教科書

看護学テキストNiCE

疾病と治療I

全身性/呼吸器系/循環器系/感染症/中毒/救急

総編集 : 松田暉/荻原俊男/難波光義/鈴木久美/林直子
ISBN : 978-4-524-25323-4
発行年月 : 2010年11月
判型 : B5
ページ数 : 366

在庫あり

定価2,808円(本体2,600円 + 税)

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

よりよい看護実践に必要な症状・徴候、疾病、診断・治療方法、臨床検査の知識を網羅し、看護基礎教育から卒後の臨床までを支えることを意図したテキスト(全5分冊)。本巻「疾病と治療I」は、全身性の症状・徴候、救急疾患、呼吸器系、循環器系、感染症、中毒性疾患の6章構成。図や表を多く用いて最新の知見をわかりやすく解説。冒頭にカラー口絵としてネッターの解剖生理図を掲載。

第I章 全身性の症状・徴候
 1.全身性の症状・徴候
  A.バイタルサイン
  B.発熱
  C.熱中症
  D.低体温症
  E.浮腫
  F.脱水
  G.全身倦怠感
  H.術後疼痛
  I.がん性疼痛
  J.ショック
  K.全身性炎症反応症候群(SIRS)
  L.多臓器不全(MOF)
  M.多臓器機能障害症候群(MODS)
  N.心肺停止
  O.脳死

第II章 呼吸器系の症状・徴候と疾患
 1.呼吸器系の症状・徴候
  A.急性呼吸不全
  B.慢性呼吸不全
  C.呼吸困難・息切れ
  D.睡眠時無呼吸
  E.喘鳴
  F.喀痰・咳
  G.血痰・喀血
  H.嗄声
  I.しゃっくり(吃逆)
  J.胸水
 2.呼吸器系疾患
  A.かぜ症候群(感冒)、急性気管支炎
  B.インフルエンザ
  C.肺炎
  D.肺結核
  E.非結核性抗酸菌症(非定型抗酸菌症)
  F.肺の日和見感染症
  G.気管支喘息
  H.慢性閉塞性肺疾患(COPD)
  I.気管支拡張症
  J.びまん性汎細気管支炎
  K.特発性間質性肺炎
  L.過敏性肺炎
  M.膠原病肺
  N.薬剤性肺炎
  O.放射線性肺炎
  P.好酸球性肺炎
  Q.ウェゲナー肉芽腫症
  R.サルコイドーシス
  S.リンパ脈管筋腫症
  T.肺胞タンパク症
  U.塵肺症
  V.アスベスト(石綿)肺
  W.肺血栓塞栓症
  X.肺性心・肺高血圧
  Y.肺水腫
  ZA.無気肺
  ZB.肺がん
  ZC.転移性肺腫瘍
  ZD.胸膜炎
  ZE.気胸
  ZF.膿胸
  ZG.胸膜腫瘍
  ZH.縦隔腫瘍
  ZI.縦隔気腫
  ZJ.肺・気管支損傷
  ZK.急性呼吸不全(ALI/ARDS)
  ZL.慢性呼吸不全
  ZM.過換気症候群
  ZN.睡眠時無呼吸症候群

第III章 循環器系の症状・徴候と疾患
 1.循環器系の症状・徴候
  A.失神・立ちくらみ
  B.チアノーゼ
  C.胸痛
  D.動悸
  E.血圧上昇・低下
  F.起立性低血圧
 2.循環器系疾患
 [病態生理・診断・内科的治療]
  A.不整脈
  B.狭心症
  C.急性心筋梗塞
  D.心不全(急性、慢性)
  E.後天性弁膜症
  F.心筋症
  G.心筋炎
  H.感染性心内膜炎
  I.動脈硬化
  J.高血圧症
  K.低血圧症
  L.大動脈瘤、大動脈解離
  M.下肢閉塞性動脈硬化症
  N.バージャー病(閉塞性血栓血管炎)
  O.大動脈炎症候群(高安動脈炎、高安病、脈なし病)
  P.レイノー病
  Q.血栓性静脈炎・深部静脈血栓症・下肢静脈瘤
  R.リンパ管炎・リンパ節炎
  S.リンパ浮腫
 [手術療法]
  T.冠動脈疾患(冠動脈バイパス術、左室形成術)
  U.後天性弁膜症(弁置換術、弁形成術)
  V.大動脈疾患(大動脈瘤、大動脈解離)
  W.心臓移植と補助循環
  X.下肢静脈瘤

