書籍

整形外科専門医テキスト

編集 : 長野昭/松下隆/戸山芳昭/安田和則/石黒直樹
ISBN : 978-4-524-24231-3
発行年月 : 2010年6月
判型 : B5
ページ数 : 1012

在庫僅少

定価25,920円(本体24,000円 + 税)

正誤表

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

日本整形外科学会認定の整形外科専門医に必須な高水準の知識と技術の全体像を、運動器疾患各分野の第一人者が分担して執筆。最新のEBMを踏まえた精確で行き届いた解説は、専門医を目指す医師の学習ガイドとして最適。また、すでに専門医として活躍中の医師の知識更新や整理、さらには専門医試験問題の作成にも有用な、整形外科の新たなスタンダードとなる一冊。

第1章 基礎科学
I.骨の基礎知識
 A.骨の構造
 B.骨の代謝
 B-1.骨の形成と吸収
 B-2.リモデリング
 C.各種病態での骨変化
II.成長軟骨の基礎知識
 A.成長軟骨の構造
 B.成長軟骨細胞の代謝
 C.内軟骨性骨化
III.関節の基礎知識
 A.軟骨の構造
 B.軟骨の代謝
 C.線維軟骨(半月板)
 D.各種病態での軟骨変化―軟骨先変性・破壊機序
 E.滑膜と滑液(関節液)
 F.椎間板の構造と代謝

第2章 外傷性疾患
I.総論
 A.骨折の修復
 B.外傷初期診療と治療戦略
 C.開放創の処置
II.外傷に伴う合併症
 A.局所合併症
 B.全身合併症
III.骨折と脱臼
 A.肩関節周辺の脱臼
 B.上腕骨近位部骨折
 C.肘周辺骨折
 D.手関節部・手指の骨折と脱臼
 E.骨盤骨折
 F.股関節部の脱臼骨折
 G.膝関節部骨折
 H.足関節部骨折
 I.骨端線損傷
 I-1.骨端線損傷総論
 I-2.骨端線損傷各論

第3章 小児整形外科疾患
I.骨・関節、筋・神経の発生と成長
 A.四肢の発生
 B.骨・軟骨の分化
 C.関節の分化
 D.筋肉の分化
 E.神経の分化
II.成長過程での単純X線学的変化
 A.胎児期のX線像
 B.満期出生時の標準的X線像
 C.成長に伴う骨端骨化核の出現と癒合時期
 D.副骨、過剰骨、その他のnormal variation像
 E.成長過程でのnormal variationと鑑別を要する病態
 F.その他、成長過程での異常形態・異常骨隆起
III.疾患各論
 A.骨系統疾患総論
 B.代表的な骨系統疾患と治療
 C.先天性結合組織疾患
 D.脊椎疾患
 D-1.頚部の先天異常
 D-2.胸椎・腰椎の先天異常
 D-3.仙骨の先天性奇形――先天性仙骨欠損
 E.斜頚
 F.上肢疾患
 G.下肢疾患

第4章 退行性・代謝性骨疾患
I.骨とカルシウム代謝
 A.カルシウム・リン調節機構
 B.骨とビタミン
 C.骨とホルモン
II.骨量測定、各種骨代謝マーカーの意義
 A.骨量測定法
 B.骨代謝マーカー
III.疾患各論
 A.骨粗鬆症
 B.くる病、骨軟化症
 C.副甲状腺・甲状腺異常
 D.成長ホルモン異常症
 E.その他の代謝性骨疾患(腎性骨異栄養症)

第5章 退行性・代謝性関節疾患
 A.変形性関節症
 B.痛風
 C.偽痛風
 D.血友病性関節症
 E.その他の関節症

第6章 整形外科的感染症
 A.軟部組織感染
 A-1.非壊死性軟部組織感染症(蜂窩織炎)
 A-2.壊死性軟部組織感染症
 B.骨髄炎
 C.関節炎
 D.人工股関節手術後の感染
 E.HIV/AIDSの対応

第7章 リウマチ性疾患とその他類縁疾患
 A.関節リウマチ
 B.悪性関節リウマチ
 C.若年性特発性関節炎
 D.血清反応陰性脊椎関節症
 E.掌蹠膿疱症骨関節炎
 F.その他のリウマチ性関節疾患

第8章 骨・軟部腫瘍、腫瘍類似疾患
I.画像診断の意義と読影の基本
 A.骨腫瘍の画像診断
 B.軟部腫瘍の画像診断
II.生検・病理組織学的検査
 A.病理組織診断
 B.遺伝子診断
 C.的確な病理診断に至るために
 D.生検
III.疾患各論
 A.骨良性腫瘍・腫瘍類似疾患
 A-1 良性腫瘍
 A-2 骨腫瘍類似疾患
 B.悪性骨腫瘍
 C.軟部良性腫瘍、腫瘍類似疾患
 C-1.脂肪系腫瘍
 C-2.神経性腫瘍
 C-3.血管系腫瘍
 C-4.線維系腫瘍
 C-5.その他
 D.軟部悪性腫瘍
 E.転移性骨腫瘍(脊椎を除く)

