書籍

リスク別がん化学療法レジメン改訂第2版

監修 : 武藤徹一郎
編集 : 畠清彦/濱敏弘/平岡知子
ISBN : 978-4-524-25095-0
発行年月 : 2008年11月
判型 : A5
ページ数 : 284

在庫あり

定価4,320円(本体4,000円 + 税)

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文
  • 書評

癌研有明病院で採用されているがん化学療法レジメン101を一挙公開。リスク別に分類されたレジメン集を2004年に刊行してから4年が経過した。その間、がん化学療法は大きく進歩し、それにあわせて癌研有明病院のレジメンも進化している。院内のcancer boardで承認登録されたレジメンの中からより標準的なものを厳選して掲載。すでに使われなくなったレジメン名も掲載し、がん化学療法の均てん化に貢献する一冊。

総論
1.レジメンの共有化による化学療法の実践
2.レジメン管理


1 消化器癌(上部)
【食道癌】
FP/RT/FP/3wDOC/5FU/CDGP
【胃癌】
TS-1/CDDP/wPAC/MTX/5FU/CPT-11/3wDOC/CPT-11/CDDP/TS-1/DOC/TS-1

2 消化器癌(下部)
【大腸癌】
FOLFOX4/FOLFIRI/Beva/FOLFOX4/Beva/FOLFIRI/セツキシマブ/セツキシマブ/2wCPT-11/セツキシマブ/FOLFIRI/2wCPT-11/l-LV/5FU
【肛門管癌】
5FU/MMC/RT

3 消化器癌(肝胆膵)
【肝細胞癌】
EPI/リピオドール(TACEまたはTAI)/CDDP(TAI)
【膵癌】
G-SY/TS-1/TS-1/GEM
【胆道癌】
G-sy(ゲムシタビン)/TS-1

4 頭頸部癌
【頭頸部癌】
DCF/DOC/CDDP/RT-CDDP/TS-1/DOC

5 乳癌
【乳癌】
AC→P(weekly)/CAF/FEC100/wPAC/3wDOC/HER/3wHER/wPAC/HER/VNB/VNB/HER/MMC/MTX/クラシカルCMF(po)/カペシタビン/TS-1

6 血液腫瘍
【悪性リンパ腫】
ABVD/CHOP/DHAP/ESHAP/Hyper CVAD (1)/Hyper CVAD (2)/ICE/R-CHOP/R-DHAP/R-ESHAP/R-Flu/R+Hyper CVAD (1)/R+Hyper CVAD (2)/R-ICE/リツキシマブ
【多発性骨髄腫(MM)】
VAD/ボルテゾミブ/MP
【成人T細胞白血病・リンパ腫(ATLL)】
mLSG15
【慢性骨髄性白血病(CML)】
イマチニブ
【癌性髄膜炎】
IT

7 骨軟部肉腫
【骨軟部肉腫】
ADM/IFM/ADM/IFM(5日間)/IFM大量療法/ICE/CBDCA/CDDP/MTX(超大量)/PEP/CPA/ACD/VCR/ACD/CPA

8 泌尿器癌
【尿路上皮癌】
GEP
【尿路上皮癌と一部の前立腺癌】
I-FEP
【尿路上皮癌】
MVAC
【前立腺癌】
DOC
【精巣腫瘍(胚細胞腫瘍)】
BEP/VIP/TGP(PAC/GEM/CDDP)
【腎細胞癌】
IL-2/スニチニブ

9 婦人科癌
【卵巣癌・子宮体癌】
TCb/DC/DPb
【卵巣癌・子宮頸癌】
CPT-11/NDP
【子宮頸部腺癌・子宮体癌・子宮肉腫】
IEpiP5
【卵巣癌(胚細胞腫瘍)】
BEP5

10 肺癌
【肺癌】
CDDP/DOC/CDDP/VP-16/CBDCA/VP-16/CBDCA/GEM/AMR/DOC
【小細胞肺癌】
CDDP/CPT-11
【非小細胞肺癌】
CBDCA/PAC/ゲフィチニブ/TS-1/エルロチニブ
【肺癌(悪性胸膜中皮腫)】
GEM/CDDP

