書籍

研修医必携救急で役立つ頭部CT・MRI

編集 : 細矢貴亮/佐々木真理
ISBN : 978-4-524-24116-3
発行年月 : 2006年3月
判型 : B5
ページ数 : 308

在庫あり

定価6,804円(本体6,300円 + 税)

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

脳梗塞は発症から6時間以内と以後でどのように画像が変化するのか、くも膜下出血を確実に診断するには何に注意したらよいのか、脳腫瘍を見つけたらその部位と年齢でどんな腫瘍とあたりをつけていくのかなど、救急でCTを見るときの知恵とコツとがまるで指導医がそばにいてくれるかのようにわかる一冊。

第I章 読影の前に
 1.読影の流れ―目立つ所見に飛びついてはいけない!
 2.画像の種類と基本的断面
  A.頭部CT、MRIの基準線
  B.画像の種類:CT
  C.画像の種類:MRI
  D.基本的断面

第II章 脳卒中
 1.脳梗塞
  A.発症当日
  B.CT、MRIにおける経時的変化
  C.無症候性脳梗塞
 2.脳出血
 3.クモ膜下出血
 4.その他
  A.もやもや病
  B.脳血管奇形
  C.内頸動脈海綿静脈洞瘻
  D.脳動脈解離
  E.静脈洞血栓症

第III章 外傷
 1.頭蓋骨骨折
 2.頭蓋内脳実質外病変
 3.脳実質内病変
 4.脳ヘルニア

第IV章 小児
 1.外傷
 2.脳血管障害
 3.周産期脳障害
 4.その他

第V章 脳腫瘤性病変
 1.脳腫瘍
 2.腫瘍以外の脳腫瘤

第VI章 CTではわかりにくい疾患
 1.MRIでの診断を急ぐ疾患
  A.感染症および感染後脳症
  B.脱髄性疾患
  C.脳症
  D.代謝性疾患
  E.中毒性疾患
  F.プリオン病
 2.MRIを追加すべき疾患
  A.神経皮膚症候群
  B.先天奇形
 3. MRIでスクリーニングすべき疾患
  A.微小下垂体腺腫
  B.Tolosa-Hunt症候群
  C.聴神経腫瘍(前庭神経鞘腫)
  D.転移性脳腫瘍

第VII章 異常と誤りやすい正常所見
 1.部分容積効果
 2.正常変異
 3.CTのアーチファクト
 4.MRIのアーチファクト

第VIII章 安全な検査のために
 1.造影剤の副作用と対策
 2.X線被曝
 3.MRIの安全管理

第IX章 最新のCT・MRIの動向
 1.CTの動向
 2.MRIの動向

付表1 脳腫瘍のWHO分類と好発年齢
付表2 脳腫瘍の画像所見

本書は、2004年4月のとある学会での、何気ない会話から生まれることとなった。ちょうど、臨床研修の必修化と国立大学の独立法人化が始まった時期でもあった。「何か良い医学書の企画はありませんか?」「脳しかわからない私に聞いても無駄だよ。専門家相手に書いたって、母数が少ないんだから部数が出るはずないじゃない」「だったら、どんな本が良いでしょう?」「母数が多い、研修医とか学生を対象とした本じゃないの」「じゃあ、先生企画してくださいよ」「無理、無理」。そこに、共編者の佐々木が通りかかった。「彼なら、忙しいけれど、良い本を書けるよ!」私(細矢)と南江堂との会話である。
 それから1週間後、佐々木から1通のメールが届くことになる。研修医を対象とした頭部CTの本の企画書である。ことの成り行きから、佐々木とともに私も編集を引き受けることになった。最初のコンセプトは、(1)脳CTを読影するときにこれだけは知っておいてほしい基本的な内容に絞る、(2)脳の救急疾患とよくみる疾患に絞ってわかりやすく提供する、(3)臨床に役立てる本とする、であった。マーケティング調査の結果、救急でもMRIの要望が強いことがわかり、CTに加えてMRIの記載を充実させることになった。タイトル「研修医必携救急で役立つ頭部CT・MRI」が、最終的に本書の編集方針として採用されることとなった。
 本書は頭部救急疾患を意識して構成されている。第I章の「読影の前に」に続き、第II〜IV章には「脳卒中」、「外傷」、「小児」を配した。救急で重要な臨床判断を迫られる病態ばかりである。実際の現場で役立つ内容と思う。第V章の「脳腫瘤性病変」に関しては、CTとMRIの読影法を主体に記載していただいた。できるだけ数多くの疾患を呈示するため、必要な各論的事項は図譜とともに簡潔に記載するにとどめた。第VI章には、「CTではわかりにくい疾患」としてMRIが役立つ疾患を取りまとめた。一部、救急とは関係しない疾患も含まれている。第VII章には「異常と誤りやすい正常所見」をまとめて、読影時における注意を喚起した。第VIII章は「安全な検査のために」心得ておくべき事項であり、第IX章では「最新のCT・MRIの動向」を簡潔に記載した。通読していただければ、頭部画像診断に必要な基礎知識はもとより主な脳疾患の最新知識を身につけられるはずである。
 執筆者は、共編者の佐々木をはじめとして当代のエキスパートばかりである。人選と原稿依頼は佐々木が担当した。私の担当は初学者にもわかりやすいように全体の整合性をとることであった。原稿に多少の修正を加えさせていただいたことをお断りしておきたい。本書が上梓できる運びになったことは編者としてこの上ない喜びである。素晴らしい原稿を執筆された先生方に、心より御礼申し上げる。本書が緊急の現場で研修医にとどまらず、臨床実習生や若い放射線科医、診療放射線技師の必読書になることを願ってやまない。
2006年2月
細矢 貴亮
佐々木真理
(一部改変)