教科書

看護学テキストNiCE

看護教育学改訂第2版

看護を学ぶ自分と向き合う

  • 新刊

編集 : グレッグ美鈴/池西悦子
ISBN : 978-4-524-25493-4
発行年月 : 2018年3月
判型 : B5
ページ数 : 308

在庫あり

定価2,700円(本体2,500円 + 税)

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

わが国の看護教育制度、カリキュラムや教育評価など、看護学教育に関する内容に富んだテキストの改訂版。「看護を学ぶ自分と向き合い、看護師として、一社会人として、自ら生涯にわたって成長できる素地を培う」を編集方針に据え、看護実践に欠かせない思考方法や、学生が将来のことや臨地実習などで悩んだときに示唆を与える題材を多く収載。今改訂では「インター・プロフェッショナル教育」、「自己主導型学習」の章を新設し、看護師が知るべき看護教育学の「基盤」となる内容を充実させた。

第I章 看護教育学とは何か
 1.看護教育学とは何か
  A.関連する用語の理解
  B.看護教育,看護学教育,看護教育学の違い
  C.看護教育学における教育・研究
  D.エビデンスに基づく看護学教育
第II章 専門職としての看護
 1.専門職とは何か
  A.専門職の特質・基準
  B.専門職の特徴からみた日本の看護
  C.専門職性
  D.スペシャリストとジェネラリスト
 2.実践の学問としての看護学
  A.実践から看護学へ−零(ゼロ)からのスタート
  B.看護専門職としての実践
  C.実践の学問としての看護学−機能看護学の構築
 3.多職種連携教育(IPE)
  A.チーム医療とIPE
  B.IPEの定義と意義
  C.効果的なIPEの展開
第III章 看護教育制度
 1.看護制度・看護教育制度の歴史的変遷
  A.看護制度の原点,その成立過程
  B.戦中の看護教育制度の混迷期から戦後の看護教育の基盤形成期
  C.戦後の教育制度の改革,看護教育制度の基盤形成
  D.看護教育および看護教育制度の改革期
 2.看護教育制度の現状
  A.日本の看護教育制度
  B.看護基礎教育の現状における課題
  C.看護制度と看護教育制度の歴史的関係
  D.看護基礎教育の教育内容の変遷
  E.日本の看護卒後教育と看護継続教育
  F.看護教育制度における今後の課題と展望
 3.准看護師制度問題
  A.准看護師制度の概要
  B.准看護師制度の成立過程
  C.准看護師制度問題とは何か
  D.准看護師制度廃止運動
  E.差別と偏見を超えて
第IV章 看護学教育の基盤
 1.アイデンティティ
  A.アイデンティティ
  B.アイデンティティの測定
  C.職業的アイデンティティ
 2.クリティカルシンキング
  A.クリティカルシンキングとは
  B.クリティカルシンカーに必要な資質
  C.クリティカルシンカーになるための方法
 3.リフレクション
  A.リフレクション
  B.リフレクションの方法
  C.リフレクションのアセスメント
 4.キャリアマネジメント
  A.キャリア
  B.キャリアマネジメント
  C.キャリアマネジメントの実際
 5.自己主導型学習
  A.生涯学習と自己主導型学習
  B.自己主導型学習とは何か
  C.自己主導型学習を行うために
  D.学習契約の作成
  E.看護学生の自己主導型学習の実態
第V章 カリキュラム
 1.カリキュラム開発
  A.カリキュラム開発
  B.看護学教育のカリキュラム開発
 2.カリキュラムデザイン
  A.カリキュラムデザインとは
  B.科目の構成
  C.科目間の関連づけ
  D.教授・学習過程の進め方と学習の支援
  E.単位の設定
 3.カリキュラム評価
  A.カリキュラム評価とは
  B.教授・学習活動の評価とカリキュラム評価
  C.カリキュラムデザインとカリキュラム評価
  D.カリキュラム開発とカリキュラム評価
  E.法的規制とカリキュラム評価
第VI章 学習理論と学習方法
 1.学習理論
  A.学びの本質
  B.学習理論
  C.学習意欲
 2.学習方法
  A.期待される学習
  B.学習方法
  C.能動的学習の支援
第VII章 臨地実習における教育と学習
 1.教育的ケアリングモデル・経験型実習教育
  A.看護学教育の新しいパラダイムとしての教育的ケアリングモデル
  B.経験型実習教育とは
  C.経験型実習教育の基礎となる理論
  D.経験型実習教育の実践
 2.看護学生が直面しやすい問題:臨地実習を通して
  A.看護学教育における臨地実習の位置づけ
  B.臨地実習で直面しやすい問題の検討
第VIII章 教育評価
 1.教育評価とは何か
  A.教育評価の定義
  B.教育評価の目的の分類
 2.教育評価の考え方
  A.授業の過程で展開される評価
  B.教育目標と教育評価
  C.さまざまな観点による評価の違い
 3.看護学教育での評価の実際
  A.授業設計と教育評価
  B.授業形態による評価の違い
第IX章 欧米における看護学教育
 1.米国における看護学教育
  A.米国における看護学教育制度
  B.米国における看護学の大学院教育
  C.米国における継続教育−専門能力開発
 2.英国における看護学教育
  A.英国の看護制度の変遷
  B.英国の看護教育制度
  C.英国の看護継続教育
付録
 付録 資料1 日本の看護制度・看護基礎教育の変遷
 付録 資料2 日本の看護基礎教育カリキュラムの変遷
 付録 資料3 日本の看護継続教育の変遷
索引

