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根拠がわかるナースのための透析ケアQ&A

編集 : 富野康日己
ISBN : 978-4-524-23934-4
発行年月 : 2004年6月
判型 : B6
ページ数 : 266

在庫あり

定価2,376円(本体2,200円 + 税)

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

増え続ける透析患者。透析ナースの役割と責任はますます大きくなっている。でも透析室は機械ばかり。「回路はどうなっているの? 透析のしくみがよくわからなくて不安!」そんなナースにおすすめの一冊。透析のしくみからトラブル・合併症の対策、検査・食事・くすり・日常生活の指導・社会保障の活用まで、具体的な対処策をわかりやすく解説。

●序論
1.腎臓のつくりとはたらき
2.腎不全とは

1.透析とは
Q1.腎機能代替療法とは何のことですか?
Q2.日本の透析事情はどうなっているのですか?
Q3.血液透析とは何ですか?
Q4.透析でどんな物質が除去できるのですか?
Q5.透析室に入っても機械ばかりでよくわかりません.透析回路のしくみはどうなっているのですか?
Q6.透析室には看護師以外にどんな職種の人がいますか?それぞれの役割は何ですか?
Q7.血液ポンプの役割は何ですか?
Q8.透析膜とはどんな膜ですか?
Q9.浸透圧とはどういうことですか?
Q10.ダイアライザーとは何ですか?どういう構造をしているのですか?
Q11.透析液とはどんなものですか?
Q12.ブラッドアクセスとは何ですか?

2.透析のしくみ
Q13.逆浸透とはどういうことですか?
Q14.短時間透析とはどういうことですか?
Q15.シングルニードル法とはどういう方法ですか?
Q16.除水の陰圧制御、陽圧制御とはどういうことですか?
Q17.代表的なダイアライザーにはどんなものがありますか?
Q18.ダイアライザーの面積や血流量はどうやって決めるのですか?
Q19.ハイパフォーマンス膜とは何ですか?
Q20.膜の補体活性化作用とはどういうことですか?
Q21.生体適合性とはどういうことですか?
Q22.透析液供給装置とはどういうものですか?
Q23.多人数用と個人用の透析液供給装置があるのですか?
Q24.透析液脱気装置とはどういうものですか?
Q25.透析液と血液の向流、並流とはどういうことですか?
Q26.透析液のエンドトキシン対策とはどういうことですか?
Q27.ドリップチャンバーの役割は何ですか?どういう構造をしていますか?
Q28.コンソール(監視・制御装置)とはどういうものですか?
Q29.気泡検知器とはどういうものですか?
Q30.漏血検知器とはどういうものですか?
Q31.除水コントローラーとはどういうものですか?
Q32.ヘパリン注入ポンプ、ヘパリン注入ラインとはどういうものですか?
Q33.透析装置の周辺機器には、その他にどんなものがありますか?

3.血液透析の実際:ベーシック編
Q34.透析室での看護師の役割とはどういうものですか?
Q35.透析導入時の患者さんの観察ポイント、ヘルスアセスメントのポイントは何ですか?
Q36.透析開始にあたって、患者さんにはどのように説明したらいいのですか?
Q37.透析開始前に準備しておくべきものは何ですか?
Q38.準備はどういう手順で行ったらいいですか?
Q39.透析用血管内留置カテーテルはどうして必要なのですか?
Q40.透析用血管内留置カテーテルはどう管理したらいいのですか?
Q41.透析モードの選択とはどういうことですか?選択の基準は何ですか?
Q42.抗凝固薬の役割は何ですか?
Q43.抗凝固薬とはヘパリンのことですか?どんな種類がありますか?
Q44.抗凝固薬は、いつ、どのように使いますか?
Q45.血液検査のための採血は、いつ、どのように行うのですか?
Q46.透析液の濃度はどうやって決めるのですか?
Q47.適切な透析液の流量とはどのくらいをいうのですか?
Q48.透析液を作る水はどのように処理するのですか?
Q49.適切な血流量とはどのくらいをいうのですか?どうやって決めるのですか?
Q50.透析時間はどうやって決めるのですか?
Q51.除水は、いつ、どのようにして行うのですか?
Q52.除水量はどうやって決めるのですか?
Q53.CTRとは何ですか?
Q54.ドライウエイトとは何ですか?どうやって決めるのですか?
Q55.ブラッドアクセスにはいろんな方法があるのですか?新しい試みもあるとききましたが?
Q56.シャント作製上の注意事項はありますか?
Q57.穿刺する針の方向はどのようにして決めるのですか?
Q58.透析中の管理で大切な点は何ですか?
Q59.透析中の血圧など、バイタルサインの測定頻度はどのくらいがいいですか?
Q60.透析液中のチェックはどうやって行ったらいいですか?
Q61.回収と止血など血液透析の終了はどういう手順で行うのですか?
Q62.医師が止血する場合と看護師が止血する場合とでは何か違いがあるのですか?
Q63.透析を終了するときに確認すべきことは何ですか?
Q64.透析に使用した資材はどのように処理するのですか?

