書籍

根拠がわかるナース・薬剤師のための医薬品Q & A

編集 : 五味田裕/荒木博陽
ISBN : 978-4-524-23599-5
発行年月 : 2003年6月
判型 : B6
ページ数 : 256

在庫あり

定価2,376円(本体2,200円 + 税)

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

「飲み忘れたらどうするの?」「坐剤はなぜ早く効くの?」など、医薬品に関するさまざまな疑問に薬剤師がわかりやすく答える、ナース必読の一冊。保管方法、安定性、有効期限、配合禁忌、飲み合わせ、高齢者や小児、妊婦・授乳婦への留意点、薬効別のポイント、投与ルート…等々、日常の医薬品取扱いに関する根拠を平易に解説。2色刷。

カラー口絵
 ●包装が似ている内・外用薬
 ●外観が似ている注射薬

第1章 医薬品の基本 篇
基本用語
 1.ゾロ(ジェネリック)の医薬品って何?
 2.血中濃度って何?
 3.禁忌とはどういうこと?
 4.賦形剤って何?
保管・管理
 5.冷所保存、室温保存とは何度で保存すればいいの?
 6.保管方法に指定がない薬剤は有効期限が過ぎていなければ使っていい?
 7.凍らせてしまった冷所保存薬剤は使用しない方がいいの?
 8.冷所保存薬剤を常温放置していたけど大丈夫?
 9.同じ薬なのに剤形によって保存方法が違うのはなぜ?
 10.劇薬と普通薬は分けて管理しないとだめなの?
 11.毒薬はどう管理すればいいの?
 12.毒薬である筋弛緩薬の管理はどこまでやるの?
 13.麻薬の保管・管理方法について知っておかなくてはいけないことは何?
 14.麻薬と向精神薬は同じような保管・管理が必要なの?
 15.麻薬は、使ったアンプルやテープまで回収しなければいけないのはなぜ?
安定性
 16.光に不安定な薬剤を窓ぎわで点滴して大丈夫?
 17.遮光されたアンプルを取り出してから時間がたっても使えるの?
 18.輸液に溶かしてたら安定性が悪い薬剤ってどういうこと?
 19.凍ってしまった室温保存の薬剤は使えるの?
調剤:粉薬
 20.粉薬は薬の成分量は少ないのにボリュームがあるのはなぜ?
 21.それぞれの薬に賦形剤が入っていると、薬より賦形剤が多くなってしまう.何とかならないの?
 22.粉薬の区別で薬剤師はどんな工夫をしているの?
調剤:注射薬
 23.冷蔵庫で結晶ができた注射薬を室温で元に戻して使用してもいいの?
 24.溶解液に制限がある注射薬は何?
 25.何種類もの注射薬を混ぜるときの留意点は?
 26.注射薬の配合変化(配合禁忌)になる組み合わせにはどんなものがある?
栄養
 27.高カロリー輸液を使っている患者にビタミンB1が不足するのはなぜ?
 28.経腸栄養剤の調製方法の注意点は?
 29.経腸栄養剤の投与方法の注意点は?
内服薬
 30.食前、食間、食後っていつのこと?
 31.服薬時刻ってどんなふうに決まるの?
 32.食後すぐ飲まなければいけない薬って何?
 33.食事をとらないと胃が荒れるような薬では、どのくらい食べればいいの?
 34.等間隔で飲む必要のある薬にはどういうものがあるの?
 35.粉薬を小児に飲ませる工夫は?
 36.水以外で飲むと問題がある薬剤は?
 37.錠剤やカプセル剤をかんではいけないのはなぜ?
 38.脂っこい食事をとった後とあっさりした食事をとった後では薬の効果に違いはあるの?
 39.薬を飲み忘れたときにはどうすればいいの?
 40.薬を飲んだ後に吐いたときはどうすればいいの?
 41.薬を飲んでベッドにすぐ横になってもいいの?
注射薬
 42.夜中に目が覚めたとき薬を追加して飲んでいいの?
 43.薬を混ぜてから点滴を開始するまでの時間はどのくらいまで大丈夫?
 44.少量使った残りのバイアルは再度使用してもいいの?
 45.ワンショットで入れたらいけない薬にはどのような薬があるの?
 46.注射薬で投与ルートをまちがうと大変なことになるのはどういう薬?
 47.注射薬が血管外に漏れたときはどうするの?
 48.注射速度や点滴速度は薬によって変える必要があるの?
 49.点滴時間はどうやって決まるの?
 50.点滴中に薬を飲んでもかまわないの?
外用剤
 51.薄く塗らないといけない薬、厚く塗ってもよい薬というのはあるの?
 52.顔に塗ってはいけない薬はあるの?
 53.塗り方に注意が必要な外用剤はどのような薬?
 54.「1日数回塗る」って1日何回塗るの?
 55.外用剤も有効期限は厳密に守らないといけないの?
 56.副作用との関係で長期に塗ってはいけない薬は何?
 57.硝酸薬の貼付剤がはがれたらどうしたらいいの?
 58.硝酸薬の貼付剤はどこに貼ればいいの?
 59.坐剤に即効性があるのはなぜ?
 60.痔疾用薬はどう使えばいいの?
 61.小児用に坐剤を半個使う場合の使用方法は?
 62.点眼薬のさし方で注意することは何?
 63.点眼薬開封後の使用期限はどのくらい?
 64.コンタクトレンズ使用時の点眼薬の使い方は?
 65.数種類の点眼薬をさす順序と間の開け方は?
生理的変化
 66.アナフィラキシーショックとはどういう症状? その対処法は?
 67.薬に対してアレルギーがある場合、どうするの?
 68.薬の効き方に個人差がある薬とはどういうこと?
 69.服薬後の尿や便の色が変わるのはなぜ?
 70.一生飲まなくてはいけない薬にはどういうものがある?
 71.薬は長く飲み続けても大丈夫?
妊婦・授乳婦
 72.妊婦が気をつけなければいけないことは何?
 73.妊婦が飲んでも大丈夫な薬はあるの?
 74.授乳中の患者で注意すべき薬は何?
 75.喘息とNSAIDs服用の関係で注意しなければならないことは何?
 76.健康食品は他の薬といっしょに飲んでも大丈夫?
 77.薬といっしょに食べたり飲んだりできない食品があるけど、その理由は?
 78.食物アレルギーの人が飲んではいけない薬とは?
 79.薬が効かない場合の追加のしかたは?