第IV章 感染症
 1.感染症総論
  A.感染症総論
 2.細菌感染症
  A.呼吸器感染症
  B.細菌性腸炎
  C.腹腔内感染症
  D.尿路感染症
  E.性感染症
  F.皮膚・軟部組織感染症
  G.細菌性髄膜炎
  H.感染性心内膜炎
  I.耳鼻咽喉科領域感染症
  J.院内(病院)感染症
  K.抗酸菌感染症
  L.リケッチア感染症
  M.微生物の塗抹染色
 3.真菌感染症
  A.真菌感染症概論
  B.深在性真菌症
 4.ウイルス感染症
  A.呼吸器感染症
  B.発疹・発熱疾患
  C.脳・髄膜炎
  D.下痢症
  E.血液媒介感染症
  F.肝炎
  G.眼科領域感染症
 5.そのほかの感染症
  A.プリオン
  B.原虫症
  C.蠕虫症
  D.疥癬

第V章 中毒性疾患
 1.中毒性疾患
  A.中毒総論
  B.医薬品中毒
  C.農薬中毒
  D.工業用品中毒
  E.自然毒中毒
  F.ガス中毒
  G.家庭用品・そのほかの重要な中毒

第VI章 救急疾患
 1.救急疾患
  A.多発外傷
  B.広範囲挫滅(圧挫)損傷
  C.頸部外傷
  D.胸部外傷
  E.異物
  F.溺水
  G.窒息
  H.犬、猫による咬傷
  I.減圧症
  J.急性放射線障害

索引

医療を取り巻く環境が大きく変わりつつあるなかで、医学と関連医療技術の進歩は各々の医療分野の専門性を強くしてきています。一方では社会の高齢化が進み、介護や在宅管理、地域に密着した医療や終末期医療の在り方も社会的問題になってきています。そのなかで、安心、安全、そして全人的医療、チーム医療の推進が求められ、医療専門職者の教育においてもそれらが重要となっています。国も2008(平成20)年に「安心と希望の医療確保ビジョン」を発表し、医療従事者の役割については職種間の協働とチーム医療の充実を謳っています。看護師を含め、医療専門職者がお互いに専門性を尊重しつつ、情報の共有を進め、緊密な連携、協働体制が重要になってきます。さらに2010(平成22)年3月に、国の「チーム医療の推進に関する検討会」が報告書をまとめ、チーム医療の推進には各医療スタッフの専門性の向上、役割の拡大、が盛り込まれています。このなかで、専門的実践能力を有する看護師の育成ということで、特定看護師(仮称)制度が提唱されています。このように、安心、安全の医療のための専門職者の質の向上、責任分担の明確化、チーム医療の推進が求められるとともに、より高度の医療専門職者を育成する社会的動きが活発になってきています。
 振り返って現実をみますと、看護の領域では基本としての「よき看護実践」がいっそう重要になっています。そのためには、単に対象の医学的理解にとどまらず、対象がかかえている医学的問題(疾病や障害)の十分な理解が必要で、それなくしては的確なケアの判断とその実践は保証されません。とくに臨床医学の日進月歩の歩みのなかで高度化・専門化が進んでいる今日、従来にも増して、看護にはより広く、より深い医学的知識が求められているといえます。
 本書は、こうした問題意識を背景に、臨地実習も含むこれからの卒前の看護基礎教育を支えるテキストとして、また、卒後の新人看護師の臨床研修にも役立つものとして、看護学テキストNiCEの一翼を担うべく企画されました。初学者である看護学生を対象とした疾患、症状・徴候、ならびに臨床検査への理解をうながすのみならず、新人看護師が臨床現場で専門分野の知識を再度学習する際のテキストとして、さらに看護師の生涯教育のなかでも活用できるよう、幅広くまた専門性も高くしながら、かつ読みやすく理解しやすいよう配慮しました。本シリーズ『NiCE疾病と検査』『NiCE疾病と治療I〜IV』が看護学生、看護師、そして関連する医療職者の皆様の多様な臨床や地域保健の日常業務において、疾患の基礎的知識や検査の目的の理解を助け、ひいては安全な医療の推進、質の向上、そして優れたチーム医療実践に活用して頂ければ幸甚であります。
2010年7月
兵庫医療大学学長
大阪大学名誉教授
松田暉