教科書

看護学テキストNiCE

家族看護学改訂第2版

19の臨床場面と8つの実践例から考える

編集 : 山崎あけみ/原礼子
ISBN : 978-4-524-25708-9
発行年月 : 2015年12月
判型 : B5
ページ数 : 310

在庫あり

定価2,484円(本体2,300円 + 税)

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

家族看護を初めて学ぶ学生向けにつくられた大好評テキストの改訂版。多くのジェノグラム・エコマップを掲載するとともに、家族看護に関する理論や技法を事例を用いて解説。今改訂では「日本の家族」、「現代日本の家族」の項目を追加し、日本における家族の概念と時代とともに多様化する家族形態を最新のデータを用いて紹介。さらにトピックスでは「LGBT」、「ステップファミリー」などの最新のテーマを取り上げた。

はじめに
序章 家族看護学をはじめて学ぶ
 A.看護の中の家族
 B.家族をどうみるか
 C.家族は歴史と価値観をもつ
 D.家族看護学を学ぶ
 E.家族看護学の発展と動向
第I章 家族看護学における対象理解
 はじめに
 1.発達する家族
  A.家族周期論的アプローチ
  B.個々の発達段階における特徴
  C.発達する家族の理解
  D.移行
 2.システムとしての家族
  A.家族システム論的アプローチ
  B.システムとしての家族の理解
  C.家族システムの安定と変化
  D.家族システムの構造
 3.家族を理解するポイント
  A.家族のウチ・ソトを知る技法
  B.看護の対象としての家族のとらえ方
  C.「1単位の家族」を理解するポイント
 4.家族像の形成
  A.家族を理解する場
  B.家族を理解する情報
  C.多様性
第II章 家族看護学における目標・看護過程・評価
 はじめに
 1.健康な家族についての考え方
  A.ストレスに対処している家族
  B.機能している家族の構造
 2.家族とのパートナーシップ
  A.セルフケア
  B.パートナーシップ
 3.家族の健康を引き出す看護過程
  A.家族看護過程
  B.家族看護過程の構成要素
  C.家族看護過程の展開
第III章 家族を取り巻く社会的・文化的背景
 はじめに
 1.日本人と家族
  A.家から家族へ
  B.看護者にとっての日本の家族
 2.現代日本の家族
  A.超高齢社会から人口減少社会へ
  B.核家族世帯から単身世帯へ
  C.標準(モデル)家族の崩壊と格差
  D.多様化と個人化の尊重
 3.家族と地域社会
  A.地域社会を理解する必要性
  B.地域社会を理解する視点
  C.地域社会の特性を踏まえた家族看護実践
第IV章 家族看護実践に役立つ考え方
 はじめに
 1.実践例(1) 配偶者からの暴力被害者の回復と新たな家族の再生
 2.実践例(2) 医療的ケアが必要な子どもと家族の在宅支援
 3.実践例(3) 心の健康に問題を抱える患者とシステムとしての家族へのアプローチ
 4.実践例(4) 教育期の脳腫瘍患者・家族の生活構造−機能に変容を促す看護実践
 5.実践例(5) 救命救急センターにおいて家族が代理意思決定をするとき
 6.実践例(6) 高次脳機能障害と共に生きる患者・家族への外来における看護実践
 7.実践例(7) 認知症高齢者を介護する家族:家族内ニーズの競合調整と生活リズムの安定化
 8.実践例(8) 虚弱高齢者の在宅での看取りにおける患者・家族の意思決定
第V章 家族看護実践に役立つ研究
 はじめに
 1.家族看護における研究の特徴・課題
  A.家族データの特徴
  B.研究目的と研究デザインの種類
 2.研究計画の方法
  A.家族看護実践に役立つ一般的な知見の探求(1):量的研究
  B.家族看護実践に役立つ一般的な知見の探求(2):質的研究
  C.家族を研究の対象とするときの倫理的配慮
 3.家族看護における研究の実際
  A.家族看護実践をまとめる:症例報告
  B.家族看護実践のエビデンスをつくる:ランダム化比較試験(RCT)
  C.おわりに
第VI章 代表的なアセスメントモデル
 1.海外のアセスメントモデル
  A.フリードマン家族アセスメントモデル
  B.ハンソン家族アセスメント・介入モデル
  C.家族のヘルス・プロモーションモデル
  D.カルガリー家族アセスメント・介入モデル(CFAM/CFIM)
 2.日本のアセスメントモデル
  A.鈴木・渡辺の家族アセスメントモデル
  B.家族生活力量モデル
  C.家族看護エンパワメントモデル
練習問題 解答と解説
索引

はじめに

 本書は、看護者が、「家族」を分析の単位として焦点を当てて実践・研究・教育に取り組むための解説書として2008年に上梓以来、今日まで多くの読者の方々にご支援いただきました。改訂にあたり、看護学生にとって家族看護学の入門書となること、かつキャリアを積んだ看護者にとっては、家族看護を考え学び続けるための手引きともなるようにという初版時の編集方針を守りながら、以下の点を改善しました。
 家族は、多くの学問領域で研究および実践の対象とされています。看護者が、それら他領域の学術的視座、介入技法にも一定の目配りをしつつ、常に家族看護学独自のあり方を探索し続けることを願い、国内外の看護学だけでなく家族療法学・家族社会学の研究者や当事者の皆様にも、トピックやコラムの執筆、家族写真の提供といったご協力をお願いしました。また、「日本の家族の現状について解説がほしい」「家族看護過程は理解することがむずかしい」というご意見に応えるべく、以下の増補を施しました。第3章には、日本の家族の歴史的背景および統計データから現状を解説する新たな節を設けました。第4章では、今後のわが国の疾病構造を反映するよう事例設定を再構築したうえで、看護者は、家族看護過程をいつ、どのような場で、なにを指針として、具体的に誰になにを行い、その効果をいかに評価しているのか、ていねいに解説するよう努めました。さらに、国内外の代表的な家族看護アセスメントモデルを集約した第6章を追加しました。
 無縁社会という言葉が、2000年代になって人口に膾かい炙しゃしたことに象徴されるように、これからは独居高齢者、非正規雇用のひとり親世帯などますます多様化し、看護者にとっては、家族機能を期待できないのではないかと危惧する臨床場面は少なくないかもしれません。しかし、どのような社会システムに変容しようとも、人々のライフサイクルと生活から、家族が完全に姿を消すことはありません。本書が、家族本来の、また個々の家族員にとっての温かで力強いセルフケアを引き出すための看護者による実践・研究・教育の一助となれば幸いです。

2015年11月
著者・編者を代表して
山崎あけみ