はじめに

 本書『看護教育学改訂第2版−看護を学ぶ自分と向き合う』は、サブタイトルの「看護を学ぶ自分と向き合う」ことを大切にしている。本書を使う学生の皆さんには、看護教育学あるいは看護学教育に関する知識を得るだけではなく、看護を学ぶ自分を知ろうとして自分に向き合ってほしいと願っている。
 「看護を学ぶ自分と向き合う」ためには、今、学んでいる看護とは何なのか、その教育はどのような歴史を辿っているのか、学習にはどのような理論・方法、評価があるのかなど、基礎的な知識を身につけることが大切である。そのために本書では、看護を学ぶ学生が知識レベルで知っておくべきことを整理している。また看護基礎教育で大きな役割を果たす臨地実習については、教師が何を考え、何を大切にして教育をしているのかを知り、また学生自身が臨地実習で直面しやすい問題をどう乗り越え、それを学びに変えていけるかを考えてもらうことを意図している。
 初版の発行から8年が過ぎ、看護学教育にもさまざまな変化があった。改訂にあたっては、初版に引き続く項目の各執筆者に、最新の内容を加えていただいた。この過程では、編者の細かい質問にも答えていただき、追加や修正をお願いした。執筆者の方々の丁寧な対応ぶりに、教育への熱意を感じる経験をした。新たな項目として、多職種連携教育(IPE)、自己主導型学習を追加し、さらにコラムとしてクリニカルナースリーダーを加えた。
 本書では、教育実践や研究から生まれた看護教育学の基盤となる概念を取り上げている。看護学生がどのような発達課題を持ち、何を大切にすべきなのかというアイデンティティのこと、看護学生としての問題解決や看護職としての成長を目指すクリティカルシンキング、リフレクション、キャリアマネジメント、自己主導型学習を学ぶ。これらの学びから、看護職として成長することは、人として成長することであり、発達課題を含めて今の自分に向き合い、自分自身について考えることの重要性をわかってほしいと願っている。
 本書は、看護教育学のテキストとして活用できるだけではなく、看護学生が自分の進路に悩むとき、看護学生として学ぶ過程で問題解決を図ろうとするときに活用できるテキストを目指した。さらに看護基礎教育を終えて、継続教育や卒後教育を受けている人々にも活用できる内容とした。

本書の特長

 第I章では、看護教育、看護学教育、看護教育学の用語のさまざまな使い方をみながら、「看護教育学とは何か」を検討する。第II章の「専門職としての看護」では、専門職の基準と日本の看護職はどの程度、専門職の基準を満たしているかを検討する。さらに看護学が実践経験から構築されることを理解するために、看護職として60年の経験を持つ著者が、どのようにアカデミックに仕事をしてきたかを具体的な事例を用いて明らかにする。第III章の「看護教育制度」では、歴史的な変遷と現在の看護教育制度の現状と課題、さらに准看護師制度問題の理解を目的としている。第IV章における「看護教育学の基盤」では、「アイデンティティ」「クリティカルシンキング」「リフレクション」「キャリアマネジメント」「自己主導型学習」といった概念を学ぶことによって、学習と実践の深化を目指している。第V章では、「カリキュラム」の開発・デザイン・評価について学習する。第VI章の「学習理論と学習方法」では、学習とは何か、どのような学習理論・学習方法があるかを理解することで、学びを深めることを目指している。第VII章の「臨地実習における教育と学習」では、教育的ケアリングモデル・経験型実習教育とは何か、その中で学生と教師はどのような努力が必要になるかを明らかにする。また臨地実習で看護学生が直面しやすい問題とその対処について具体例を示す。第VIII章の「教育評価」では、その目的・意義・考え方、および看護学教育において実際にどのような評価が行われているかを理解することを目的とする。第IX章では「欧米における看護学教育」として、米国、英国の看護学教育を取り上げる。これらを学ぶことによって国際的な視点から、日本の看護学教育の課題を考えることを目指している。また「付録」として、看護制度・看護基礎教育、看護基礎教育カリキュラムおよび看護継続教育の変遷の表を掲載し、歴史的な変遷を容易に把握できるようにしている。

 最後に、改訂版の発刊にご尽力下さった各執筆者の方々、南江堂出版部の皆様、とくに初版から支援をして下さった竹田博安氏、校正において適切なご指摘を下さった網藏久美子氏、笠井由美氏に心より感謝したい。

2018年1月
グレッグ美鈴
池西悦子