教科書

Ross組織学原書第5版

監訳 : 内山安男/相磯貞和
ISBN : 978-4-524-24367-9
発行年月 : 2010年5月
判型 : A4変
ページ数 : 926

在庫あり

定価9,720円(本体9,000円 + 税)

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文
  • 書評

原書「HISTOLOGY」(Ross ・Pawlina 著)は医学部のテキストとしてベストセラーとなっている。一番の特徴として750点に及ぶ図、特に組織写真は染色が美しく正確で、サイズも大きく見やすい。内容構成は、基礎がしっかり解説されているうえに疾患との関連性が強く、現代の教育体系にマッチしている。これからの組織学のテキストの決定版。

Histology:A Text and Atlas−With Correlated Cell and Molecular Biology, Fifth Edition

1.方法
2.核以外の細胞構造
3.細胞核
4.組織:概念と分類
5.上皮組織
6.結合組織
7.軟骨組織
8.骨組織
9.脂肪組織
10.血液
11.筋組織
12.神経組織
13.心血管系
14.リンパ系
15.外皮系
16.消化器系I:口腔とその関連構造
17.消化器系II:食道、胃と腸
18.消化器系III:肝臓、胆嚢と膵臓
19.呼吸器系
20.泌尿器系
21.内分泌系
22.男性生殖器系
23.女性生殖器系
24.眼
25.耳
索引

Ross組織学第5版は、前版に引き続き、医学、歯学および他の健康科学を学ぶ方々に、細胞生物学と関連づけた組織学の入門書をテキストとアトラスを用いて提供するという伝統を守っています。これまでの版と同様に、本書は標準的な教科書として組織学の基本原理を記述するとともに、図や写真によりその記述を補完しており、「教科書と図譜」を組み合わせたものとなっています。さらに、個々の章の間にある図譜の部分は、大きな図に組織学用語を付し、さらに組織学における要点を明らかとする詳細な説明を添えています。このように、本書Ross組織学は2冊の本を1冊にまとめたものであると言えます。
 この版では、細胞生物学と分子生物学の進歩を取り込み、組織学の知識を有用で理解しやすいものとするために、大きな変更をおこなっています。
 最新の分子細胞生物学 以前の版の記述内容は、分子細胞生物学の最新の進歩を取り入れて新しいものとなっています。第5版は、学習者が内容を包括的に理解するために有用と思われる情報を選択し、そこに重点が置かれています。前版の第2章「細胞」は、この版では内容を新たにして、2つの章に分けられています:第2「核以外の細胞構造」は細胞質と関連する細胞内小器官の構造と機能に、第3章「細胞核」では核とその機能について記されています。校閲者の示唆に対応し、第5版においても、細胞周期とその調節に関連した新しい情報が加えられています。
 読みやすさの重視 本文の量を制限すると共に、関連する情報を強調するために見出し文と箇条書きを増やしました。
 重要事項の強調 前の版から引き継いだ多くの教育上の見地に基づいた特徴にさらに改良を加えると共に、次のような新たな特色を加えました。
 ・各章の最初のところにある主要な見出しの大要を、学習者が各章を予習したり試験勉強をする手助けとなるように改良しました。
 ・より多くの表を加え、厳密に記憶したデータに頼らず、学習者が勉強や復習をできるようにしました。例えば、軟骨の機能の表や、一般的に用いられる染色法とそれらによって染色される組織の特徴の表などが、新たに加えられた表です。なお、染色方法の表は本書の裏表紙にあります。
 ・「臨床との関連」と「機能的考察」の項目は改訂され、さらに改良されたものとなっています。症状、病理組織学、疾患の治療などに関する臨床にかかわる内容が「臨床との関連」の項目として新たにいくつか加えられています。これらの部分の内容は補助的な教材であると考えられるかもしれませんが、他方で、それらは組織学の機能的側面と臨床的重要性を示すものとなっています。
 ・図譜の写真の説明は本文中に入れられています。本文中のこれらの説明は、学習者が各章の最後に載せられている図と本文中 の記載とを関連付けるのに役に立つものです。
 新しい図 この版では、「臨床との関連」の場所で書かれている情報を説明するために、多くの写真と顕微鏡写真を新たに採用しました。さらに、多数の新しい高解像度のデジタル顕微鏡写真を、本文の中に入れています。明快な説明や要点のまとめの為に、新たな図を加えたり、図の書き直しをしたところもあります。すべての図に共通した色の使用、例えば、核は青色、ミトコンドリアは緑色、というような本書を通じて統一的な色をつかうことは、第4版からの特徴ですが、学習を助け視覚からの記憶に役立つ
ことでしょう。
 新しいデザイン 明るくエネルギーに満ちたなテキストのデザインは、新しい図や写真を引き立たせ、前の版よりも一層テキストを読みやすくしています。
 初版から第4版までと同様に、全ての変更は学習者の必要性を念頭に置き、本書を学ぶ人々が重要事項を理解し最新の情報を知り、新たに発見された知識を実際に応用できるようになることを目標としておこなっております。
Michael H。 Ross
Wojciech Pawlina