第9章 脊椎・脊髄疾患
I.脊髄の解剖と神経支配
 A.脊髄の概観
 B.脊髄の内部構造
 C.脊髄の伝導路
 D.脊髄神経の支配領域
II.脊椎の機能解剖
 A.上位頚椎、中位頚椎
 B.胸椎、腰椎、腰仙椎
III.脊椎・脊髄損傷
 A.上位頚椎・中下位頚椎損傷
 A-1.上位頚椎損傷
 A-2.中下位頚椎損傷
 B.胸・腰椎損傷
IV.疾患各論
 A.変形性脊椎症(頚椎・腰椎)
 B.椎間板症(腰椎・頚椎)
 C.椎間板ヘルニア
 D.脊柱靱帯骨化症
 E.頚椎症性脊髄症・神経根症
 F.脊椎分離・すべり症
 G.腰部脊柱管狭窄症(変性すべり症を含む)
 H.感染性脊椎炎
 I.炎症性脊椎炎
 J.脊椎腫瘍
 K.脊柱側弯曲症
 L.腰椎変性後弯・側弯症
 M.スポーツによる脊椎障害
 N.脊髄腫瘍
 O.脊髄血管病変
 P.脊髄空洞症、脊髄くも膜嚢腫
 Q.脊髄係留症候群
 R.脊髄ヘルニア
 S.脊髄炎

第10章 神経・筋疾患
I.総論
 A.神経の基礎
 B.神経診察法
 C.電気生理学的検査
II.神経疾患各論
 A.脳性麻痺
 B.末梢神経麻痺
 B-1.末梢神経損傷
 B-2.絞扼神経障害
 B-3.末梢性ニューロパシー
 C.運動ニューロン疾患
III.筋疾患各論
 A.先天性ミオパシー
 B.筋ジストロフィー
 C.筋炎
 D.周期性四肢麻痺
 E.悪性高熱症

第11章 循環障害・脈管疾患
I.診断
 A.診断方法
 B.検査方法
II.疾患各論
 A.末梢動脈疾患
 B.深部静脈血栓症・血栓性静脈炎
 C.Raynaud症候群

第12章 肩甲帯・肩疾患
I.機能解剖
 A.肩関節を構成する骨
 B.肩関節を構成する関節
 C.肩甲帯部の神経
 D.肩甲帯の筋肉
II.疾患各論
 A.肩関節不安定症
 A-1.外傷性脱臼
 A-2.反復性肩関節前方脱臼
 A-3.陳旧性肩関節脱臼
 A-4.いわゆる動揺肩
 B.肩峰下インピンジメント症候群
 C.腱板断裂
 D.五十肩
 E.変形性肩関節症
 F.肩のスポーツ障害
 F-1.投球障害(総論)
 F-2.投球障害(各論):よくみられる病変
 F-3.その他のスポーツ障害肩
 G.三角筋拘縮症
 H.胸郭出口症候群
 I.副・腋窩・肩甲上神経麻痺

第13章 肘関節疾患
I.機能解剖
 A.骨
 B.靱帯
 C.筋肉
II.疾患各論
 A.肘靱帯損傷
 B.上腕骨小骨頭部離断性骨軟骨炎
 C.肘内障
 D.上腕骨上顆炎
 E.変形性肘関節症

第14章 手関節・手疾患
I.腱の成分とその修復
 A.腱組織の構造
 B.腱への栄養補給路
 C.腱の修復機構
 D.腱縫合の基礎と臨床の関連
II.手と手関節の機能解剖
 A.指屈曲
 B.指屈曲腱の腱鞘システム
 C.屈筋腱の滑動域(筋収縮幅)
 D.指伸展
 E.指伸筋腱支持機構
 F.伸筋腱の滑動域
 G.内在筋
 H.支靱帯、手掌腱膜系
 I.指関節の支持機構
 J.手関節の動きと支持機構
 K.三角線維軟骨複合体と遠位橈尺関節
 L.手根中手関節
III.疾患各論
 A.腱損傷
 B.三角線維軟骨複合体損傷
 C.手根不安定症
 D.尺骨突き上げ症候群
 E.月状骨軟化症
 F.Dupuytren拘縮
 G.変形性関節症
 H.腱鞘炎

第15章 骨盤・股関節疾患
I.骨盤・股関節の機能解剖
 A.表面解剖、ランドマーク
 B.関節構成体
 C.軟部組織構成体
 D.筋肉・神経・血管
II.疾患各論
 A.変形性股関節症(RDC含む)
 B.大腿骨頭壊死症
 C.その他の股関節疾患
 C-1.大腿骨頭軟骨下脆弱性骨折
 C-2.特発性一過性大腿骨頭萎縮症
 C-3.弾発股
 C-4.滑液包炎
 C-5.股関節周囲石灰沈着症
 C-6.感染性疾患
 C-7.股関節に症状を生じうる疾患
 D.骨盤疾患
 D-1.骨盤輪不安定症
 D-2.仙腸関節炎