4.血液透析の実際:アドバンス編
Q65.透析の際の感染対策の基本は何ですか?
Q66.ダイアライザーの選択基準はありますか?
Q67.透析効率を上げるとはどういうことですか?どうすれば透析効率が上がるのですか?
Q68.特殊血液浄化とは何ですか?どういうときに行うのですか?
Q69.血液ポンプの精度の調整はどうやって行うのですか?
Q70.理想のドライウエイトを満たす条件とはどういうことですか?
Q71.どのようなときにドライウエイトをふやしたり減らしたりするのですか?
Q72.透析困難症、リフィリング不全とは何ですか?
Q73.至適透析のための目標値とはどういうことですか?
Q74.Kt/Vとは何ですか?また、QBやmax UFRというのは何ですか?
Q75.穿刺に失敗しないコツはありますか?
Q76.シャント不全を発見するにはどんな方法がありますか?
Q77.高ナトリウム透析とは何ですか?
Q78.酢酸透析液と重曹透析液があるとはどういうことですか?
Q79.ハイパフォーマンス膜の使用上の注意点にはどんなことがありますか?
Q80.低温透析と何ですか?
Q81.輸血が必要な場合、どのようなことに注意したらいいですか?
Q82.シャントのところに針を刺されるとき、とても痛がる患者さんをみかけますが、どうすればいいですか?
Q83.シャント寿命とはどういうことですか?シャントをながもちさせる方法はありますか?
Q84.シャントの音が変わってきたときはどうすればいいですか?“スリル”とは何のことですか?
Q85.分子量を知っておくべき物質にはどんなものがありますか?

5.こういう患者にはこう対処しよう
Q86.透析に対し不安の強い患者さんにはどう対処すればいいですか?
Q87.透析前に体重がふえている患者さんがいますが、大丈夫ですか?サウナで減量するという患者さんもいますが、よいのでしょうか?
Q88.糖尿病腎症による透析導入の患者さんでは、どんな点に注意が必要ですか?
Q89.足切断をした患者さんには、どういう配慮や注意が必要ですか?
Q90.目の見えない患者さんには、どういう配慮や注意が必要ですか?
Q91.B型肝炎(HBV抗原陽性)の患者さんにはどう接したらいいですか?
Q92.C型肝炎(HCV抗体陽性)の患者さんにはどう接したらいいですか?
Q93.結核患者さんにはどう接したらいいですか?
Q94.MRSA患者さんにはどう接したらいいですか?
Q95.疥癬の患者さんにはどう接したらいいですか?

6.トラブル発生!
Q96.透析中によくみられる症状・トラブルにはどんなものがありますか?
Q97.透析装置がどんな状態になったらCE(臨床工学技士)に連絡すべきですか?
Q98.針刺し事故をおこしてしまったときは、どうすればいいですか?
Q99.針刺し事故を防止するにはどうすればいいですか?
Q100.針刺し事故のほかに、どんなときに患者さんの血液に被曝する危険がありますか?
Q101.空気が体内にまで入ってしまうのはどういう場合ですか?
Q102.空気塞栓がおきてしまったときはどう処置すればいいですか?
Q103.血圧上昇がおきたらどうすればいいですか?
Q104.血圧低下がおきたらどうすればいいですか?
Q105.こむら返り、ひきつれがおきたらどうすればいいですか?
Q106.頭痛が生じたらどうすればいいですか?
Q107.ショック状態をきたしたら、どうすればいいですか?
Q108.胸痛を訴えたらどうすればいいですか?
Q109.呼吸困難を訴えたらどうすればいいですか?
Q110.不整脈がみられたらどうすればいいですか?
Q111.悪心や嘔吐を生じた場合はどうすればいいですか?
Q112.発熱や悪寒はどういうときにおこるのですか? どう対応したらいいですか?
Q113.パイロジェンとは何ですか?
Q114.腰痛を訴えたら,どうすればいいですか?
Q115.かゆみを訴えたらどうすればいいですか?どうしてかゆみを訴えるのですか?
Q116.めまいを訴えたらどうすればいいですか?
Q117.四肢のしびれや痛みを訴えたらどうすればいいですか?
Q118.耳鳴を訴えたらどうすればいいですか?
Q119.不眠を訴えたらどうすればいいですか?
Q120.シャント不全の主な原因にはどんなものがありますか?その対策にはどんな方法がありますか?
Q121.静脈穿刺針が透析中に抜けてしまったらどうすればいいですか?
Q122.透析中、患者さんが便意を訴えた場合はどうすればいいですか?
Q123.透析液の濃度異常が生じた場合はどう対処すればいいですか?
Q124.透析液の温度異常が生じた場合はどう対処すればいいですか?
Q125.除水誤差を発見した場合はどうすればいいですか?
Q126.地震、火災、停電になったらどうすればいいですか?

