雑誌

がん看護≪隔月刊≫

緩和・サポーティブケア最前線(Vol.20 No.2)2015年1-2月増刊号

発行年月 : 2015年2月
判型 : A4変

在庫あり

定価3,456円(本体3,200円 + 税)

  • 主要目次
  • 序文

緩和・サポーティブケア最前線
序文 荒尾晴惠、森田達也
第I章 生活することを阻害する身体症状のケア
 活動を阻害する症状
  突出痛のメカニズムと治療 小田浩之、合田由紀子
  突出痛のアセスメントとケア 小山富美子
 呼吸を阻害する症状
  呼吸困難のメカニズムと治療 田中桂子
  呼吸困難のアセスメントとケア 高尾鮎美、荒尾晴惠
 ボディイメージを阻害する症状
  皮膚症状のメカニズムと治療 林宏一、宇原久
  皮膚症状のアセスメントとケア 西谷葉子
 食べることを阻害する症状
  食欲不振・悪液質のメカニズムと治療 三浦智史
  食欲不振・悪液質のアセスメントとケア 小池万里子
 難渋する症状
  倦怠感のメカニズムと治療 松尾直樹
  倦怠感のアセスメントとケア 山本知美
 排便にまつわる症状
  便秘のメカニズムと治療 今井堅吾、立石るか
  便秘のアセスメントとケア 川崎優子
  下痢のメカニズムと治療 里見絵理子
  下痢のアセスメントとケア 北川善子
第II章 生活することを阻害する心の変化とケア
 眠ることを阻害する症状
  睡眠障害のメカニズムと治療 上村恵一
  睡眠障害のアセスメントとケア 若村智子
 その人らしさを阻害する症状
  せん妄のメカニズムと治療 秋月伸哉
  せん妄のアセスメントとケア 青木美和、藤田佐和
  希死念慮、無価値観への対応 市原香織
  怒りへの対応 平井元子
  がん患者の気持ちの変化(概説)とがん患者の気持ちを汲んだコミュニケーション(傾聴、共感、受容) 大谷弘行
第III章 働きながら生活することを支えるケア
 がん患者の就労の問題と支援 〜医療機関の看護師ができること〜 坂本はと恵
 がん患者が活用することができる社会資源 〜経済的問題への対応〜 坂本はと恵
第IV章 高齢がん患者のケア
 高齢がん患者の身体的特徴とアセスメント 野田耕介、長島文夫
 高齢がん患者の心理・社会的特徴とアセスメント 山元智穂
 高齢がん患者の認知機能の特徴とアセスメントと対応 小川朝生
 認知症をもつがん患者のケア 〜BPSD(行動・心理症状)の理解と対応〜 藤田冬子
 化学療法を受ける高齢がん患者のセルフケア 田墨惠子
 放射線治療を受ける高齢がん患者のセルフケアのアセスメントとケア 藤本美生
 高齢がん患者のセルフケアのアセスメントと疼痛マネジメント 村木明美
第V章 ケアする人のケア (1)家族
 がんの診断と治療によって変化する家族機能への支援 井上佳代
 がん患者の家族ヘのケア 〜予期悲嘆への援助〜 寺町芳子
 倫理調整の必要ながん患者家族へのケア 〜患者への告知を拒む家族〜 水野俊美
 脆弱な家族機能の家族へのケア 〜家族看護エンパワーメントモデルを活用して〜 藤田佐和、庄司麻美
家族が患者のケアについてもつ疑問への対応
 食事、排泄などの日常生活のサポート 成松恵
 気持ちへの対応、経済的な支援 根岸恵
第VI章 ケアする人のケア (2)看護師
 がん看護に携わる看護師の共感疲労 荒尾晴惠、北川聡美
 看護師のグリーフ(悲嘆)アセスメントとケア 小林珠実
索引

序文

 がん対策基本法に基づき、平成19(1997)年からがん対策推進基本計画が策定され、さまざまながん対策が進められてきました。平成24(2012)年度からは、第2期として新たな5年間の計画が策定され、がん対策の基本的方向、都道府県がん対策推進計画の基本が提示されました。
 第2期のがん対策推進基本計画の全体目標は、がんによる死亡者の減少、すべてのがん患者とその家族のその苦痛の軽減と療養生活の質の向上、がんになっても安心して暮らせる社会の構築です。そして、重点的に取り組む課題として、放射線療法、化学療法、手術療法のさらなる充実とこれらを専門的に行う医療従事者の育成、がんと診断されたときからの緩和ケアの推進、がん登録の推進、働く世代や小児へのがん対策の充実があげられています。
 このうち、がんと診断されたときからの緩和ケアの推進については、個別目標として緩和ケアに携わる医療者の研修の見直しや3年以内に拠点病院を中心とした緩和ケアが提供できる体制づくり、専門的な緩和ケアの提供体制の整備と質の向上があがっています。
 診断時からの緩和ケアをどのように実現していくのか、平成24(2012)年に厚生労働省に設置された、緩和ケア推進検討会においては、緩和ケアの充実に向けての方向性が提示されています。そこでは、(1)緩和ケア提供体制として、都道府県がん診療連携拠点病院などにおける「緩和ケアセンター」の整備、(2)がん疼痛などの身体的苦痛の緩和として、診断時からの症状スクリーニングの実施、(3)精神心理的・社会的苦痛の緩和として多職種による継続した相談や支援を行なう体制づくりや専門家への紹介があげられています。
 このように、政策やケアの提供体制の変化はめまぐるしく、現場の看護師は社会の変化について情報を収集しながら、自施設での取り組みに対応していくのに、精一杯な状況にあるのではないでしょうか。看護師は、看護実践において、どのような知識や技術を身につけておけば変化する社会や患者さんのニーズに対応できるのでしょうか。本号では、がんと診断されたときからの緩和ケアを看護師が提供していくために必要な最新の知識と技術がアップデートできるような項目を取り上げました。
 看護師の視点で生活者としての患者さんやご家族をスクリーニングしてケアプランを作成する、あるいは専門家に委ねるといった、一人ひとりの看護師が目の前にいる患者さんに向き合ったときに必要な内容が盛り込まれています。多職種と連携して患者さんのケアにあたるときにもこれらの知識と内容は活用できると思います。
 加えて、ケアを提供する私たち自身が自身のケアをどのようにしていったらよいのか、その対応についても取り上げました。本書を手元において、日々のケアに役立てていただければと思います。

2015年1月
荒尾晴惠
森田達也