 Q8.高齢者・肥満型患者での経口糖尿病治療薬の選び方は?
II章 SGLT2阻害薬ってどんな薬剤?
 Q9.SGLTの役割とSGLT2阻害薬の作用機序について教えてください
 Q10.SGLT2阻害薬の血糖降下作用の特徴を教えてください
 Q11.SGLT2阻害薬が第一選択薬となる患者像は?
 Q12.SGLT2阻害薬間に違いはあるのでしょうか?
 Q13.SGLT2阻害薬の標準的な処方例について教えてください
 Q14.SGLT2阻害薬の注意すべき副作用とその対策は?
 Q15.SGLT2阻害薬を基本とした併用のコツは?
 Q16.SGLT2阻害薬服用に際して患者に行う指導はありますか?
 Q17.SGLT2阻害薬が血圧・脂質に与える影響を教えてください
 Q18.SGLT2阻害薬が腎機能・尿酸に与える影響を教えてください
 Q19.SGLT2阻害薬が肝臓・筋肉・脂肪組織に与える影響を教えてください
III章 DPP-4阻害薬をうまく使う
 Q20.DPP-4阻害薬の血糖降下作用の特徴を教えてください
 Q21.DPP-4阻害薬の血糖降下作用の予測因子はありますか?
 Q22.DPP-4阻害薬を第一選択薬に用いる医師が多くなってきましたが,どうしてですか?
 Q23.DPP-4阻害薬間に違いはあるのでしょうか?
 Q24.DPP-4阻害薬はどのような患者に処方すると効果的ですか?
 Q25.DPP-4阻害薬の注意すべき副作用とその対策は?
 Q26.DPP-4阻害薬が血圧・脂質に与える影響を教えてください
 Q27.DPP-4阻害薬が腎機能・尿酸に与える影響を教えてください
 Q28.DPP-4阻害薬が肝機能に与える影響を教えてください
 Q29.DPP-4阻害薬を基本とした併用のコツは?
 Q30.SU薬にDPP-4阻害薬を併用するメリットと留意点を教えてください
 Q31.ビグアナイド薬にDPP-4阻害薬を併用するメリットと留意点を教えてください
 Q32.チアゾリジン薬にDPP-4阻害薬を併用するメリットと留意点を教えてください
 Q33.α-GIにDPP-4阻害薬を併用するメリットと留意点を教えてください
 Q34.インスリンにDPP-4阻害薬を併用するメリットと留意点を教えてください
IV章 スルホニル尿素(SU)薬についてもう一度考える
 Q35.SU薬が第一選択薬となる患者像は?
 Q36.SU薬の標準的な処方例について教えてください
 Q37.SU薬の注意すべき副作用とその対策は?
 Q38.SU薬を基本とした併用のコツは?
 Q39.SU薬の二次無効を防ぐような併用方法はありますか?
 Q40.SU薬の効率的な使い方をあらためて教えてください
V章 α-グルコシダーゼ阻害薬(α-GI)はどう使う?
 Q41.α-GIが効果的な患者像は?
 Q42.α-GIの血糖降下効果はあまり強くないようですが,第一選択薬となりますか?
 Q43.α-GIは食直前に内服しないと効果がないのですか?
 Q44.α-GIは毎食内服しないと効果が不十分ですか?
 Q45.α-GIの標準的な処方例について教えてください
 Q46.α-GIを基本とした併用のコツは?
 Q47.α-GIの注意すべき副作用とその対策は?
VI章 ビグアナイド薬のただしい選び方
 Q48.ビグアナイド薬が効果的な患者像は?
 Q49.ビグアナイド薬の標準的な処方例について教えてください
 Q50.ビグアナイド薬の高用量処方のコツを教えてください
 Q51.ビグアナイド薬を基本とした併用のコツは?
 Q52.ビグアナイド薬の注意すべき副作用とその対策は?
 Q53.ビグアナイド薬を安全に使うコツを教えてください
 Q54.ビグアナイド薬の抗腫瘍効果(基礎研究・臨床研究)について教えてください
VII章 チアゾリジン薬を知っておく
 Q55.チアゾリジン薬が効果的な患者像は?
 Q56.チアゾリジン薬の標準的な処方例について教えてください
 Q57.ビグアナイド薬と同じインスリン抵抗性改善薬ですが,使い分けはどうするのですか?
 Q58.チアゾリジン薬の注意すべき副作用とその対策は?
 Q59.ピオグリタゾンと膀胱癌との関連について教えてください
 Q60.ピオグリタゾンと骨折との関連について教えてください
VIII章 速効型インスリン分泌促進薬の活用法
 Q61.速効型インスリン分泌促進薬が効果的な患者像は?
 Q62.速効型インスリン分泌促進薬の標準的な処方例について教えてください
 Q63.食事が不規則な患者には,速効型インスリン分泌促進薬かα-GIがよいのでしょうか?
 Q64.速効型インスリン分泌促進薬の注意すべき副作用とその対策は?
 Q65.速効型インスリン分泌促進薬間に違いはあるのでしょうか?
IX章 配合薬を使いこなす
 Q66.配合薬の種類について教えてください
 Q67.配合薬を使用することのメリットとデメリットは?
X章 専門医の薬物療法のコツ−こんな状況で薬物療法はどうする?
 Q68.腎機能障害のある場合の薬剤選択は?
 Q69.肝機能障害のある場合の薬剤選択は?
 Q70.心機能低下のある場合の薬剤選択は?
 Q71.ステロイドを使用している場合の薬剤選択は?
 Q72.認知症患者の薬物療法は?
 Q73.アドヒアランスの悪い患者の薬物療法は?
 Q74.うつ病のある場合の薬物療法で注意すべきことは?
 Q75.妊娠の可能性がある場合の薬物療法で注意すべきことは?
 Q76.体調不良で食事・水分摂取が十分できない場合(シックデイ)の薬物療法は?
■付録:薬剤一覧表
■索引



