洋書

Textbook of Interventional Cardiology, 7th ed.

著者 : E.J.Topol & P.S.Teirstein
出版社 : SAUNDERS
ISBN : 978-0-323-34038-0
ページ数 : 1081pp.(965illus.)
出版年 : 2016年

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定価48,373円(本体44,790円 + 税)

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心臓のインターベンション手順の最新情報を提供するトポルの改訂第7版.放射線照射の安全性,抵抗性高血圧症のための腎臓脱神経,心臓カテーテル治療後の病院収容,病院滞在期間と退院計画,インターベンションによる心不全などのトピックスについては新しい章を設けている.付属のExpert Consult eBookでは全文検索や画像のダウンロードのほか,45本のビデオが閲覧できる.

Section 1. Patient Selection
Section 2. Pharmacologic Intervention
Section 3. Coronary Intervention
Section 4. Peripheral Vascular Interventions
Section 5. Intracardiac Intervention
Section 6. Evaluation of Interventional Techniques
Section 7. Outcome Effectiveness of Interventional Cardiology

 インターベンションの成書といえば,ほぼ全員が本書(通称:TOPOL)をあげるのではないだろうか.自分もTOPOLを購入し読んだのが約6〜7年前であり,非常に懐かしく思い出しながら今回第7版を読ませていただいた.自分が第7版を読んで感じたことはやはり,本書はインターベンショニストにとっての“ハリソン”であるということであった(ハリソンというのは内科学におけるいわゆる教科書中の教科書であり,デキる内科医はみんなこれを通読しているとされている(笑)).本書が成書たりうるいくつかの理由があるが,大きくは2つあり,何より時代の流れにそった改訂が行われていること,さらに少し知識がついたぐらいの段階で読んでも再度勉強になるという質の高い内容が記載されているということである.
 本書の改訂は素晴らしい.以前と比較して,より時代の流れに合わせ,患者選択の章に関して詳細に,大規模臨床研究の知見の観点からわかりやすく記載している.この流れから,薬物治療の一つ一つの解説,そしてようやく冠動脈のPCIについてのdiscussionに入る.これらの流れはインターベンショニストにとってはやや面倒な流れかもしれないが,必須の知識であることはいうまでもない.これまで自分が読んだなかでももっとも大規模臨床研究の結果がよくまとめられているので患者選択の章だけでもぜひ通読していただきたい内容である.薬物治療の章ではさらに病態生理の観点から触れられていることで,より深い専門家としての素養を磨くことができ,冠動脈のPCIの章からは基本的な手技のみならず,歴史的背景を学ぶことができる.自分の記憶では第5版ではもっと細かなテクニカルな要素なども記載されていたが,第7版ではテクニカルなものに関しても,より科学的根拠の高さなどにより記載が決められており,歴史的なところでのそれぞれの手技の位置付けが明確になっていると感じられた.もちろんperipheral interventionおよびstructual heart disease(本書ではintracardiac intervention)も非常によく記載されている.本邦にはないデバイスなども豊富に記載されており,エビデンスおよび今後の展望などもわかりやすく記載されている.最後にはhealthcare policyまで踏み込む形となり,素晴らしい構成である.エビデンスレベルの表記も最新のAHAのガイドラインでの表記に変更されており,にくい感じになっている.
 本書の対象は幅広いと感じる.もちろんタイトルからはインターベンショニストが読むべきところであるのはもちろんであるが,generalな循環器内科医を目指すものとしては必須の知識が非常に多い.インターベンションの適応や冠動脈の病態生理に関しても循環器を選択したばかりの初学者はBrawnwaldと同時に本書の最初の項目などを読んでもらえると非常に参考になるのではないかと思われた.何より,日本での循環器内科のキャリアを考えると,少し勉強し,インターベンションとくにPCIを数例行った5〜8年目ぐらいの先生にも再度手に取っていただきたい.適応などに関しても断片的な知識は研究会や日常のカンファレンスで学ぶことができると思われるが,まとまった研究背景や大規模臨床研究の結果の解釈などはこのような成書で学んでほしい部分である.自分も医師11年目になってしまったが,このぐらいの医師には通読するにはちょうどよいぐらいのvolumeであった.少し抜けている知識を最低限補充し,欧米での手技やデバイスのアップデートによいと考えられる.何より後輩の指導にも必須とされる,最低限の知識の整理にもよいと考えられる.本書はタイトルよりgeneral cardiologist向けの内容に少しずつ寄っているような印象も感じられた.ぜひ手にとって,この質の高い構成を感じ取ってほしい.

臨床雑誌『内科』118巻1号(2016年7月号)より転載
評者●聖路加国際病院循環器内科 水野篤