7.合併症とその対策
Q127.透析で生じやすい合併症にはどんなものがありますか?
Q128.虚血性心疾患の原因は何ですか?どういう治療法がありますか?
Q128.透析を受けていると腎臓や胃、腸に癌ができやすくなるのですか?
Q130.腎性骨異栄養症とは何ですか?どうしておこるのですか?どういう治療法がありますか?
Q131.高リン血症とは何ですか?どうしておこるのですか?
Q132.高カリウム血症とは何ですか?どうしておこるのですか?
Q133.iPTHの値と副甲状腺機能とは関係ある、というのはどういうことですか?
Q134.副甲状腺摘出術の適応とは具体的にどういうことですか?
Q135.透析の終了近くに腹痛がみられる患者さんがいます.どうしてですか?
Q136.なぜ高血圧がおこるのですか?どういう治療を行いますか?
Q137.なぜ貧血がおこるのですか?どういう治療をしますか?治療目標値はどのくらいですか?“エポ”とは何のことですか?
Q138.どうして動脈硬化がおこるのですか?判定のしかたと対策はどういうものですか?
Q139.虚血性腸炎の原因は何ですか?どういう治療法がありますか?
Q140.透析アミロイドーシスとは何ですか?どのように診断・治療するのですか?
Q141.ASOとは何ですか?どのように治療・看護するのですか?
Q142.足潰瘍を予防するための方策にはどんなものがありますか?
Q143.低温やけどを予防するにはどうしたらいいですか?
Q144.フットケアで注意することは何ですか?
Q145.眼底出血や硝子体出血を防止するにはどうしたらいいですか?
Q146.神経障害や精神症状の対策にはどんな方法がありますか?

8.検査
Q147.透析導入時にはどんな検査が必要ですか?
Q148.腎機能以外の定期検査は必要ですか?
Q149.透析患者さんの検査データはそれぞれどう解釈したらいいですか?
Q150.糖尿病の血糖コントロールを知るために有用な検査は何ですか?
Q151.心血管障害の検査にはどんなものがありますか?
Q152.心血管障害の心電図所見とはどういうものですか?
Q153.心血管障害の心エコー所見とはどんなものですか?
Q154.副甲状腺機能の検査にはどんなものがありますか?
Q155.副甲状腺機能のエコー所見とはどんなものですか?
Q156.腎性骨異栄養症の検査にはどんなものがありますか?

9.食事
Q157.透析導入期の食事内容はどんなものがいいですか?
Q158.安定期〜維持期の患者さんの食事内容はどんなものがいいですか?
Q159.塩分・水分、カリウム、リン摂取のコントロールはなぜ大切なのですか?
Q160.栄養評価はどうやって行うのですか?
Q161.市販されている透析患者用食品にはどんなものがありますか?
Q162.高脂血症を合併している患者さんはどんな食事内容にしたらいいですか?

