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小児・新生児診療ゴールデンハンドブック

こちらの商品は改訂版・新版がございます。

編集 : 藤枝憲二/梶野浩樹
ISBN : 978-4-524-25088-2
発行年月 : 2009年7月
判型 : 新書
ページ数 : 518

在庫なし

定価4,860円(本体4,500円 + 税)

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  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文
  • 書評

研修医・若手ドクターに好評の「ゴールデンハンドブック」シリーズに小児科登場! 日常診療において知っておかなければならない疾患とその対処法など、研修医、小児科医にとって必要な知識をコンパクトにまとめた。小児科診療における救急・蘇生から疾患各論、新生児診療、小児保健までを網羅。付録として成長曲線、検査基準値、薬用量など、役立つ知識も収載した。

Part1 小児科診療へのアプローチ

Part2 小児科診療の実践
A 救急・蘇生
I.蘇生
II.救急
 1.発熱
 2.呼吸困難
 3.ショック
 4.急性心不全・不整脈
 5.痙攣発作・意識障害
 6.脱水・電解質異常
 7.腹痛・嘔吐・下痢
 8.熱中症
 9.気道異物・誤飲・中毒
 10.外傷・熱傷・溺水
 11.不審死・不審外傷

B 感染性疾患
I.診療の基本姿勢と注意点
II.検査
III.疾患
 1.細菌感染症
 2.ウイルス感染症
 3.その他の感染症

C 内分泌代謝疾患
I.診療の基本姿勢と注意点
II.検査
III.疾患
 1.成長障害
 2.甲状腺疾患
 3.急性副腎不全
 4.思春期発来異常
 5.カルシウム代謝異常
 6.糖尿病
 7.肥満

D 神経疾患
I.診療の基本姿勢と注意点
II.検査
III.疾患
 1.熱性痙攣
 2.てんかん
 3.脳炎・脳症
 4.発達障害・心身症
 5.その他の疾患(重症心身障害児など)

E 呼吸器疾患
I.診療の基本姿勢と注意点
II.検査
III.疾患
 1.咽頭炎・扁桃炎
 2.喉頭炎
 3.気管支炎・肺炎
 4.その他の炎症性疾患
 5.その他の疾患(気胸など)

F 循環器疾患
I.診療の基本姿勢と注意点
II.検査
III.疾患
 1.先天性心疾患
 2.後天性心疾患
 3.肺高血圧
 4.慢性心不全
 5.川崎病
IV.先天性心疾患をとりまく諸問題

G 消化器疾患
I.診療の基本姿勢と注意点
II.検査
III.疾患
 1.胃食道逆流
 2.胃腸炎
 3.幽門狭窄
 4.炎症性腸疾患
 5.急性虫垂炎
 6.肝炎
 7.膵炎
 8.胆道系疾患

H 血液疾患・腫瘍性疾患
I.診療の基本姿勢と注意点
II.検査
III.疾患
 1.貧血
 2.好中球減少症
 3.血小板減少症
 4.凝固異常
 5.播種性血管内凝固症候群
 6.血球貪食症候群
 7.白血病
 8.悪性リンパ腫
 9.固形腫瘍
IV.治療に関連する問題

I 免疫・アレルギー疾患
I.診療の基本姿勢と注意点
II.検査
III.疾患
 1.気管支喘息
 2.食物アレルギー
 3.アトピー性皮膚炎
 4.その他のアレルギー性疾患
 5.免疫不全症
 6.リウマチ性疾患

J 腎尿路疾患
I.診療の基本姿勢と注意点
II.検査
III.疾患
 1.急性腎炎症候群
 2.ネフローゼ症候群
 3.IgA腎症
 4.尿路感染症
 5.慢性腎不全

K 先天代謝異常症

L 染色体異常・奇形症候群

Part3 新生児科診療の実践
I.診察
II.管理
III.症候・疾患
 1.仮死
 2.黄疸
 3.低血糖
 4.無呼吸発作
 5.新生児痙攣
 6.多血症
 7.新生児一過性多呼吸
 8.呼吸窮迫症候群
 9.胎便吸引症候群
 10.遷延性肺高血圧症
 11.未熟児動脈管開存症
 12.急性腎不全
 13.低カルシウム血症
 14.感染症
 15.頭蓋内出血
 16.消化管疾患
 17.外性器異常
 18.未熟児貧血
 19.未熟児網膜症
 20.乳幼児突然死症候群