第16章 膝疾患
I.総論
 A.靱帯の構造・成分と修復機序
 B.膝の機能解剖とバイオメカニクス
 C.膝疾患特有の理学的検査
 D.膝のMRIおよび関節鏡学的検査
II.疾患各論
 A.発育期の膝関節障害
 A-1.小児の膝変形およびBlount病
 A-2.円板状半月
 A-3.離断性骨軟骨炎
 A-4.習慣性および反復性膝蓋骨脱臼
 B.膝のスポーツ障害
 C.膝関節の外傷
 C-1.半月板損傷、半月板嚢腫
 C-2.膝靱帯損傷
 C-3.膝蓋腱および大腿四頭筋断裂
 C-4.軟骨損傷
 D.変形性膝関節症
 E.膝の特発性骨壊死

第17章 足関節・足疾患
I.足のバイオメカニクス
II.疾患各論
 A.先天性足変形
 B.足部の骨端症
 C.後天性足変形
 D.後天性足趾変形
 E.変形性足関節症
 F.足関節と足部の外傷
 F-1.足関節靱帯損傷
 F-2.アキレス腱断裂
 F-3.腓骨筋腱脱臼
 G.足のスポーツ障害と有痛性疾患

第18章 医用材料
I.整形外科領域の生体材料
 A.無機系材料
 B.有機系材料
 C.複合材料
II.人工関節
 A.人工股関節
 B.人工膝関節
 C.その他の人工関節
III.組織工学と再生医学
 A.利用する細胞のドナー起源
 B.用いられる細胞
 C.骨再生テクノロジー(臨床応用)
 D.人工関節上での再生培養骨形成

第19章 薬の知識
 A.非ステロイド消炎鎮痛薬
 B.筋弛緩薬
 C.循環障害改善薬
 D.ステロイド
 E.成長ホルモン、性ホルモン
 F.骨粗鬆症治療薬
 G.関節リウマチの薬物治療
 H.痛風治療薬
 I.抗不安薬、睡眠薬
 J.消化性潰瘍治療薬
 K.抗悪性腫瘍薬
 L.抗菌薬
 M.漢方薬
 N.麻薬

第20章 リハビリテーション(理学療法を含む)
 A.リハビリテーションにおける病気の診断と機能の評価
 B.理学療法
 C.切断と義肢

第21章 医療倫理・安全医療、医療制度等
 A.医師の責務
 B.医療リスクマネージメント
 C.人を対象とする研究と先端医療
 D.医療制度

索引

近年、臨床各科では国民の要望に応えるべく本格的な専門医制を導入し、より高度な水準の医療を提供するように努めている。日本整形外科学会においても、高齢社会の加速、スポーツ障害や外傷等の増加といった社会的環境の変化に対応して、従来からの専門医制度を見直し、国民の目から見て安心して受診できる運動器疾患の専門医育成に全力を注いでいる。
 専門医には、整形外科領域の深い知識と高い技術水準を身につけて診療にあたることが求められるが、このような広範かつ高度な内容を包括的に学習し、あるいはそこに記載されている内容を是として専門医試験の問題を作成できるような成書がきわめて少ないのが現状である。
 本書はこうした状況を鑑み、専門医試験問題の作成にあたって参考になるようなテキストをつくることが、専門医を目指す医師の学習ガイドとして有用であり、また医療現場の第一線で活躍されている専門医が整形外科学の知識を更新するのに役立ち、ひいては整形外科教育の上でも大いに参考になると考えて企画された。
 本書は専門医前の整形外科医を主対象に、研修医・実地医家など整形外科医全般を対象とするため、内容・レベルは専門医試験の範囲に限定せず、専門医のさらなる知識向上と維持にも役立つ、基本診療科の知識・技術の高レベルなガイドブックを目指している。したがって、章構成は日本整形外科学会の専門医試験必須14分野に準拠しつつ、進展の著しい「医用材料」と「薬物療法」についての章を設けるなどして、実践に役立つ内容構成をこころがけた。
 この編集方針に基づいて、執筆を各分野の第一人者にお願いし、最新のスタンダードと先端的医療とをエビデンスの有無を明らかにした上で解説していただいた。
 結果として、執筆者総数195名、1,000頁を超える大部のテキストとなったが、本書が、運動器疾患に関して深い専門的知識と高い技術を持ち国民の目から見ても安心して治療を受けられる整形外科専門医の育成・維持に役立つことを願っている。
 本書が上梓されるまでの間、執筆者各位には多くのご無理をお願いするところとなった。日々多忙な中、本書の執筆に時間を割いていただいた執筆者の先生方のご協力に心より感謝申し上げる。
2010年4月
編集者一同