教科書

看護学テキストNiCE

精神看護学

こころ・からだ・かかわりのプラクティス

こちらの商品は改訂版・新版がございます。

編集 : 萱間真美/野田文隆
ISBN : 978-4-524-25005-9
発行年月 : 2010年1月
判型 : B5
ページ数 : 486

在庫なし

定価3,240円(本体3,000円 + 税)

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  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

精神看護学の基礎と精神看護を展開する方法論についての理解を図れるように豊富な図表を用いてまとめたテキスト。対象者の理解や援助に対して、バイオ・サイコ・ソーシャルな側面からトータルにアセスメント、アプローチすることの必要性をていねいに解説した。また、具体的な精神看護の実践方法についても、事例を通してわかりやすく学べるようにした。

第I章 精神看護はどんな活動か
 1.ケア対象者はどんな体験をしているのか
 2.ケア対象者をトータルに理解するには──バイオ・サイコ・ソーシャルモデルを使って生物学的・心理学的・社会的側面から理解を深めよう
 3.看護師は何をするのか──精神看護の目標と役割
 4.どんな医療が行われてきたのか──精神保健・医療・福祉の歴史的変遷
 5.人権を守るために──精神看護における基本的人権と倫理的問題

第II章 精神を病む人はどんな状態を示すのか
 1.現症(状態像)を理解しよう
 2.精神症状とはなんだろう?
 3.対象を理解するための考え方
 4.精神看護におけるアセスメント技法
 5.精神看護におけるコミュニケーション技法

第III章 どんな評価、治療・ケア・支援が行われるのだろうか
 1.治療にあたってどんな検査が行われるのか
 2.治療・ケア・支援の方法
 3.治療・ケア・支援の実践を支えるシステム
 4.医療施設のほかに精神看護が展開される場

第IV章 どんな看護が行われているのだろう──実践モデルでみる精神看護
 1.精神疾患と看護実践モデル
 2.ライフサイクル各期にみられる危機と看護実践モデル
 3.リエゾン精神看護における実践モデル
 4.英国にみる精神看護実践モデル──メンタルヘルスの回復についてのタイダルモデル

第V章 精神保健と法律
 1.精神保健関連法規
 2.精神保健福祉の現状と課題
 3.精神の健康に関する普及啓発活動

索引

あなたはなぜ看護師になろうとしているのでしょうか?
 いろんな人に聞かれ、自分でも考え・・・・・・でも、やっぱり「本当の」動機はわからない人が多いのではないでしょうか。それは、人はなぜ助け合うのかという不思議とつながっている問題です。人間は陰惨な喧嘩をしたり、大きな戦争をする一方、親子を超え、家族を超え、地域を超え、世界を超えて援助し合います。そうしたいからするわけではなくても、母親にはぐれて泣いている子どもがいたら、つい「どうしたの?」と声をかけてしまいます。息を切らしているおばあさんがいたら、席を譲ってしまいます。そんなものの集合体が、きっと援助というDNAを人間に刷り込んだのでしょう。援助職になろうと思う人は、そのDNAに導かれているのかもしれません。でも、DNAだけでは、援助職のあなたの人生は決まりません。素質を磨いていくのは、なにあろう「あなた」です。
 さて、そのあなたは、この「精神看護学‐こころ・からだ・かかわりのプラクティス」という教科書を持って、その厚さにうんざりしていませんか?項目の多さにくらくらしていませんか?きっと「試験のために読まなければいけない」「国試のために勉強しなければいけない」という気持ちが先に立って、この本の持つ豊穣な世界に思いが立ちいたらないのだろうと思います。教科書は、すべてを読むことやすべてを覚えることに目的があるわけではありません。DNAがあなたの身体の地図であるように、教科書はあなたの知識と経験の地図です。
 この本は、人の“こころ”の看護という、大きな挑戦を描いた地図です。身体看護という比較的目に見える対象を扱う看護に対し、精神看護はおおむね画像や生化学検査などでは判別はできない“こころ”という目に見えない対象を看護します。「えっ、それってどうするの?」という素朴な疑問が湧いてくるはずです。そのあなたの素朴な疑問の導くままに、この本を紐解いてください。身体が傷ついたり、血を流したり、痛みを抱えるように、こころも痛み、発熱し、病みます。そのケアはクーリングや、ギプスや、手術ではないけれども、ちゃんと同様な手当てがあるのです。
 この教科書では、そのケアをバイオ(からだ)・サイコ(こころ)・ソーシャル(かかわり)という視点から考えています。それは人間という存在がそのように組成されているからであり、その中心にあって、でも、透けて見えるわけではない精神は「からだ・こころ・かかわり」の中を駆け巡り、栄養されているからです。このアプローチはなにより、対象を広く、大きく、深く理解していこうとするものです。
 この教科書の道順は、まずこの地図の意図を示し(第I章)、精神を病む人の症状を理解し(第II章)、どんなアセスメントや治療・ケア・支援が必要かを示し(第III章)、その看護とはなにかを解説し(第IV章)、最後に看護の対象者が守られるべき社会的手段(つまりは法律)を示します(第V章)。
 それぞれの章には、もっと詳しい地図が添えられていると理解してください。でも、山に登るにもいろいろなルートがあります。頂上を目指す人もいれば、見晴らしのよい中腹でピクニックをしたい人もいるでしょう。ふもとからルートを眺めて「いい景色だなあ」と満足する人もいるかもしれません。それぞれに精神看護の「風景」を理解してもらえればいいと思います。
 ただ、「からだーこころーかかわり」という峰を越えて、頂上に出たときの絶景は、あなたの苦労のぶんだけ感動を与えてくれるでしょう。また、看護師としてのあなたに大きな知識と深い理解を与えてくれるでしょう。あなたの援助職としてのDNAが「こころの看護」の醍醐味にあなたを誘うかもしれません。そんな好奇心と、探求心を持ってこの本に向かってください。
 こころの看護を旅するあなたに、登山口(Door)はすでに開かれています。
 The door has been opened!
2010年1月
編集者