教科書

看護学テキストNiCE

母性看護学I 概論・ライフサイクル改訂第2版

生涯を通じた性と生殖の健康を支える

  • 新刊

編集 : 齊藤いずみ/大平光子/定方美恵子/長谷川ともみ/三隅順子
ISBN : 978-4-524-25534-4
発行年月 : 2018年4月
判型 : B5
ページ数 : 294

在庫

定価2,808円(本体2,600円 + 税)

正誤表

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

性と生殖の健康を支える看護を行うために必要な幅広い知識と考え方が身につく好評テキストの改訂版。女性のライフサイクル各期の特徴的な健康課題を事例として取り上げ、看護過程を展開。少子高齢化、女性の多様な生き方、国際化など時代の変化に対応している。今改訂では平成30年度看護師国家試験出題基準に対応。また、女性性だけではなく男性、LGBTなどの性全般を扱った。

第I章 母性看護学の概念
 1.母性看護学とは
  A.母性とは
  B.母性看護学のなりたちと変遷
  C.母性看護学の目的
 2.親になること
  A.母性・父性
  B.母性・父性から親性・養育性へ
  C.親になる過程(プロセス)
  D.役割形成支援にかかわる母性看護学の視座
 3.家族とは
  A.新生児の誕生による家族の変化
  B.家族のアセスメントの視点
  C.新しい家族が誕生するときの看護職のかかわり
 4.母性看護学の基盤となる理論と概念
 5.母性看護を支える主な職種と連携
第II章 母子保健統計と社会資源
 1.母子や家族にかかわる統計の理解
  A.識字率
  B.労働力に関連する諸要因
  C.女性の進出
  D.婚姻や子どもに関すること
 2.母子保健統計の理解
  A.日本の人口,出生,死亡に関する概観
  B.日本の母子保健水準と統計値
  C.諸外国における母子保健統計と日本の比較
 3.母子にかかわる法律と社会資源
  A.母子にかかわる法律
  B.母子にかかわる社会的施策
  C.母子保健を推進している資源
 4.周産期医療体制
  A.周産期医療体制の改善が必要となった背景
  B.周産期医療体制
  C.日本の周産期医療の課題
第III章 生殖に関する形態機能とライフサイクル
 1.発生
  A.性周期と妊娠の成立
  B.受精のメカニズム
 2.遺伝
  A.遺伝のメカニズム
  B.遺伝性疾患
  C.遺伝診療科における周産期から育児期までの支援例
 3.性分化のメカニズム
 4.生殖器の形態と機能
  A.女性の生殖器のライフサイクルにおける成長,発達,変化
  B.男性の生殖器のライフサイクルにおける成長,発達,変化
  C.性反応
 5.社会的・心理的特性からみた女性・男性
  A.社会的存在としての女性・男性
  B.日本の社会と性
  C.ジェンダー・アイデンティティとセクシュアリティの多様性
第IV章 性と生殖をめぐる倫理的課題
 1.性と生殖をめぐる倫理的課題とは
  A.性と生殖をめぐる倫理的課題の特徴
 2.専門職として高い倫理性を育成する
  A.倫理的課題にアプローチするためのツール
  B.女性・胎児の尊厳と権利擁護と看護職の行動
  C.倫理的意思決定プロセス
  D.専門職として高い倫理的感受性を育成する姿勢
第V章 国際化の中での母性看護学の役割
 1.文化の違いと在日外国人女性の健康
  A.在日外国人の抱える問題
  B.周産期にある在日外国人女性の健康問題
  C.在日外国人の母子保健
 2.国際貢献と母性看護学領域
  A.国際的支援を必要とする開発途上国の状況
  B.母性看護学領域の国際援助
  C.JICA
第VI章 ライフサイクルにおける性と生殖をめぐる健康支援
 1.女性のライフサイクルの全体像
  A.ライフサイクルの定義
  B.現代社会における日本の女性のライフサイクル
 2.思春期
  A.思春期の女性の特徴
  B.思春期の女性の健康課題
  C.思春期の女性への看護の視点とヘルスプロモーション
 3.成熟期
  A.成熟期の女性の特徴
  B.成熟期の女性の健康課題
  C.成熟期の女性への看護の視点とヘルスプロモーション
 4.更年期
  A.更年期の女性の特徴
  B.更年期の女性の健康課題
  C.更年期の女性への看護の視点とヘルスプロモーション
 5.老年期
  A.老年期の女性の特徴
  B.老年期の女性の健康課題
  C.老年期の女性への看護の視点とヘルスプロモーション
第VII章 女性のライフサイクルの事例−ウェルネス・アプローチでの看護の実践
 1.女性のライフサイクルの事例−ウェルネス・アプローチでの看護の実践
  1-1 母性看護学における看護過程・看護診断の特徴
   A.看護過程とは
   B.看護診断とは
   C.母性看護学領域における看護過程の特徴
  1-2 女性のライフサイクルの事例
   A.思春期の事例
    事例(1)−やせ願望のA子さん
    事例(2)−性感染症のBさん
   B.成熟期の事例
    事例(3)−月経不順・月経痛による受診時に子どもをもつ時期の相談があったCさん
    事例(4)−生殖補助医療を継続することにストレスを感じているDさん
    事例(5)−産褥2日目のEさん
   C.更年期の事例
    事例(6)−更年期症状を克服していくFさん
   D.老年期の事例
    事例(7)−知識不足により老年期のQOLがおびやかされているG子さん
資料
 資料1 主なる人口動態統計(明治32年〜平成27年)
 資料2 都道府県(21大都市再掲)別,人口動態統計(平成27年)
 資料3 都道府県別,人口動態統計順位(平成27年)
 資料4 年齢別,人工妊娠中絶(昭和30年〜平成27年度)
 資料5 都道府県別,年齢別,人工妊娠中絶(平成27年度)
 資料6 先進諸国における婚外出生割合
 資料7 諸外国の乳児死亡率および新生児死亡率(昭和55年〜平成26年)
 資料8 諸外国の周産期死亡率(昭和45年〜平成26年)
 資料9 諸外国の妊産婦死亡率(昭和50年〜平成26年)
 資料10 諸外国の年齢別,人工妊娠中絶件数(平成27年度)
練習問題 解答と解説
索引

