書籍

理学療法フィールドノート

3.呼吸・循環・代謝疾患

責任編集 : 石川朗
編集 : 石川朗/内山靖/新田收
ISBN : 978-4-524-24349-5
発行年月 : 2009年7月
判型 : B5
ページ数 : 276

在庫僅少

定価6,156円(本体5,700円 + 税)

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

好評書『臨床実習フィールドガイド』のアドバンス版『理学療法フィールドノート』第3巻。実習から臨床まで接することが多い疾患と、主要な合併障害を幅広くとりあげ、「臨床思考過程」に沿って統一的な記述スタイルで解説した実践的な理学療法ノート。各疾患の解説を、合併症、病期など、実際の症例に即した理学療法の流れに沿って展開。全4巻で標準的な知識・技術を学ぶことができる。本巻では、急性期、周術期、維持期、再発による入院など、様々な場合での内部障害に対する理学療法の実際を学ぶことができる。

第I部 総論
 A.理学療法における臨床思考過程
 B.臨床思考過程の具体的展開
 C.呼吸・循環・代謝疾患における臨床思考過程の具体的展開

第II部 各論
第1章 呼吸障害
 1 在宅酸素療法目的にて短期入院した慢性閉塞性肺疾患の72歳男性に対する理学療法
 2 気道感染により慢性閉塞性肺疾患の急性増悪を呈した71歳男性に対する急性期理学療法
 3 肺結核後遺症によりII型呼吸不全を呈した76歳女性に対する急性増悪後の理学療法
 4 間質性肺炎に肺癌を合併した75歳女性に対する理学療法
 5 多発肋骨骨折により肺挫傷を呈した88歳男性に対する理学療法
 6 全身熱傷、気道熱傷により挿管下人工呼吸管理中の31歳男性に対する理学療法
 7 慢性肺疾患により広範囲な無気肺を呈した超低出生体重男児に対するNICUの理学療法
 8 急性肺炎により呼吸不全を呈した重度心身障害の4歳男児に対する理学療法
 9 非侵襲的陽圧換気療法(NPPV)使用下のDuchenne型筋ジストロフィーの17歳男性に対する理学療法
 10 偽性球麻痺症状により誤嚥性肺炎を呈した59歳男性に対する呼吸嚥下障害への理学療法

第2章 循環器疾患
 11 初発急性心筋梗塞を呈した復職を希望する48歳男性に対するクリニカルパスに基づいた理学療法
 12 心機能が低下し狭心症を呈した心筋梗塞の既往をもつ70歳男性に対する冠動脈バイパス術後の理学療法
 13 心筋梗塞により心不全を呈した大動脈バルーンパンピング装着中の69歳男性に対する急性期理学療法
 14 冠危険因子のコントロールが不良で心筋梗塞を再発したことにより重度の心ポンプ機能低下を呈した75歳男性に対する外来通院による維持期理学療法
 15 心不全により著しい運動機能低下を呈した80歳男性に対する理学療法
 16 急性大動脈解離手術後に肺酸素化能の障害を呈した74歳女性に対する周術期理学療法
 17 閉塞性動脈硬化症により下肢循環障害を呈した78歳男性に対する理学療法

第3章 代謝疾患
 18 肥満症、メタボリック症候群、変形性膝関節症を合併した2型糖尿病の79歳女性に対する理学療法
 19 視力障害を伴った糖尿病神経障害(ニューロパチー)の65歳男性に対する理学療法
 20 閉塞性動脈硬化症を伴う71歳男性の慢性透析者に対する入院理学療法

索引

呼吸器疾患(呼吸障害)、循環器疾患、代謝疾患などの内部障害を有する対象者に実施される理学療法は、以前からその重要性はうたわれてきました。しかし、実際の臨床において、その啓蒙と普及は十分とは言い難いのが現実でした。
 この状況を一変させたのが、2006年の診療報酬改定です。初めて理学療法の診療報酬の対象が四分割され、新たに呼吸器リハビリテーションの項目が作られました。これによって、循環器疾患に加え呼吸器疾患(呼吸障害)に対する理学療法が大いに注目されるようになってきました。
 一方、内部障害に対する理学療法を学ぶ学生にとって、中枢神経障害や運動器疾患と比べ難しいと感じることもあると思われます。しかし、その臨床思考過程は何ら違いはありません。このことは、既に『臨床実習フィールドガイド』(2004年)にて示しました。そして、今回『理学療法フィールドノート』として、より多くの症例の臨床思考過程を提示することになりました。
 本書『理学療法フィールドノート 3。呼吸・循環・代謝疾患』はシリーズ全4巻の最終巻にあたります。既に上梓された「脳血管障害・神経疾患」「運動器疾患」「地域・在宅」と同様に、8段階の臨床思考過程に沿った理学療法の具体的展開を、介入の場面・時期・目的を基軸として統一的なスタイルで編集しました。
 各論は、理学療法の流れを捉えやすくするために、ケースレポート的な体裁を採りました。最初のページには各論のエッセンスを凝縮したフローチャートを設け、またICFの枠組みを用いた統合と解釈の図、実際のプログラムの例も多数収載しました。読者が臨床実習や初めて対応する疾患・合併症を有する対象者へ理学療法を行う際に、参考になるものと確信しています。加えて、各論の最後に設けた「エビデンスのオーバービュー」は、各疾患に対する理学療法のエビデンスの要約を俯瞰的に捉えることができます。
 本シリーズの編集者の意図は、これらのモデル的な対象者・障害像へのアプローチを通じ臨床思考過程8段階の目的と実践を可能にし、標準的な治療を提供できるようになる点にあります。教育・臨床それぞれ第一線でご活躍中の執筆者による優れた臨床思考をトレースしながら、読者一人一人がより一層臨床の力を磨いて頂くことを願っています。
 呼吸・循環・代謝疾患に対する理学療法は、近年エビデンスに基づいたガイドラインが多く報告されており、理学療法効果に対する期待も高まっています。また、評価においては術後早期のリスク、治療歴・服薬状況、生活習慣の把握、治療においては的確な運動療法の選択、再発予防を視野に入れた効果判定など、理学療法士に求められる知識と技術をフルに活用して、リハビリテーションを実践していく領域であるといえます。
 本書が内部障害に対する理学療法の理解と実践の糧となることを、切望しています。
2009年6月
石川朗