教科書

シンプル衛生公衆衛生学2015

こちらの商品は改訂版・新版がございます。

監修 : 鈴木庄亮/久道茂
編集 : 小山洋/辻一郎
ISBN : 978-4-524-25713-3
発行年月 : 2015年3月
判型 : B5
ページ数 : 416

在庫なし

定価2,592円(本体2,400円 + 税)

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正誤表

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

“精選された内容をわかりやすく伝える”をコンセプトにした衛生学・公衆衛生学の定本。2015年度版では、特に「健康増進」「地域社会と保健行政」「高齢者の保健・医療・介護」の解説を更新、最新の統計資料・数値、法律、社会・環境動向などを盛り込み、重要項目をさらに充実。全体に内容を精査、ブラッシュアップし、より読みやすく、わかりやすく編集!

第1章 衛生学・公衆衛生学序論
 1−1 衛生学・公衆衛生学
 1−2 健康をめぐって
 1−3 生活と健康
 1−4 健康問題の変遷、公衆衛生と医療の歴史
 1−5 公衆衛生活動
 1−6 生命倫理−保健医療福祉の倫理
第2章 保健統計
 2−1 健康の測定と健康指標
 2−2 人口統計
第3章 疫学
 3−1 疫学とは
 3−2 疫学調査の手順と留意事項
 3−3 疾病の分類
 3−4 疾病量の把握
 3−5 疫学の方法
第4章 疾病予防と健康管理
 4−1 疾病リスクと予防医学北村勝彦
 4−2 健康管理
 4−3 健康増進
 4−4 健康日本
第5章 主な疾病の予防
 5−1 感染症の予防北村勝彦
 5−2 循環器系の疾患の予防
 5−3 糖尿病・脂質異常症・痛風・メタボリックシンドロームの予防
 5−4 がんの予防
 5−5 腎疾患の予防
 5−6 アレルギー疾患の予防
 5−7 不慮の事故と自殺の防止
第6章 環境保健
 6−1 人間の環境
 6−2 環境の把握とその評価
 6−3 物理的環境要因
 6−4 化学的環境要因
 6−5 生物的環境要因−微生物を中心に
 6−6 空気の衛生と大気汚染
 6−7 水の衛生と水質汚濁
 6−8 廃棄物
 6−9 衣食住の衛生
 6−10 公害と環境問題
 6−11 環境の管理
第7章 地域保健と保健行政
 7−1 地域社会と地域保健
 7−2 地域保健活動と行政
 7−3 消費者保健
 7−4 健康都市高野健人
第8章 母子保健
 8−1 母子保健の水準
 8−2 母子保健の課題土井由利子
 8−3 母子保健活動と行政
第9章 学校保健
 9−1 子どもの健康状況鈴木基司
 9−2 学校保健とは
 9−3 学校保健の組織と運営
 9−4 学校保健管理鈴木基司
 9−5 歯科保健−小児を中心として
 9−6 学校環境管理
 9−7 学校保健教育
第10章 産業保健
 10−1 働く人々の健康
 10−2 労働災害・事故
 10−3 職業病
 10−4 職場における健康診断と健康増進
 10−5 勤労者の労働時間と余暇
 10−6 職場復帰
第11章 高齢者保健・医療・介護
 11−1 老化とは
 11−2 高齢者の生活と健康
 11−3 高齢者の健康状態
 11−4 高齢者の保健と医療
 11−5 介護保険
第12章 精神保健
 12−1 精神保健と心の働きの理解
 12−2 ストレスと精神健康の破綻
 12−3 精神の健康とは
 12−4 精神障害の現状と分類
 12−5 精神保健福祉活動
第13章 国際保健医療
 13−1 国際保健とは
 13−2 人種と民族と国
 13−3 途上国の情報入手と調査法
 13−4 途上国の健康問題とその対策
 13−5 日本の保健医療の国際協力
 13−6 国際機関を通じた協力−国連、WHOなど
第14章 保健医療福祉の制度と法規
 14−1 保健医療行政の概要と基礎知識
 14−2 保健制度の仕組み−行政組織
 14−3 医療制度の仕組み
 14−4 保健医療行政に関するその他の事項
 14−5 医療保障・年金の仕組み
 14−6 社会福祉の仕組みと障害者福祉
付録
参考図書
和文索引
欧文索引

2015年度版 はしがき

━公衆衛生の倫理━
 臨床医学の分野では、患者に対し検査や治療を行う上で説明に基づく同意(インフォームド・コンセント)はもはや大前提となっています。国際的には「リスボン宣言」において患者の権利の一つとして明記され、国内的には「医療法」の中で医療従事者の努力義務として定められています。
 公衆衛生の分野ではどうでしょうか。本書でも紹介している19世紀英国のチャドウィック卿は、下水道を始めとする大規模な衛生環境の整備を行いましたが、こうしたトップダウン方式の公衆衛生活動は必ずしも地域住民の同意なしに実施されます。当時のタイムズ紙は「健康を強要されるよりコレラになるチャンスを望む」という批判的な社説を掲載しています。
 現在、日本で行われている様々な公衆衛生活動、例えば、健康日本21やがん検診、特定健診・特定保健指導などは地域住民の理解に基づく協力なしには進められません。エボラ出血熱などの重大な感染症の流行時に実施される疑似症患者への強制的な検査や隔離などの対策についても、予めの広報および地域住民の理解と協力が望まれます。地域社会全体の理解と協力を得ることは難しいことですが、そのための努力は公衆衛生の倫理の上で重視されるべきことです。
 さらに大切なことは、公衆衛生の本来の定義である地域住民が自らの努力で行う公衆衛生活動を促していくことです。高齢者の介護・支援を地域住民が自ら行うなどの地域社会の自主的な活動であれば、同意に関しては倫理面での問題はないですし、そうした公衆衛生本来の活動が活発に行えるように支援的な社会環境を整え促進していく方途を探っていくべきです。
 さて、今年も年度版として最新情報を満載した「シンプル衛生公衆衛生学2015」の編集作業を終えることが出来ました。今回の主な改訂点は、第7章の「地域社会と地域保健」の刷新です。また、各執筆者にはそれぞれの担当分野での新たな法規や制度の改正などを盛り込んで頂き、図・表の数値は最新のものへと更新しました。
 本書が医学・医療だけでなく保健学や栄養学など様々な分野における衛生公衆衛生学のスタンダードな教科書としての役割を今後も果たしていけるよう努力して参ります。この教科書づくりは、我々編者にとっても公衆衛生の本来の理念を再認識させてくれ、その理想に近づく努力がさらに必要であること教えてくれます。そうした思いを胸に、皆様方にこの2015年度版「シンプル衛生公衆衛生学」をお届けします。

2015(平成27)年1月
編集者
小山洋
辻一郎