第2章 薬効別Q&A 篇
睡眠薬
 80.不眠のタイプによって睡眠薬はどう使い分けるの?
 81.睡眠薬の種類と、その使い方の違いは?
 82.睡眠薬を使用するときの留意点は?
 83.睡眠薬の副作用で「ふらつき」が起こるのはなぜ?
 84.睡眠薬を長く飲んでも‘くせ’になることはないの?
 85.高齢者に睡眠薬を使うときの注意点は何?
 86.高齢者にはどういう睡眠薬を用いたらいいの?
 87.睡眠薬を高齢者に使用するときの用量はどうしたらいいの?
 88.睡眠薬とアルコールは併用してはいけないのはなぜ?
 89.睡眠薬を飲んだがなかなか眠れない.あるいは、途中で目が覚めたとき、追加して飲んでもいいの?
 90.睡眠薬で幻覚、妄想が起こることがあるの?
 91.妊婦・授乳婦の睡眠薬服用で注意すべき点は何?
 92.睡眠薬の服用をやめるためにはどうしたらいいの?
解熱・鎮痛・消炎薬
 93.解熱鎮痛薬は解熱目的と鎮痛目的で処方が違うの?
 94.喘息患者に解熱鎮痛薬を使うときに注意する点は何?
 95.解熱鎮痛薬で胃腸障害が起こりやすいのはなぜ?
 96.水痘やインフルエンザの小児患者に解熱鎮痛薬を使用するときの注意点は?
 97.てんかん患者がかぜ薬を飲んでもいいの?
 98.頓服での解熱鎮痛薬は間隔をどのくらいあける必要があるの?
 99.妊娠中にかぜ薬は飲んでいいの?
 100.妊婦が解熱鎮痛薬を服用するときの注意は何?
 101.ニューキノロン系抗菌薬と解熱鎮痛薬は併用してはダメ?
インスリン製剤
 102.インスリン注射薬にいろいろな種類があるのはなぜ?
 103.インスリンのペン型注射器の使い方はメーカーによって異なるの?
 104.インスリン1 mL中の単位数はどれだけ?
 105.インスリンを注射する部位はどこがいいの?
 106.インスリン製剤の注入時の留意点は何?
 107.濁っているインスリン注射薬では何に注意するの?
 108.インスリン製剤の中で静脈内注射できるものはどれ?
 109.インスリンを注射する時刻は薬によって異なるの?
 110.インスリン注射薬の保存はどうすればいいの?
 111.インスリンを注射してしばらくして気分が悪くなったらどう対応すればいい?
 112.シックデイの患者にはどう対応すればいい?
 113.糖尿病患者が食事をとれない場合にはインスリンを注射しなくていい?
麻薬製剤
 114.麻薬製剤にはどんな種類があるの?
 115.モルヒネ製剤の作用時間は剤形によってどう違うの?
 116.モルヒネ製剤は、投与量が徐々にふえることがあるのはなぜ?
 117.モルヒネによる副作用に対する対応はどうすればいいの?
 118.モルヒネと解熱鎮痛薬が併用されるのはどんなとき?
 119.モルヒネの空アンプルを捨ててはいけないのはなぜ?
 120.塩酸モルヒネ1アンプル、ペンタゾシン1アンプル内の容量は?
 121.内服用モルヒネが効かなくなったときはどうするの?
 122.麻薬の施用記録はどうすればいいの?
 123.末期癌患者の疼痛管理はどのように行うの?
ステロイド剤
 124.ステロイド剤はこわい薬との印象があるけど、実際はどうなの?
 125.ステロイド剤の内服では何に留意するの?
 126.ステロイド剤の服用を急にやめてはいけないのはなぜ?
 127.ステロイド剤の副作用にはどんなものがあるの?
 128.ステロイド剤の副作用にはどう対応すればいい?
 129.外用ステロイド剤で塗布に注意すべき場所はどこ?
塩酸リドカイン
 130.キシロカイン?にはどのくらいの規格違いの製剤があるの?
 131.キシロカイン?が用いられる疾患にはどういうものがあるの?