10.くすり
Q163.透析患者さんの薬物代謝の特徴は何ですか?
Q164.透析患者さんで注意が必要な薬剤は?禁忌薬剤はありますか?
Q165.糖尿病患者さんでは、薬の使い方でとくに気をつけることは何ですか?
Q166.腎性骨異栄養症治療薬はどう使いますか?注意点は何ですか?
Q167.低カルシウム血症治療薬や高リン血症治療薬はどう使いますか?注意点は何ですか?
Q168.透析アミロイドーシスによる手根管症候群の治療薬にはどんなものがありますか?どう使いますか? 注意点は何ですか?
Q169.貧血治療薬はどう使いますか?注意点は何ですか?
Q170.胃炎治療薬はどう使いますか?注意点は何ですか?
Q171.胃・十二指腸潰瘍の治療薬はどう使いますか?注意点は何ですか?
Q172.下剤はどう使いますか?注意点は何ですか?
Q173.降圧薬はどう使いますか?注意点は何ですか?
Q174.昇圧薬はどう使いますか?注意点は何ですか?
Q175.非ステロイド性抗炎症薬はどう使いますか?注意点は何ですか?
Q176.高カリウム血症治療薬はどう使いますか?注意点は何ですか?
Q177.抗菌薬はどう使いますか?注意点は何ですか?
Q178.抗結核薬はどう使いますか?注意点は何ですか?
Q179.抗ウイルス薬はどう使いますか?注意点は何ですか?
Q180.強心薬はどう使いますか?注意点は何ですか?
Q181.抗不整脈薬はどう使いますか?注意点は何ですか?
Q182.睡眠導入薬はどう使いますか?注意点は何ですか?
Q183.かゆみに対してはどういう薬物療法をしますか?注意点は何ですか?

11.日常生活を指導する
Q184.外来通院している透析患者さんの日常生活指導のポイントは何ですか?
Q185.長期入院中の透析患者さんの日常生活指導のポイントは何ですか?
Q186.シャント管理の指導のポイントは何ですか?
Q187.血圧管理についての指導のポイントは何ですか?
Q188.体温管理についての指導のポイントは何ですか?
Q189.体重管理についての指導のポイントは何ですか?
Q190.運動指導のポイントは何ですか?
Q191.睡眠(不眠対策)についてはどう指導したらいいですか?
Q192.便秘対策はどうしたらいいですか?
Q193.性生活についてはどう指導したらいいですか?
Q194.妊娠・出産についてはどう指導したらいいですか?
Q195.旅行を希望する患者さんに対してはどう指導したらいいですか?

12.社会保障を活用してもらう
Q196.医療費軽減のための具体的方法にはどういうものがありますか?
Q197.障害者手帳の申請はどうしたらいいですか?
Q198.腎機能障害認定基準とは何ですか?
Q199.所得保障のための方法にはどういうものがありますか?
Q200.利用できる社会資源にはどんなものがありますか?

現在、末期腎不全から慢性維持透析を受けている患者さんは、23万人を超えたと報じられています。透析患者さんの増加の主な原因として、糖尿病腎症・慢性糸球体腎炎・腎硬化症(高血圧性腎障書)の患者さんの増加と、患者さんの高齢化があげられています。
 透析患者さんの約95%は、血液透析を受けています。透析療法の基本は優れたチーム医療を行うことです。そのため血液透析を行う透析室(人工腎臓室)では、医師や看護師、臨床工学技士、看護助手などの医療スタッフが働いています、
 看護師は、チームリーダーである医師のもとで、透析患者さんの看護にあたりますが、穿刺や抜針、透析機器の簡単な管理を行うなど、広い範囲の仕事を受けもっています。
 欧米や台湾などでは専門性の高い透析ナースの育成と資格制度が定着し、多くの透析ナースが活躍しています、最近日本でも、透析ナースの教育・強化の必要性が叫ばれ、日本腎臓学会、透析医学会、腎不全看護学会による透析療法指導看護師認定制度が導入され、第1回目の認定看護師が今年誕生しました。今後、この制度が充実し確立していくことを期待しています。
 透析療法に関する特長のある解説書や実践書ほ数多く発行されています。最近では、血液透析担当ナースのための簡明な実践書もみられます。そうしたなかで今回あえて本書を上梓した意図は、初歩的知識から、透析療法指導看護師の資格取得をめざした高度なレベルまでの設問を設定し、それらをわかりやすく解説することで、ナース全体の質を高め、いっそう優れた透析ナースになっていただくことにあります。
 さらに、本書では、「透析のしくみ」から「社会保障の活用」まで透析療法に関するほぼ全領域から200問のQを細かく設定しましたので、知りたいポイントがすぐにわかるしくみになっています。また、コンパクトでどこにでも持ち歩くことができ、知りたいときに、ベッドサイドでもさっと活用できることも本書の大きな特徴の1つです。
 各設問については、透析医療の第一線で働く透析専門医と臨床工学技師にわかりやすく解答・解説していただきました。そのため1問1問読み進めるうちに透析に対する理解がさらに深まり、それを日ごろの透析看護に生かしていただけるものと思います。
 しかし、なかには解説がものたりない項目もあるかもしれません。読者の皆さんの忌憚のないご意見をお待ちしています。
2004年 初夏
神田川のほとりにて
富野 康日己