Part4 小児保健
I.健診
II.学校検尿
III.予防接種
IV.新生児マススクリーニング

付録
I.標準身長・体重曲線、肥満度判定曲線、BMI
II.栄養必要量
III.検査基準値
IV.小児のための計算式
V.主な公費負担医療制度
VI.一般薬用量

索引

小児科診療の特徴は、成長・発達する存在である「こども」、すなわち新生児から思春期年齢までを対象とし、身体も心も、また頭の先から足先まで診る点である。さらに、病気に悩む子供とそれを取り巻く人々やその背景にある社会まで考えなければならない分野である。
 実際の診療の現場では、全人的医療を基本とし、さらに小児保健学、発達生物学から身体と心の小児疾病学などに関する幅広い知識を必要とする。診断・治療における評価というプロセスにおいていろいろな資料が入用となるが、身近に関連する知識を参照・再確認できるものがあれば有用となろう。このハンドブックは、白衣のポケットに入るコンパクトなマニュアルとして活用することを考え、小児科医・研修医が、小児科の日常診療において知っておかなければならない疾患とその対処法、小児科領域における診断、検査法、治療法、薬剤についてまとめたものである。
 旭川医科大学小児科には、内分泌・糖尿病、循環器・腎臓、神経・精神・代謝、血液・悪性腫瘍、感染・免疫、遺伝、新生児の専門グループがあり、各グループが協力し合いその特性を生かしながら、小児を心と身体の有機的結合体として診療するシステムを構築し、小児医療を実践している。本書を作成するに当たり、教室のスタッフで何度も話し合いを持ち、小児医療の共有・標準化を目指し作り上げたのが本書である。ここに執筆に当たった教室および関連病院の諸先生に謝意を表したい。
 本書が小児診療の場で広く活用され、子供の健康保持に寄与するならば企画したものとして望外の喜びである。
2009年7月
藤枝憲二
梶野浩樹

小児医療の安全ルートを指し示すガイドブック
 新臨床研修医制度の開始とともに、小児科・産科をはじめとする多くの診療科の医師の不足・偏在が明らかになった。一方、医療の専門化・高度化とともに患者側に「いつでも、どこでも、質の高い医療を受けたい」という要望が強くなった。それらの状況変化を受けて、患者側を十分に満足させる質の高い小児医療を志向する医師の充実も進んでいる。小児医療へのモチベーションの高い医師は小児科医だけでなく、内科医、総合診療医、救急医、研修医など他科医師も小児医療に積極的に参入しはじめている。このような小児医療体制の大変換は新臨床研修医制度の大きな成果の1つといえる。
 ところで、現在の小児科(ここでは新生児科も含む)の知識は内科全領域に匹敵する膨大さであり、評者が学生であった四半世紀前の数倍以上である。その全知識がそのまま求められる現在の診療医はなかなか大変である。さらに、今ほど、小児医療に携わる医師の技術の向上が望まれる時期もない。このような状況の中、小児医療に携わる多忙で疲労気味の医師の多くは、小児の「標準医療」がわかりやすく記載されたコンパクトなガイドブックを希求しているに違いないと思われる。
 「小児・新生児診療ゴールデンハンドブック」はその求めに答えるかのように出版されたガイドブックである。本書は旭川医科大学小児科の藤枝先生、梶野先生を中心に、同門会の多士済々の小児科各領域の専門家が、小児医療の共有・標準化と患者さんに優しい医療の実践を目指して何度も協議して編み上げたものである。
 本書は第1章「小児科診療へのアプローチ」、第2章「小児科診療の実践」、第3章「新生児科診療の実践」、第4章「小児保健」、そして「付録」から構成される。ポケットサイズでありながら、小児プライマリーケアに携わる医師に求められる病態、診断、検査、治療、薬剤の知識が必要十分に網羅されている。全章を通じて、きれいな図表、重要文献、ガイドライン、関連ホームページが適宜示されていて、最後の「付録」では、小児体格指標、検査基準値、各種計算式、医療制度、小児薬用量、輸液組成の記述も充実している。藤枝先生、梶野先生らのグループの長い伝統、知的希求、豊富な経験が渾然一体となり、意思統一も十分になされているためか、本書を読んでいると、すべての記述が理解しやすく、素直に頭に入って、きれいに整理されていくような実感が湧いてくる。
 本書は、小児医療の現場でプライマリーケアに関連する知識を参照・再確認するために用いるのが基本かもしれないが、診療と離れた時間帯に、緊急性のもっとも高い第2章A。の「救急・蘇生」やその他、もっとも興味を覚える専門領域(たとえば、第2章B。の「感染性疾患」)の知識を臨機応変に学習することもよいと思われる。いずれにしろ、すぐに知りたいことを短時間で学べる工夫が凝らされていて、彼らの深い知識と豊かな経験に裏打ちされた実践的ノウハウが盛り込まれていることに気づくであろう。
 小児プライマリーケアの現場は厳しく、病棟業務をこなしながらの夜間救急などでは、担当医は暗闇の中を走り続けているような不安感に襲われることもある。果たして目的地に向かっているのだろうか、と。本書をポケットに忍ばせてこまめに参照・再確認する習慣がついていれば、確実に正しい目的地に到達できる安心感が湧いてくるであろう。本書は、現場で頑張るすべての診療医が小児の「標準医療」、すなわち、患者側・医療側双方にとっての「安全ルート」を確保するために携帯すべきものとしてぜひともお勧めしたい1冊である。
評者● 塚原宏一
臨床雑誌内科105巻3号(2010年3月号)より転載