書籍

キャスト法マニュアル改訂第2版

: 田中寿一/山田博/戸祭正喜
ISBN : 978-4-524-24282-5
発行年月 : 2007年5月
判型 : B5
ページ数 : 126

在庫僅少

定価3,456円(本体3,200円 + 税)

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

近年の整形外科治療法の発展に伴い、キャスト法の適応域は変化してきているが、術前の安静、合併症予防、術後の疼痛軽減、リハビリへのスムーズな早期移行など、その必要性は高い。また、キャスト素材の変化、QOLを重視した関連商品の開発など、患者優先の配慮がなされてきた。キャスト法を理解しながら、対象疾患と対応手技を豊富なイラストで解説した実際書。

1章 キャストの基礎知識
 A. ギプスとキャストの歴史
 B. キャスト固定の目的
 C. キャスト固定の種類
 D. キャスト室の設備
 E. キャスト材料
 F. ギプスおよびキャスト固定用の付属材料
 G. キャスト固定の実際
 H. 副子固定法の実際
 I. キャスト除去のための用具と方法

2章 キャスト法の実際
 1 脊椎・体幹
 2 上肢
 3 下肢

付録 生活支援グッズ

外傷、または疾患によって連続性を断たれた骨組織は、自然の力によって再び骨損傷部を修復しようとする。その場合、損傷部を固定した方が骨癒合の可能性が高く、かつ疼痛も緩和することは古代からよく知られていた。
 固定材料として、木材、竹、金属などが様々な形で用いられてきた。素材としては、1852年、オランダのMathijsenによって石膏材が開発されると、その良好な可塑性と固定性により広く用いられるようになった。
 一方、19世紀半ばに無菌手術法が開拓され、骨折の手術をはじめ整形外科疾患に対する手術法が急速に進み、とくに第二次世界大戦中からのKuntscherに始まる骨髄内固定法は、骨折治療に画期的な進歩をもたらした。さらに、AOグループによる基礎的考察を加えた骨接合法は、広く手術的治療を推進した。確かに、整復の確実性、早期に患肢を動かせ離床できるという点では、外固定ないし牽引を中心とする保存的治療よりはるかに臨床的優位に立つと思われた。
 しかし、手術的治療にも問題がないわけではない。全身あるいは局所の条件によっては手術ができない場合もあり、また、出血をはじめとする種々の合併症の危険がある。とくに感染は、たとえば非開放性骨折に手術による骨髄炎を起こした場合には、治療が著しく困難になるばかりか、医療訴訟の問題に進展することも少なくない。
 では、保存的治療の欠点は改善されないのであろうか。1933年、Caldwellは上腕骨骨折に対するhanging cast法を創始して、骨折部上下2関節固定の概念を変えた。1967年にはSarmientoによるPTBギプスの開発により、下腿骨骨折に対して膝関節を動かし、早期に患肢への荷重歩行を可能にする機能的保存療法が開発され、大きな進歩が得られた。また、長年親しまれてきたギプス材料にも新しい素材が登場してきた。
 こうした変化の中でもう一度保存療法の利点を考えること、それには正確な手技、原則の理解が必要と考えて、1989年に「ギプス法マニュアル」を上梓し、その後1997年には「キャスト法マニュアル」と書名・内容を改め、今日に至った。
 今回の改訂にあたり、現役を引退している私に代えて小児整形外科で活躍中の戸祭正喜先生に加わっていただいた。本書により、骨折の保存療法がいっそう発展することを望むものである。
2007年4月
宝塚市立病院名誉院長 桜井 修