 新しい可能性を秘めた新薬が糖尿病治療の現場に次々と登場し、糖尿病治療が“パラダイムシフト”しつつあるのは事実だが、20〜30年ほど前を振り返ると、経口糖尿病治療薬は実質的にはスルホニル尿素薬しかなかったことを、ご存じない方が案外増えてきているのではなかろうか。2009年のDPP-4阻害薬登場に続き、2014年にはSGLT2阻害薬が発売され、薬剤の選択肢が増え、その処方が複雑化してきた。一方、糖尿病患者の増加に伴い、糖尿病を専門としないかかりつけ医においても、最新の薬物療法の知識が求められる時代になった。
 確かに新薬の登場のおかげで、糖尿病患者の血糖コントロールは全体としてみれば改善しているという報告がある一方、薬物療法だけでは十分な血糖コントロールが得られない場合もあり、そこに糖尿病治療の難しさがある。また、これだけ進化した薬剤が市場にあっても、昔ながらの処方から脱却できていない事例も散見される。薬剤の選択肢の急激な増加により、第一選択薬の選び方や既存薬との併用のタイミングなど、多くの臨床上の疑問が生まれてきた。また、同じ薬理作用を持つ薬剤間での使い分けや、市販後に明らかになった副作用など、薬剤に関する情報と評価は絶えず変化していく。
 本書は、一般内科医、看護師、薬剤師など糖尿病治療に携わる医療スタッフが、主要なラインナップが出揃ったこの時期に「いま知りたい」と感じている経口糖尿病治療薬に関する臨床上の疑問について、エキスパートがわかりやすく簡潔に解説し、読んだその日からすぐに役立つ実用書として企画した。
 目次や巻末のキーワードから、あなたの「疑問」を検索してください。経口糖尿病治療薬を用いたあなたの糖尿病治療が今日から変わります。

2015年9月
寺内康夫

経口糖尿病治療薬の最近の進歩には目覚ましいものがある。
 2009年に登場したsitagliptinにはじまる7種類のDPP-4阻害薬は単独で服用した場合には低血糖のリスクが少ないこと、体重増加をきたしにくいことなどの利点があり、経口糖尿病治療薬のなかで急速にシェアを伸ばしてきている。さらに2014年に登場したipragliflozinにはじまる6種類のSGLT-2阻害薬は既存の経口糖尿病治療薬と作用機序をまったく異にしており、若い肥満2型糖尿病患者がよい適応とされている。
 このように作用機序が異なる新しい経口糖尿病治療薬が短期間のうちに次々に臨床に登場した今、それぞれの薬剤の作用機序、適応、より適した症例、注意すべき副作用、治療効果などについての正しい情報を提供する書物が待望されていた。
 『いま知っておきたい経口糖尿病治療薬の疑問76』と題する本書には、第I章の「経口糖尿病治療薬の選び方のキホン」から第X章の「専門医の薬物療法のコツ−こんな状況で薬物療法はどうする?」まで、日常診療で日々経験する疑問点のなかから76のQ(問い)がとり上げられ、それぞれのQに対して糖尿病診療に熟達した専門医から簡潔で的確なA(回答)が述べられている。
 第II章から第IX章には各経口糖尿病治療薬について、作用機序、適応、標準的処方例、副作用、併用のコツ、血圧・脂質・腎機能・肝機能などに与える影響などが重要なエビデンスや豊富な図表とともに示されているのは読者のニーズに応えたものといえよう。各Qごとに重要な文献が紹介されているのもありがたい点である。
 本書は、糖尿病をもつ患者が増加している今日、日常診療の場で参照すべきことが網羅されており、診察室に1冊備えておくべき必読の書と思う。

臨床雑誌内科118巻3号(2016年9月増大号)より転載
評者●朝日生命成人病研究所所長・附属医院院長 岩本安彦