 132.キシロカイン?の静注用と点滴用の違いは何?
 133.キシロカイン?の注射速度のめやすはどのくらい?
 134.局所麻酔薬の中毒症状にはどういうものがあるの?
抗菌薬
 135.抗菌薬の静脈内投与では何を注意するの?
 136.抗菌薬の注射薬の種類と作用の違いは?
 137.アミノグリコシド系抗菌薬を投与する上で注意すべき点は何?
 138.抗菌薬でアレルギーは起こるの?
 139.ニューキノロン系抗菌薬と解熱鎮痛薬との併用で留意すべき点は何?
 140.MRSAに対して使う薬では何に留意するの?
 141.MRSA患者の血中濃度測定を依頼するときに、採血時間と投与時間が重要なのはなぜ?
 142.セフェム系抗菌薬には飲酒に注意しないといけないものがあるけど、なぜ?
 143.腎障害患者に抗菌薬を投与するときの留意点は?
 144.妊婦へ投与するときの抗菌薬の第一選択薬は何?
抗てんかん薬
 145.抗てんかん薬はどのようにして選択されているの?
 146.抗てんかん薬の血中濃度を測定する理由は何?
 147.抗てんかん薬は検査のときや絶食時にも飲む必要はあるの?
 148.抗てんかん薬を市販のかぜ薬といっしょに飲んでもいいの?
 149.妊婦に抗てんかん薬を投与するときの留意点は?
 150.抗てんかん薬はけいれんが出なくなったときは服用を止めてもいいの?
抗凝固薬
 151.ワルファリンを服用している患者に注意すべき点は?
 152.抜歯・手術予定の患者は抗凝固薬の服用を中止する必要があるの?
 153.抗凝固薬を飲み忘れた患者への対応はどうしたらいいの?
免疫抑制薬
 154.免疫抑制薬は決まった時間に服用する必要があるのはなぜ?
 155.免疫抑制薬を服用している患者が感染症にかかりやすいのはなぜ?
 156.免疫抑制薬を服用しているときにワクチン製剤の接種はしてもいいの?
 157.特に免疫抑制薬の血中濃度測定で採血時間が重要なのはなぜ?
 158.免疫抑制薬は疾患や患者によって至適血中濃度が異なるのはなぜ?
降圧薬
 159.血圧が下がったらもう薬は飲まなくてもいいの?
 160.降圧薬を飲んでも血圧が下がらない場合、他の薬や同じ薬を追加して飲んでもいいの?
 161.降圧薬とオレンジジュースはいっしょに飲んではいけないと聞いたけど、本当?
 162.高血圧の薬で咳がでるのは副作用なの?
 163.血圧が高いと訴えたら精神安定薬が処方された.飲んでも大丈夫?
 164.血圧の薬は飲み始めたら一生飲まなくてはいけないと聞くけれど、すべてそうなの?
高脂血症治療薬
 165.コレステロールの値はどの程度まで下がればいいの?
 166.中性脂肪の値はどの程度まで下がればいいの?
 167.コレステロールを下げる薬で起こる筋肉痛は副作用なの?
 168.高脂血症治療薬といっしょに飲んではいけない食物や薬とは?
 169.高脂血症患者に喫煙がよくないのはなぜ?
経口糖尿病治療薬
 170.糖尿病治療薬には食前服用と食後服用があるけれど、どう違うの?
 171.食事をとれないときの糖尿病治療薬の服用はどうしたらいいの?
 172.血糖値が下がらなければ糖尿病治療薬をさらに追加して飲ませていいの?
 173.高血糖の患者がシロップ剤を用いても問題ないの?
 174.糖尿病治療薬を飲み忘れたとき、食後どのくらいの時間まで飲んで大丈夫?
 175.糖尿病患者の飲酒はかまわないの?
 176.血糖低下作用を有する健康食品は摂取してもいいの?
抗癌剤
 177.なぜ抗癌剤は素手で扱ってはいけないの?
 178.抗癌剤の注射もれに注意しないといけないのはなぜ?

