教科書

看護学テキストNiCE

看護管理学

編集 : 手島恵/藤本幸三
ISBN : 978-4-524-25007-3
発行年月 : 2013年6月
判型 : B5
ページ数 : 286

在庫あり

定価2,484円(本体2,300円 + 税)

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

「看護をマネジメントする力」を養うためのテキスト。看護管理者をめざす人だけでなくすべての看護学生を対象とし、より効果的・効率的なケアを実現するための方略の基盤を学ぶ内容となっている。主要項目では事例や演習課題を活用するなど、実践に即した構成とした。看護管理の知識の習得のみにとどまらず、専門職者としての考え方にまで観点を広げる手がかりとなる一冊。

はじめに
第I章 看護管理の基礎
1.看護サービス管理
 A.看護サービスの管理
  1 看護サービスとプロフェッション
  2 サービスと特徴
  3 看護サービスの管理
  4 看護サービスは協働して提供する時代
 B.マネジメント
  1 マネジメントの定義
  2 マネジメント過程の必要性
  3 近年におけるマネジメント過程とその変遷
  4 13のマネジメント機能
  5 マネジメントのレベルと職位
  6 マネジメント理論
  7 マネジャーとリーダー
 C.リーダーシップ・メンバーシップ
  1 リーダーシップとは何か
  2 リーダーシップとマネジメント
  3 変革に必要なリーダーシップスタイル
  4 リーダーシップとイメージ
 D.看護提供方式
2.看護組織と管理
 A.組織論
  1 公式組織の概念
  2 非公式組織
  3 組織形態の基本
  4 組織図
 B.看護組織
  1 病院の組織
  2 看護部の組織
  3 看護提供のための組織
  4 看護業務基準が示す看護の組織化の重要性
 C.権限と責務の遂行
  1 組織
  2 職能、責任、権限の関係
  3 権限の委譲
  4 権限の委譲を阻むもの
 D.意思決定
  1 意思決定とは何か
  2 意思決定のアプローチ
  3 組織の意思決定
  4 優れた意思決定を行うための方策とツール
  事例1 組織における意思決定
 E.組織変革
  1 変革とは何か
  2 変革に対する人々の反応
  3 変革モデルと変革のプロセス
  4 変革における変化媒体の役割
  5 組織変革とリーダーシップの関係
3.看護管理プロセス
 A.看護管理情報
  1 情報収集とアセスメント
 B.プロセス管理
  1 看護管理目標の設定
  2 看護管理計画の立案
  3 看護管理活動におけるクリティカルシンキング
  4 看護管理計画の進行管理
  5 評価
  6 PDCAサイクル
 C.問題解決プロセス
  1 問題解決プロセスの段階
  事例2 問題把握のための情報収集
第II章 看護管理のスキル
1.資源の獲得と配分
 A.医療経費と看護
  1 病院会計準則
  2 財務諸表のしくみ
  3 経営分析
  4 看護と医療経費
  5 看護配置基準の変更と医業費用
 B.看護収支管理
  1 看護管理における収支管理の必要性について理解する
  2 看護にかかわる収入と支出を理解する
  3 資源の効果的・効率的活用の方法を理解する
  4 これからの看護経営管理と計数管理
2.アウトカムマネジメント
 A.看護の質管理
  1 質管理とは
  2 質管理の歴史
  3 質の評価の枠組み
  4 質評価のための指標
  5 質の保証(quality assurance)から質改善(quality improvement)へ
 B.安全管理
  1 リスク管理とは
  2 医療事故の定義
  3 米国におけるリスク管理
  4 日本におけるリスク管理
  事例3 安全管理
 C.患者満足
  1 患者の満足度が注目されてきた背景
  2 患者満足度調査がもたらした医療評価(標準偏回帰係数)
  3 患者満足度に影響する要因
 D.職務満足
  1 職務満足の始まり
  2 人間関係論から始まった職務満足の研究
  3 米国で始まった看護界における職務満足の研究
  4 日本における職務満足の研究
  5 職務満足はなぜ必要か
  6 看護者の職務満足への影響要因
3.人的資源管理−採用と配置
 A.看護資源
  1 ヒューマンサービスの特徴
  2 看護資源の特徴
  3 ゴールに向けて資源を結集(組織化)
 B.HRM−採用と配置
  1 理念達成のために必要な人材の確保と育成
  2 HRM−配置
 C.キャリア開発
  1 病院における看護部門の人的資源管理の重要性
  2 看護という職業の特性
  3 人事考課システム
  4 キャリア開発の考え方
  5 病院における看護部門の人的資源管理の課題
 D.質の高い看護を提供するためのスタッフ教育
  1 目標管理カードの活用
  2 看護管理者のリーダーシップ能力の育成
  3 事例検討会等の開催により、葛藤解決を支援
  4 カウンセリング等の研修による専門職としての成長への支援
  5 アサーティブな思考・言動への支援
  6 よき相談相手や指導者を得るための支援
  7 本人自身のストレッサーを明確にするための支援
  8 医療従事者間のコミュニケーションの円滑化と職場の雰囲気づくりへの支援
  9 看護者とその他の医療者との具体的行動と個別指導
 E.ワーク・ライフ・バランス
  1 海外の状況
  2 日本の現状
  3 キャリア発達とワーク・ライフ・バランス
  4 労働安全衛生とワーク・ライフ・バランス
4.管理行動
 A.指示
  1 管理プロセスとしての指示
  2 人材育成の行動様式としての指示
 B.交渉
  1 交渉
  2 交渉の準備と類型
  3 交渉に必要な準備プロセス
 C.葛藤解決
  1 対人葛藤
  2 対人葛藤の要因
  3 葛藤の効果と対人葛藤のプロセス
  事例4 病棟師長の勤務表作成に関する葛藤
  事例5 実習での看護学生の葛藤
5.自己管理
 A.ストレス管理
  1 自己コントロールとバーンアウト
  2 ストレスへの対処
  3 事例で考える
  事例6 ストレス出来事とストレス管理
 B.時間管理
  1 時間管理の必要性
  2 業務の進め方
  3 時間管理に重要となるポイント
6.連携と協働
 A.医療連携(施設間・地域)
  1 医療連携はなぜ重要か
  2 地域医療連携の課題は何か
  3 看護職は医療連携を推進するために何をすべきか
  4 地域医療連携を推進する人材とツールの開発および活用
 B.他職種との連携
  1 チーム医療と専門職連携
  2 他の専門職種と連携協働していくための能力
  3 他職種との連携協働を促進するためのマネジメント
第III章 看護サービス管理の周辺
1.看護政策
 A.政策とは何か
 B.政策過程
  1 政策形成
  2 政策実施
  3 政策評価
 C.看護政策とは何か
  1 医療政策の一部分
 D.診療報酬と看護職員配置
  1 診療報酬
  2 看護職員配置
 E.政治的アクター
  1 政治的アクターを分析
  2 診療報酬における政策誘導
2.医療経済と看護管理
 A.医療制度
  1 医療制度のしくみ
  2 医療制度の背景となるデータ
  3 医療保険
  4 診療報酬制度
  5 介護保険制度のしくみ
  6 医療提供体制
 B.医療政策の変遷
  1 医療政策の経緯
  2 医療制度改革
3.現代法制度と看護管理−医療提供関連法規
 A.憲法
 B.医療提供体制の動向と医療法(昭和23年法律第205号)
  1 医療法とは
  2 医療法の目的
  3 医療の基本理念
  4 地域保健医療の連携
  5 医療の選択にかかわる適切な情報提供
  6 医療安全の確保
  7 医療提供体制の確保を図るための基本方針と医療計画
 C.医療提供を担う人材に関する法律
  1 保健師助産師看護師法(昭和23年法律第203号)
  2 看護師等の人材確保の促進に関する法律(平成4年法律第86号)
  3 医師法(昭和23年法律第201号)
  4 薬剤師法(昭和35年法律第146号)
 D.医療保険制度
  1 わが国の医療保険制度
  2 老人の医療
4.専門職の責務
 A.看護職能団体
  1 公益社団法人日本看護協会
  2 そのほかの専門職能団体
 B.患者の権利
  1 歴史的な経緯
  2 患者の権利
  3 インフォームドコンセント
  4 セカンドオピニオン
  5 看護師の役割
  事例7 心配になったAさん
 C.専門職の倫理
  1 専門職としての倫理
  2 看護実践と倫理
  3 倫理原則
第IV章 看護管理の展望
1.展望
 A.これからの看護管理に求められるリーダーシップ [特別寄稿]Carol Keehan
  1 リーダーシップとは
  2 リーダーの資質
  3 リーダーの育成
  4 よいリーダーをめざして
  5 リーダーになったあなたへ
 B.これからの日本の看護管理
  1 看護の動向
  2 法の改正と看護
  3 看護の人員確保のために
  4 これからの看護管理の展望
付録
 参考になるウェブサイトのURL集
事例 解答と視点
索引

