教科書

やさしい運動生理学

編集 : 杉晴夫
ISBN : 978-4-524-24283-2
発行年月 : 2006年12月
判型 : B5
ページ数 : 150

在庫なし

定価2,484円(本体2,300円 + 税)

改訂予定がございます

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

やさしくわかりやすいと好評の栄養・健康科学シリーズ『運動生理学』を、栄養学を始めとするコメディカル学生向けに、より一層充実した内容に再編集した改訂新版。本書の特長である運動処方と遺伝子を含めたトレーニング効果についてはもとより、新たに「運動と栄養」についての章を設け、運動・栄養指導に役立つ知識を十分に解説。食事摂取基準(2005年版)準拠。

1. 健康の増進と運動
 A. 健康の増進とは
 B. 現代人の生活状況の問題点
 C. 健康の増進における運動の意義と栄養士の役割

2. 身体運動のしくみ
 A. 骨格筋の収縮するしくみ
 B. 骨格筋収縮時のエネルギー供給
 C. 身体運動と呼吸器および循環器系のはたらき

3. 運動とエネルギー代謝
 A. エネルギー代謝とは
 B. 食物のエネルギー
 C. エネルギー代謝量の測定
 D. 基礎代謝量(BM)
 E. 食事誘発性熱産生(DIT)
 F. エネルギー代謝率(RMR)
 G. メッツ(METS)
 H. 食事摂取基準に基づくエネルギー代謝
 I. 最大酸素摂取量(VO2max)
 J. 無酸素性作業閾値
 K. 身体活動レベル
 L. 推定エネルギー必要量

4. トレーニングとその効果
 A. トレーニング運動の種類と方法
 B. トレーニングの原則
 C. トレーニングの効果
 D. 遺伝子によるトレーニング効果の発現

5. 運動と栄養
 A. 栄養素の燃焼によるエネルギー産生
 B. 運動時の栄養素の利用
 C. ミネラルと運動
 D. 活性酸素と運動
 E. 運動選手と栄養

6. 運動処方と運動負荷検査の実際
 A. 運動処方作成の手順
 B. 運動負荷検査と体力検査の実際
 C. 運動処方の内容
 D. 運動処方の実際

現在わが国が抱える最も深刻な問題の筆頭に挙げられるのは、平均寿命の延長にともなう総人口に対する高齢者の比率の増大と、身体の障害や認知症に悩む高齢者の介護である。よく知られているように、高齢者に対する年金をふくむ社会保障費の財政基盤は既に破綻しており、また核家族化現象により、障害を持つ高齢者の介護はもっぱら国公私立の介護施設に委ねられている。
 このような憂慮すべき事態の抜本的な解決は、健康の維持と増進の三本の柱である運動、栄養、休養、の意味の正しい理解にもとづさ、適切な肋言と指導を行う能力をもった人々を養成し、これらの人々の活動によりすべての高齢者が「すこやかな老後」を送るようになることで解決されるであろう。この活動の中心となるのは栄養士でなければならない。
 本書の前身である教科書「運動生理学」は、以上のべたような理念の実現のため1988年に栄養士養成過程が改定された機会に出版されたものであるが、読者の好評を得てこれまで版を重ねてきた。このたびこの教科書の内容に大幅な増補、改訂を行って「やさしい運動生理学」として出版することになった。
 本書には他の運動生理学の教科書には見られない大きな特色がある。まずひとつは、トレーニング効果の分子レベルでの仕組みを詳しく解説していることである(第4章)。この研究分野は国外では日進月歩で進展しているにもかかわらず、わが国の教科書では全く触れられていない。筆者は心筋の適応現象を東大の循環器研究グループと研究していたので、この記述を容易に行うことができた。トレーニング効果の真の理解はこの章を読むことによって得られると確信している。
 本書のいまひとつの特色は、本書の前身の教科書以来の方針として、運動処方の作成法をいろいろな具体例に即して丁寧に解説していることである(第6章)。この章は共著者のひとり、佐藤の労作である。
 本書の内容は栄養士養成カリキュラムの目標にそって、もっぱら平均的な生活を営む社会人や家庭の主婦等の健康の維持と増進に焦点が絞られている。従って本書は栄養士のみならず、医師、看護士、薬剤師、理学療法士、作業療法士の養成カリキュラムにも十分役立つものである。さらに広く一般の読者が座右に置く健康の増進の入門書としても好適であろう。
 本書が読者の方々の広汎な支持を得て、わが国が現在抱えている難問の解決に頁献することを心から願うものである。
平成18年10月
編集者 杉 晴夫