薬は、長い間、草根や木皮から効果のあるものが経験的に用いられていました。19世紀後半から20世紀初頭にかけて合成薬品が主流となり、現在、医療現場で使用されているほとんどの医薬品は化学的に合成されています。何らかの明確な生体作用がある物質について、急性・慢性毒性を含めたその安全性を検索した後、用量や使用方法等を慎重に考えることによって、患者に使用されています。
 物質は、人の健康に貢献してはじめて“くすり”としての称号が与えられます。また、薬は処方せんによる薬物治療ばかりでなく、種々の検査においても多く使用されています。
 薬は、人の健康に貢献するだけでなく、人の健康に害を与える毒性をもあわせもつものです。また、取り扱いによっては薬の特性が変化してしまうこともあります。さらに近年、劇・毒薬、麻薬、覚醒剤にからむ事件が報道等でもとりあげられています。したがって、医薬品を取り扱う医療関係者は、薬の臨床作用・毒性等を含む薬理作用、種々の相互作用等の作用特性、ならびに物理化学的特性、さらに取り扱う上での法的規制等についてもよく把握し、その取り扱いには十分留意するとともに、薬の正しい知識について社会的啓蒙に努めなければなりません。
 そのような意味で、今回、医療現場、特に患者のベッドサイドや外来で、医師や看護師、薬剤師、臨床検査技師等が、各種薬剤に関して患者指導や患者ケア、患者からの質問に対する対応等において把握しておくべき事柄を、特に看護師の立場から出された質問に薬剤師が答える“Q and A”形式でまとめてみました。なお、答えを担当した薬剤師は、大学病院の病棟担当薬剤師ならびに薬剤部の調剤・製剤・医薬品情報・試験担当薬剤師です。それぞれが今までの実践を活かしてわかりやすい解説を心がけました。
 本書を、実際の医療現場で看護師や薬剤師、臨床検査技師等を中心とした医療スタッフが、服薬上の患者への説明、薬剤管理、ならびにリスクマネージメント等の業務遂行の上で参考にしていただき、それが患者のQOLの向上につながれば幸いです。また、医療人をめざして勉強している看護学生や薬学生、臨床検査技師をめざす学生等にとって、本書が医療現場を知る一助になればとも願っています。
2003年5月
五味田 裕
荒木 博陽
(一部改変)