Dr.山本の大腸内視鏡挿入法〈DVD付〉
“慣れ”より“理論”!3つの基本原理
- 商品説明
- 主要目次
- 序文

“大腸内視鏡挿入は「慣れ」より「理論」” 経験の少ない術者でも確実に挿入できる“理論的・合理的挿入法”を紹介する。内視鏡の挿入に必要な3つの原理を中心に、16のテーマをイラスト・写真をふんだんに用いてわかりやすく解説。付属DVDには、実際の施術シーンやコロンモデルを用いた解説を収録した。
I章 痛くない大腸内視鏡挿入は慣れより理論
3つの基本原理
挿入の3つのテクニックをうまく適応する方法
II章 理論でわかる挿入テクニック
1 大腸内視鏡挿入時の誤解が挿入自体を困難にしています
2 空気は極力少なくし、腸の自然な状態を維持しましょう
3 実際に内視鏡をぐんぐん押すことはありません
4 常にルーメンの一歩先の走行を把握し、頭の中には内視鏡像よりひと回り大きい腸管の走行をイメージしましょう
5 モニターで見える内視鏡像だけでなく、内視鏡シャフトの状態もイメージしましょう
6 ジグリングを正しく理解していますか?
7 内視鏡がループになっていることを認識していますか?
8 ループを作る場合もなだらかで自然なループを心がけましょう
9 先端フードをつけることで苦痛の少ない挿入が可能となります
10 常に右手に内視鏡の前端の動きを感じましょう
11 ライトターン・ショートニングを正しく理解していますか?
12 フッキングというよりはスラロームというイメージです
13 abdominal maneuver(用手圧迫)をきちんと理解していますか?
14 体位変換の原理と方法・有効性を理解しましょう
15 内視鏡の回旋は少しで十分です
16 いま、大腸のどの場所にいて、何をしようとしているのかを理解しながら進めることが上達のコツです
III章 実際の挿入法
1 natural colonoscopyの実践(スタンダード編)−軸保持短縮法
2 natural colonoscopyの実践(応用編)−ループ挿入法
索引
大腸癌の発生頻度は近年ますます高まってきており、大腸癌撲滅の対策が重要となっています。そのような中で大腸内視鏡検査は、大腸癌検診後の精査や大腸癌のスクリーニングにも使われる安全で精度の高い有用な検査法として認められています。精度の高い大腸内視鏡検査には苦痛や無理のないスムーズな内視鏡挿入が必須となりますが、大腸内視鏡の挿入はけっして容易なものではありません。その手技の習得に多大な努力、時間、検査数が必要なのが実情ではないでしょうか。
しかし、大腸内視鏡技術を身につけたいと考えている医師に、必ずしも有能な指導者や十分な検査機会が与えられるわけではありません。では、適切な指導や十分な機会が得られなければ、大腸内視鏡挿入手技の習得は不可能なのでしょうか。
私自身は卒後まもなくから地域医療に従事しました。一般診療を全般的に行う必要があったため、大腸内視鏡検査は1週間に一度程度とごく限られた機会しか得られない状況が長く続きました。より高度な大腸内視鏡挿入手技を身につけたいと考え、ニューヨークの新谷弘実先生のもとで3ヵ月の見学を行い、新谷先生の著書やビデオを参考に挿入法の原理を理解し、イメージトレーニングから手技を身につける努力をしました。この経験で、大腸内視鏡挿入は物理的挿入力の先端への伝搬と、それを行ういくつかのパターンの理解と実践が重要であることを学び、スムーズな挿入法を身につけることができました。“慣れ”ではなく、“理論”から習得してきたと実感しています。
本書では、私が学んできた理論をわかりやすく実践で活かせるように解説しました。無理なく、苦痛の少ない、理想的な大腸内視鏡挿入法の習得に、本書を役立てていただけることを期待しています。とくに、地域医療に献身しながら大腸内視鏡挿入技術習得を目指している、検査機会の少ない先生方に読んでいただき、「目からうろこ。よくわかりました!」と言っていただけると幸いです。
2011年3月
山本博徳
