書籍

変形性股関節症テキスト

疾患理解と治療法

: 安藤謙一
ISBN : 978-4-524-23995-5
発行年月 : 2010年8月
判型 : B5
ページ数 : 102

在庫あり

定価2,484円(本体2,300円 + 税)

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

運動器の生活習慣病といわれる変形性股関節症は高齢化に伴い増加傾向にあり、治療法や日常生活に不安を持つ患者は多い。本書は、患者自身が本症の病態・病因、治療法を理解することと、患者に関わるコメディカルスタッフが治療や患者指導に役立つことを目的としている。変形性股関節症に関する最新の医学的知識や情報を多くの人たちにわかりやすく伝えるやさしいテキスト。

I.変形性股関節症とは
1.一口で言うと
2.股関節の解剖と運動
3.股関節症の発生

II.股関節症の原因と分類
1.股関節症の原因
2.股関節症の進行
3.股関節に対する負荷
4.股関節症の分類
5.骨頭変形と大転子高位
6.臨床成績の評価

III.股関節症の症状と診断
1.股関節症の症状
2.疼痛の発現と推移
3.中殿筋の影響
4.X線評価

IV.保存療法
1.薬物療法
2.負荷の軽減
3.機能訓練
4.保存療法の限界

V.骨切り術
1.手術適応
2.術前検査
3.Chiari(キアリ)骨盤骨切り術
4.寛骨臼回転骨切り術
5.外反骨切り術
6.手術法の選択
7.手術による改善度
8.後療法

VI.関節固定術
1.手術適応と長所・短所
2.関節外固定
3.関節内固定
4.後療法

VII.人工股関節置換術
1.手術適応
2.前側方進入と後方進入
3.カップ・ステムの素材
4.セメント非使用人工股関節置換術
5.セメント使用人工股関節置換術
6.MIS人工股関節置換術
7.カップ設置と骨移植の有無
8.高位脱臼例に対する人工股関節置換術
9.術後脱臼と神経麻痺
10.術後感染
11.術後大腿骨骨折
12.後療法

VIII.再置換術
1.人工股関節のゆるみ
2.ゆるみの診断
3.磨耗と骨融解
4.磨耗を減らすために
5.臼蓋欠損と大腿骨欠損の分類
6.同種骨の出現
7.臼蓋側再建の原則
8.サポートリングの種類と変遷
9.大腿骨側再建の原則
10.ロングステムによる再置換
11.Bone plateを併用したステム再置換
12.後療法

IX.生活指導
1.日常生活
2.股関節症とスポーツ
3.股関節症と妊娠

X.不安に応えて(患者さんの側からみて)
1.整形外科外来受診
2.手術の決断
3.術後の生活

索引

一般の整形外科外来を受診される患者さんの主な訴えは、腰痛が約60%を占め、次いで膝関節痛が多く、股関節痛は5〜6%程度で決して多くはありません。しかし、股関節を主訴とされる患者さんは臼蓋形成不全などの何らかの原因疾患が内在していることが多く、受診後も注意深く経過観察することが必要で手術適応となることも少なくありません。股関節疾患には外傷を除くと変形性股関節症、リウマチ性股関節症、大腿骨頭壊死などさまざまなものがありますが、その中で最も多数を占めるのは変形性股関節症です。変形性股関節症は人工股関節置換術の普及に伴い、マスコミでも盛んに取り上げられるようになり、医療従事者以外の一般の方々にも認知されるようになってきました。しかし、股関節を専門としている整形外科医以外の方には、変形性股関節症の概要は理解できても、その手術適応や手術方法などまで熟知するのは困難と思われます。
 本書の目的は、整形外科医、看護師、理学療法士などの運動器疾患の診療チームを構成する方々に、変形性股関節症の成因、症状、診断、治療、予防などについて十分理解していただき、その習得された知識に基づいて、適切な療育指導を行っていただくことにあります。また、股関節痛のある患者さんにもぜひ一読いただきたいと思います。一般の方も読めるようにできるだけ平易な言葉で書きましたが、手術の項目では専門用語が飛び交うため多少理解しづらい部分もあるかもしれません。しかし、大筋はつかめると思いますので、医学的知識に対する欲求が強くなっている患者さんにも満足していただけるものと自負しております。
 本書には、股関節外科医として30年の経験から私が感じたこと、得たことなどを書きました。股関節外科医の間でコンセンサスが得られている内容をできる限り盛り込みましたが、一部独善的な部分もあるかと思われます。特に、手術の項目のうち地域骨銀行を利用した同種骨移植については、地域骨銀行が愛知県だけに偏在していることから、あまり一般的な治療法ではないにもかかわらず、優れた成績が得られたこともあり、あえて書かせていただきました。また、本書の図については一般の方がみてもわかりやすいように、X線写真を掲載することは控え、私自身が手書きで書いた図をイラストレーターに清書していただき掲載しました。
 以上のように、本書は私自身がひとりで考えて書いたものであり、まだまだ拙い部分もあると思いますが、ぜひご一読をお願いし、ご批評をたまわりたく存じます。
2010年7月
安藤謙一