書籍

皮膚病理組織診断学入門改訂第2版

: 斎田俊明
ISBN : 978-4-524-24233-7
発行年月 : 2009年2月
判型 : 四六倍
ページ数 : 262

在庫僅少

定価17,280円(本体16,000円 + 税)

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

皮膚病理学の基礎から理解し、適切な診断確定能力を習得できるよう構成された入門書の改訂版。皮膚構成の基本的事項から各疾患の病理組織所見、組織学的鑑別診断まで丁寧に解説。各論では大幅に疾患を追加し、150の疾患の病理組織写真および所見、組織学的鑑別診断を示した。各論の全疾患に臨床写真を提示し更なる読者の理解を促すことをめざした。オールカラー。

総論
1. 正常皮膚の組織所見
2. 皮膚病理組織学の基本的所見と用語
3. 皮膚生検の方法と染色法の選択
4. 皮膚疾患の病理組織診断

各論

Advanced Memo
用語解説
参考文献
索引

本書の初版を2000年に発刊したところ、皮膚病理組織診断学のテキストとして多くの先生方にご利用いただくことができた。皮膚病理組織学の初学者のみでなく、中堅・ベテランの皮膚科医、さらには病理医の先生方にも予想外に幅広くご使用いただき、有用なテキストであるという評価をいただいた。本書を入門書であるとともに、日々の皮膚病理組織診断にも役立つものであってほしい、という願いを込めて作成した著者としては大いに励まされることであった。
 今回、改訂第2版の作成に当たり、初版の基本的姿勢を堅持したうえで、全篇にわたって記述を綿密に吟味、改訂するとともに、以下のようにかなり大幅な改変を行なった。
1)各論の疾患の臨床所見については、初版では空き頁に数葉の写真を載せた以外は、簡単な文字記載のみとしたが、今回の改訂版では全疾患について定型的な臨床写真を掲示した。このことは、臨床皮膚科学のエッセンスともいえる臨床像と組織所見の相関の考察に大いに資するものと考える。
2)各論に取り上げる疾患数を112疾患から150疾患へと大幅に増やした。初版で取り上げた疾患についても、画像や記載を綿密に再検討し、多数の疾患について図の差し替えや記述の改訂を行なった。また初版と同様に、各論の各疾患において鑑別疾患や関連疾患をなるべく多数取り上げ、その鑑別のポイントを具体的に記述するとともに、必要に応じて鑑別疾患、関連疾患の組織写真も掲示した。
3)初版では総論「皮膚疾患の病理組織診断」の章にはシェーマと診断アルゴリズムを記載したのみであったが、今回の改訂において、この章にも実際の組織写真をなるべく多く掲載するようにした。とくに、各論で取り上げていない疾患については、この総論において実際の組織写真を掲示するように努めた。
4)上記の各論、総論のいずれにおいても、丹念に相互の参照頁を明示し、有機的に本書を活用できるように配慮した。このような拡充と工夫によって、本書は皮膚科の日常診療で遭遇するほとんど全ての疾患の病理組織診断に対応できるものになったと自負している。
5)各論の見開き項目前の空き頁を利用して、皮膚病理組織診断にかかわるトピックス的事項をいくつか取り上げ、「Advanced Memo」として記載した。
 以上が今回の改訂の骨子である。本改訂版の作成に当たっては誤謬のないよう、細心の注意を払ったが、初版の序文でも述べたように、何分にも単著であるので、思わぬ誤記があるかもしれない。そのような箇所に気づかれたらご教示くださるようお願いしたい。
 本書が皮膚病理組織診断学の要諦を身につけ、さらには皮膚病理組織診断の実務を遂行するうえで、少しでも読者の先生方のお役に立つことができれば幸いである。
2008年 晩秋
信州・松本にて 斎田俊明
(一部改変)

【本書の構成と使い方】

本書は総論、各論、用語解説の3部で構成されている。読者はまず総論部分を通読し、皮膚病理組織診断学の概要を頭に入れるようにしてほしい。
 総論では、まず正常皮膚の組織構築に関する基本的事項を記述し、次に皮膚の主要な病理組織学的所見とそれを表す用語について解説した。さらに皮膚生検の仕方を記述し、病理組織診断に有用な特殊染色と免疫組織化学的マーカーを一覧表で示した。次いで皮膚の病理組織診断の基本的考え方と具体的な診断手順を記述した。腫瘍については、まず良性腫瘍と悪性腫瘍の鑑別法を述べ、皮膚に原発する代表的な悪性腫瘍について記載した。次に煩雑な病型分類のために。診断上しばしば悩まされる良性上皮性皮膚腫瘍の診断に関し、著者らの考案したアルゴリズム的診断法を記述した。炎症性疾患の病理組識診断についてはAckermanのパターン分析の手法に準じた診断手順を記載した。各反応パターンをシェーマで示すとともに、各パターンのカテゴリーに属する代表的疾患を例示した。各論で取り上げている疾患については、その該当頁を括弧内に示した、なお、腫瘍性、炎症性疾患のいずれについても、各論で取り上げなかった疾患は、総論においてなるべく実際の組織写真を掲示するように努めた。
 各論では代表的な組織所見を呈する150疾患を取り上げた。その配列は英語あるいはラテン語病名によるアルファベット順としたので、疾患事典的に用いることが可能である。巻末の和文索引を使えば日本語病名からも容易に該当頁を見出すことができる。各論で取り上げた疾患の選択は必ずしも頻度や重要度によるものではなく、定型的組識変化を示すような代表的疾患を取り上げるようにした。
各論は原則として各疾患1頁の構成としたが、重要疾患などでは2頁にわたったものもある。各論の構成は、初めに臨床像を簡単に記述するとともに、実際の臨床写真を掲示した。次に診断確定に重要な病理組織所見を整理して、箇条書きで記載した。各頁の右側には各疾患のカラーの組織写真を、原則として弱拡大、中拡大、強拡大の順で縦に配置し、簡潔な説明文を付けた。HE染色標本の所見を原則としたが、一部の疾患については特殊染色や免疫組織化学的所見の写真も掲載した。このようにして言葉と視覚から各疾患の特徴的組織所見が明確に把握できるように配慮した。各論におけるもうひとつの大きな特徴は、各疾患において組織学的に鑑別が問題になる疾患をなるべく多数取り上げ、その鑑別の要点を具体的に記述したことである。各論に採用した疾患数は限られているが、鑑別疾患に取り上げた疾患はその数倍にも達するので、実質的には重要な皮膚疾患のほとんどすべてを本書によって診断することが可能である。なお、各論の各疾患末尾の「メモ」欄には診断確定に役立つ免疫組織化学的所見や当該疾患に関連する最近のトピックス、問題点などを記載した。
 巻末の用語解説では皮膚病理組織学に関連する用語を網羅的に取り上げ、五十音順(日本語用語)ならびにアルファベット順(英語を主体とする欧文用語)に配列して解説した。ここでは、各用語の典型的所見が認められる組織写真の掲載頁を括弧内に示したので、参照してほしい。本書の利用中に用語上の疑問が生じたら、その都度この用語解説や欧文、和文索引など利用し、意味内容を確認するようにしてほしい。
 最後に参考文献として、皮膚病理組織学の英文の教本をリストアップし、主要なものには簡単な解説を付した。本書で皮膚病理組織学の初歩を学ばれた読者が次の段階の専門書を選択する際の参考にしていただければ幸いである。