11 原発不明癌・その他の癌
【原発不明癌】
CBDCA/PAC
【消化管間質腫瘍(GIST)】
スニチニブ
【肉腫】
CYVADIC

付録1 使われなくなったレジメン
付録2 服薬指導

院内のTumor Boardで承認されたレジメンにリスクランクを付けて整理してまとめた『リスク別がん化学療法レジメン』を刊行し、おかげ様で“こんな本が欲しかった”などと好評を得ている。
 初版刊行から4年が経過したが、この間がんをとりまく環境は大きく変化したといってよいであろう。
 その一つに平成19年にがん対策基本法が施行されたことがある。この法律によって外科治療に偏っていたがん治療を、化学療法と放射線治療を含めた3本の柱で推進するべく、がん治療に携わる医師をはじめとする医療スタッフの育成が図られることとなった。がん治療認定医、がん化学療法専門医、がん専門薬剤師、がん看護専門看護師などが次々に認定制度化されたのもその一環である。
 その背景には治療法を探して苦しんでおられた患者さんの要望も大きいが、それと時を同じくしてがんに対する分子標的治療薬の開発が進み、その中からベバシズマブやセツキシマブなどといった薬剤が新しく承認され、化学療法の治療成績が上がってきたこともある。
 数々のレジメンが臨床試験によって標準化され、がん治療の均一化が進められていることもあり、本書の内容についても見直す必要が出てきた。
 新しい治療法もあり、逆に古くなって不要になったレジメンもある。改訂版では登録され日常臨床で使用しているレジメンから、各部化学療法専門の先生方に本書掲載にふさわしいものを選んでもらいまとめた。
 改訂版作成時点で今後すぐに使用となる治療法についても追加し、また実際に使用している代表レジメンの服薬指導ツールも掲載した。すぐに役立てられるものと確信している。
 抗がん剤の安全管理からもチーム医療で安全性を高めることが重要であり、そのためにも電子カルテなどにレジメンは正しく登録されることが求められる。本書がその参考になれば幸いである。
2008年10月
癌研有明病院名誉院長・メディカルデイレクター
武藤徹一郎

21世紀の幕が開けてもうすぐ10年が経とうとしているが、増加している癌に対する化学療法も日進月歩である。本書は2004年に初版が刊行され、4年を経て第2版に改訂された。
 新規抗癌薬、特に分子標的薬剤の登場は生存期間の延長をもたらした。従来の副作用の強いcytotoxic drugに併せてcytostatic drugを臨床の現場で使いこなすことが求められ、薬剤についての最新の知識が必要である。わが国での薬剤の認可状態に合わせてレジメンがupdateされている本書は外来でのハンドブックとして最適である。
 本書の特徴として、(1)臓器別に分かれており、(2)副作用の観点から危険度としてA、B、Cの3群に分けている。(3)病院内で共有できる標準レジメンであり、(4)期間、減量・中止基準、プレメディケーション、ポストメディケーションが簡明に記載されており、(5)主な副作用とその対策、実施上の注意点、(6)プロトコル解説、治療成績、主要文献と至れり尽くせりの内容で、しかも簡略で無駄がない。重要なポイントのみが目に、頭に飛び込んでくる構成になっている。
 目の前の患者さんは化学療法に対して多種多様な反応を示し、訴えもさまざまである。癌診療のエキスパートとして豊富な知識と現場でのきめ細かな配慮が、信頼関係を築き、治療効果も上げてくれると信じている。薬剤の効果が続いているにもかかわらず副作用が強いときは、薬剤を減量したり休薬することで化学療法を継続することが可能であり、専門医としての腕のみせどころである。本書の内容は癌診療に役立ち支えてくれるものであり、電子カルテなどの最新のシステムに対しても活用しやすい。
 2007年にがん対策基本法が施行され、癌治療の均てん化が全国で推し進められている。癌診療連携拠点病院を中心に、臨床各科の枠を超えたチーム医療が求められており、安全管理を第一とした効果的な癌診療を展開することが望ましい。本書を参考にして、医師、薬剤師、看護師、コメディカルスタッフの息の合った、患者に優しい質の高い化学療法が行われることを願っている。
評者● 前原喜彦
臨床雑誌外科71巻7号(2009年7月号)より転載