この度、Michael H.RossならびにWojciech Pawlinaによる『HISTOROGY A TEXT and ATLAS』が、内山安男教授ならびに相磯貞和教授の監訳で発刊された。
 本書の第一の特色は、RossならびにPawlinaという二人の著者によってこの大著が書かれている点である。すなわち、この情報化社会にあって断片的情報を得ることは非常に容易になったが、そのような情報を一定の考えに基づいて体系化した知識として得る機会は減少したといえる。Textbookはそのような体系化した情報を得るのに最適なものの一つと考えられる。しかも二人の著者で書かれたものであれば、一定の考えによって貫かれた好著が期待できる。そのような観点から本書をみてみると、著者が目指していたのが、cell biologyならびにmolecular biologyの最新の成果を取り入れた組織学の教科書であるのが明白である。さらに“Box”という項を設け、随所で形態を機能あるいは臨床医学と結びつけようという努力がなされている。
 第二の特色は、非常に美しい写真と図が多く使用されていることであり、これは組織学の教科書としては生命線といえる重要な点である。この観点からも満足すべき教科書となっている。
 第三の特色は謝辞に述べられているごとく、全米各所の60名以上の学生ならびに教官に対して、よりよく組織学を理解してもらうための意見や提案を求め、それらを参考にして改訂している点であり、本書を使用する側に立った視点が多く取り入れられている。また、監訳者を含め日本を代表する組織学・解剖学の専門家が、解剖学用語集に準拠した用語を使用して翻訳を担当されている。それに加えて、訳注を加えるなどして読者の理解がさらに進むための工夫がなされている。以上より、日本語版としても非常に充実したものとなっていると結論できる。
 本書の書評を執筆するにあたって、約40年振りに組織学の教科書に目を通したというのが正直なところであるが、その内容の変化には驚きを禁じ得なかった。40年前の組織学の試験というとプレパラートを光学顕微鏡でみて、それがどこの臓器の何という細胞かを答えるというのが定番であり、組織学の教科書もそのような観点から記述されており、学生も各種細胞の形態学的特徴を覚えるのに汲汲としていた記憶がある。本書は、組織学をはじめて学ぶ学生が全体を通読して、細胞の構造と機能に関する体系化された知識を得るのに有用であるのは勿論であるが、内科医が座右に置いて、基礎医学に関することで知りたいことや確認したいことがある場合に、まずみてみる本としても非常に有用である。なぜなら、その臓器や細胞に関する形態のみならず、cell biologyやmolecular biologyの進歩による情報も知ることができるからである。是非一度、本書を手にとってご覧いただけたらと思う。
評者● 春日雅人
臨床雑誌内科106巻5号(2010年11月号)より転載