書籍

事例で学ぶ脳血管障害のリハビリテーション看護

編著 : 稲田まつ江
ISBN : 978-4-524-22063-2
発行年月 : 2000年7月
判型 : B5
ページ数 : 132

在庫僅少

定価2,700円(本体2,500円 + 税)

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

リハビリテーション専門病院の看護婦が、スペシャリストとして必要な実践的知識を余すことなく記述。発症直後・急性期、慢性期・回復期、退院(社会復帰)へ向けてと経過に沿って、また、高次脳機能障害やその他の機能障害を伴った患者への看護を事例に沿って、ポイントを押さえたイラストと平易な文章で解説。一般病院から在宅まで、ナースとしてマスターすべき脳血管障害に対するリハビリ看護の格好のガイド。2色刷。

1.脳血管障害患者のリハビリテーション看護
 ◎リハビリテーション看護とは
 ◎リハビリテーションチーム
 ◎看護婦の役割
 ◎リハビリテーション専門病院のシステム
2.脳血管障害の基礎知識
 ◎脳血管障害の分類
 ◎治療の概要
 ◎脳血管障害による機能障害
3.発症直後・急性期のリハビリテーション看護
 ◎発症直後・急性期からのリハビリテーション看護の必要性
 ◎廃用症候群の予防
 ◎急性期治療に伴う二次的障害の予防
4.慢性期・回復期のリハビリテーション看護
 ◎慢性期・回復期のリハビリテーション看護の必要性
 ◎ADL評価
 ◎「できるADL」と「しているADL」
 ◎生活再建のための援助
 ◎摂食・嚥下障害の援助
 ◎排尿障害の援助
 ◎障害受容への援助
5.高次脳機能障害を伴った患者へのリハビリテーション看護
 ◎言語障害を伴った患者への援助
 ◎失認・失行を伴った患者への援助
 ◎痴呆を伴った患者への援助
6.その他の機能障害を伴った患者へのリハビリテーション看護
 ◎聴覚障害を伴った患者への援助
 ◎視覚障害を伴った患者への援助
 ◎四肢欠損を伴った患者への援助
7.退院(社会復帰)へ向けてのリハビリテーション看護
 ◎外泊訓練
 ◎住宅評価
 ◎患者・家族教育
 ◎退院患者の情報提供と連携システム
 ◎退院後の方向づけ、フォローアップ
 ◎社会福祉資源の活用方法

■付録:自立に役立つ用具の工夫

従来、リハビリテーションの一般的なとらえ方は、医師の指示のもとに行われる整形外科的後療法のイメージが強く、物理療法、運動療法が主であるという認識であった。
 しかし、現代ではこの概念が大きく変化してきており、大局的にみると、リハビリテーションは「人間の生活の立て直し」であり、「自立への援助過程」であるといえる。これを実現させるためには、医療従事者のなかで患者・障害者にもっとも近い場にいる看護婦がその中心的な役割を果たさねばならない。つまりリハビリテーションは、まさに看護婦の主体的業務であり、看護の専門性をもっとも発揮できる分野でもある。
 しかしながら、高度化・専門分化の著しい昨今の医療現場においては、ともすれば治療中心、技術偏重になりがちである。看護婦は今一度看護の本質を思い起こす必要があるのではないだろうか。バージニア・ヘンダーソンも指摘しているように、人間は本来的に自分で生活行動を行えるが、それができないときに援助するのが看護である。そのことよって速やかに自立を促すという看護の大切な役割を改めて認識し、看護の原則をさらに深く追求したのがリハビリテーション看護であるといえる。
 本書は、リハビリテーション専門病院における対象者の約7割を占める脳血管障害患者に焦点を絞り、発症直後・急性期から慢性期・回復期に至る各過程でしばしば遭遇する事例をとりあげ、患者・障害者の自立に向けたリハビリテーション看護の知識、技術、かかわり方などをできるかぎり具体的に明示した。
 回復期から在宅へ向けての援助が重要なことはいうまでもない。しかし、発症直後からのベッドサイドでのかかわりが生活再建への出発点であり、ADLの自立からQOLを高める橋渡しになり、予後にも大きく影響を及ぼす。そこで、リハビリテーション専門病院の看護婦の立場から、急性期の患者をケアする一般病院の看護婦に「ここだけは押さえておいてほしい」ポイントを示した。リハビリテーションの対象者が医療施設内はもとより在宅・地域でも障害と共存しながら生活していくために、本書から看護婦としての役割の重要性をご理解いただき、みなさまの今後の看護実践の一助になれば幸甚である。
2000年6月
稲田まつ江