はじめに

 本書『NiCE母性看護学I 概論・ライフサイクル』はこれまでにない新しい母性看護学の教科書をめざして2014年に刊行しました。「生涯を通じた性と生殖の健康を支える看護」を行うために必要な幅広い基礎知識が身につくよう構成されています。たとえば、妊娠期の看護を例にとると、単に妊娠期に必要な具体的な看護の方法を学ぶだけではなく、「どのようにアセスメントし、援助を行えばよいのか」という母性看護を展開するための理論に加え、家族、法律、母子保健統計から母子の置かれている社会的側面、倫理的側面から総合的にとらえることができるように構成されています。
 母性看護学をまさに旬な学問として学んでいただくために、本書は初版の発刊から本日までの4年間における母性看護の進展や社会情勢の変化を反映すべく改訂を行いました。
 改訂第2版の主な改訂ポイントは以下のとおりです。
●統計資料・法律・制度を最新の数値や内容に更新しました。
●約50ページ分量が増え、解説がますます充実しました。
●初版から引き続き看護師国家試験への対応を重視し、2017(平成29)年3月末に発表された『看護師国家試験出題基準平成30年版』(出題基準)を満たすよう見直しました。とくに出題基準「8.周産期医療のシステムと母子保健施策−A.周産期医療のシステム」について、本書では新たに「第II章4節 周産期医療体制」を設けました。また、出題基準「3−B.看護の基盤となる概念−a.女性を中心としたケア、b.家族を中心としたケア」の理論について、本書では「第I章4節 母性看護学の基盤となる理論と概念」に解説を加筆しました。
●「第IV章性と生殖をめぐる倫理的課題」では遺伝医学の進歩、ART実施数の増加、出生前診断実施数の増加などを受け「遺伝看護」「遺伝カウンセリング」「NIPTコンソーシアム」「障害による命の選別の問題」のコラムを追加しました。胎児や新生児の尊厳など解説を充実させました。
●「第VI章ライフサイクルにおける性と生殖をめぐる健康支援」において、思春期では身体と心の性が一致しない性別違和(GD)をもつ生徒や学生への支援についての記述を追加し、更年期では男性更年期についての解説を追加しました。
●構成を見直し、母性看護の看護過程の解説と、思春期から老年期までの健康課題をつの事例で展開する「第VII章女性のライフサイクルの事例−ウェルネス・アプローチでの看護の実践」の章を立ち上げました。本書で学んだ知識をどのように実践に活用するか、母性看護の展開を学びやすくなりました。
 本書を教科書として使っていただいている学生の皆さんに、使用感を調査したところ、圧倒的に多い回答が、「分かりやすい」「紙面がビジュアルで見やすい」「データが豊富で活用しやすい」というものでした。初学者が使う教科書に「分かりやすい」という評価を得たことは重要と考え、改訂版もこれらを大切に踏襲しました。
 本書の読者の皆様には、わかりやすい内容で、母性看護学にまず親しんでいただき、奥深い母性看護学の森に探検に行こうという気持ちを抱いていただければ、望外の喜びであります。

2018年2月
編者一同