書籍

Cure and Care Series

肝・胆・膵疾患の治療と看護

編集 : 國分茂博/田中彰子
ISBN : 978-4-524-21941-4
発行年月 : 2006年10月
判型 : B5
ページ数 : 286

在庫あり

定価3,780円(本体3,500円 + 税)

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

肝・胆・膵の最新の治療とそれに伴う看護の要点をわかりやすくまとめた、エキスパートナーシングのための一冊! 肝・胆・膵領域における看護の特徴、理解に必要な基礎医学、各種検査法とそれにかかわる看護について述べ、そのうえで主要疾患別に原因・病態から治療とケアまでを要領よく解説。消化器関連ナース必読の実際書。理解しやすい2色刷。

1. 今日の肝・胆・膵疾患
2. 肝・胆・膵疾患の理解に必要な基礎医学
3. 肝・胆・膵疾患の検査と看護
4. 急性肝炎の治療と看護
5. 劇症肝炎の治療と看護
6. 慢性肝炎の治療と看護
7. アルコール性肝障害、非アルコール性肝障害の治療と看護
8. 原発性胆汁性肝硬変の治療と看護
9. 肝硬変の治療と看護
10. 肝細胞癌の治療と看護
11. 胆道疾患の治療と看護
12. 膵臓疾患の治療と看護
13. 膵癌の治療と看護

付録
1. 癌性疼痛の治療と看護
2. 肝・胆・膵疾患の診療でよく使われる略語
3. 肝・胆・膵疾患のおもな治療薬一覧

南江堂看護編集部から、最初にこの本の話をいただいたころは、ときあたかも、肝癌の局所療法が、従来のエタノール注入から、ラジオ波熱凝固療法に刷新されるべく、治験が開始され、こうした新しい局所療法の適応が外科的部分切除に迫らんとしていた状況に象徴されるごとく、他の肝・胆・膵疾患の治療においても新たな、また大きな変革を遂げようとする時期でもあった。そのころから、多くの歳月を費やし、足掛け数年が過ぎてしまった。この間多くの方からの叱咤激励をたまわり、何よりも南江堂により、最新の知識を盛りこむ形で内容を修正し、ようやく今回の上梓にこぎつけることができた。本書の企画に当初から参画いただいた青柳明子さん(現・北里大学病院看護部看護科長)をはじめ、ご協力いただいたすべての方々には感謝の念に堪えない。
 消化器病といっても、肝・胆・膵疾患の診断・治療およびこれに携わる看護は、胃・大腸などの消化管の場合とは、かなり様相が異なる。腸肝循環という閉鎖サイクルを経て再び門脈血流により肝臓に運ばれた血液内の物質は、それぞれ肝臓で代謝を受け、コレステロールから作られた胆汁が、肝内胆管を経て、胆嚢でプールされ、食事のつど、食べ物が十二指腸に入ったときコレシストキニンの指令により胆嚢が収縮し、総胆管から、ファーター乳頭のオッデイ筋の収縮・弛緩により、膵液とともに十二指腸に排泄され、脂肪を中心とした消化を受けもち、消化管内で蠕動などの機能とも融合して吸収などにも一役を担う。したがって働きの異なるそれぞれの器官が破綻をきたしたとき、生じてくる疾患の質が異なるため、その検査・診断のプロセス、治療のタイミングはかなり異なってくる。このため、これに対峙する看護はさらに異なってくる。
10数年前、肝・胆・膵の病棟に慣れ親しんだある看護師から、「PTCDなどが挿入されている患者さんの胆汁を見ると落ち着く」という言葉を聞いたことがある。今ではERBDが増え、たまに行うENBDの場合しか胆汁を直接見ることは少なくなってきたが、当時はわれわれの病棟の一つの象徴の言葉ではあった。
 その真意を考えたことはなかったが、今思えば、良性であれ悪性であれ、閉塞性黄疸で入院してきた患者さんが、ある一定の状況を越え、ひとまず治療を終え、順調に胆汁が流れ出ていれば確かにドクターサイドもナースサイドも落ち着くものである。言い得て妙!深みのある言葉である。本書では各項目ごとにこのようなNursing Pointsをおいてあるので是非ご覧あれ!と願う。
2006年9月
順天堂大学練馬病院消化器内科助教授
國分茂博
(一部改変)