「なぜ看護管理者をめざすわけでもないのに、看護管理を学ぶのですか」という質問をよく受ける。そう、将来、師長や部長、あるいは施設長をめざしているわけではなくても、看護管理を学ぶことが大切な理由は、この本を読んでいただくと理解できるだろう。
 看護は、1人がケアを提供するだけの限定された実践ではない。とくに、近年では看護職相互はもとより、医師、薬剤師、医療ソーシャルワーカーをはじめとする医療チームメンバーとの協働や、地域の医療施設との連携など、組織を超えた実践により、患者の回復や住民の健康を守ることが期待されている。すなわち、医療チームのメンバーの一員として、質の高い看護を、効果的に提供していくためには、マネジメントに関するスキルを学び、身につけ、実践できるようになることが重要である。
 日本は、少子化の進展と高齢化により、人的資源は希少となり、いかに人を大切にして効果的な実践を行うかがマネジメントの重要課題になりつつある。人を動かしたり、組織を動かしたりすることだけでなく、マネジメントスキルの中には、時間を管理し、自分自身のストレスを管理することで、看護学生が専門職としてより効果的な看護を提供できるようになるという自分自身に対しての課題に取り組むことも含まれている。
 2010年のタイム誌で世界に影響を与える100名のリーダーに選ばれたSr.Carol Keehanに、「これからの看護管理に求められるリーダーシップ」というタイトルで、特別に寄稿をいただいた。これからの時代の担い手となる読者の皆さんへの、大先輩からの素晴らしいメッセージになると確信している。
 本書の内容は、医療経費の分析、人的資源管理など基礎教育課程の学習者には難解と思えるような内容も一部含まれている。このテキストをキャリア発展の過程で活用し続けていただければ、執筆者一同、これほどうれしいことはない。

2013年5月
手島恵
藤本幸三