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臨床雑誌内科≪月刊≫

内科診療における論点(Vol.107 No.6)2011年6月増大号

発行年月 : 2011年6月
判型 : B5
ページ数 : 500

在庫なし

定価8,640円(本体8,000円 + 税)

  • 主要目次
  • 序文

特集 内科診療における論点

I.呼吸器
Stage IAの肺癌術後補助化学療法は行うべきか? 堀之内秀仁
高齢者肺癌EGFR-TKI奏効例で肺障害以外の合併症があれば減量は行うべきか? 井上彰
化学療法不可でEGFR-TKI不応となった肺癌症例ではEGFR-TKIは中止すべきか? 萩原弘一
高齢者の小細胞癌LD症例では予防的全脳照射は行うべきか? 出水みいる
気管支喘息軽症例で吸入ステロイドを中止するべきか? 天野出月
自然気胸はどこまで外来治療が可能か? 栗原正利
特発性間質性肺線維症の症例でpirfenidoneをいつ開始するのが現実的か? 三浦由記子
COPD治療で吸入ステロイドはどう用いるべきか? 一ノ瀬正和

II.循環器
心房細動の治療においてはリズム治療かレート治療か? 山下武志
冠動脈CTは冠動脈狭窄の診断にどの程度有効か? 國田英司
無症状の冠動脈硬化症にPCIは必要か? 浅野竜太
糖尿病患者の冠動脈疾患はCABGを第一選択とすべきか? 西垣和彦
虚血性心疾患の一次・二次予防には、脂質異常症をどの程度コントロールすべきか? 横出正之
ICDの適応はどこまで拡大すべきか? 横山泰廣
CRTはどのような心不全症例に有効か? 鶴田ひかる
高齢者高血圧の治療目標と降圧薬の選択はどうあるべきか? 横田啓
eGFRの低下は心血管病の危険因子か? 平田恭信

III.消化管
食道癌に対するESDはどこまで可能か? 小山恒男
慢性胃炎の除菌はすべきか? 間部克裕
胃がん検診はどうあるべきか? 光島徹
拡大内視鏡検査、NBIでどこまで病気がわかるのか? 吉良文孝
大腸ESDの適応と長期予後はどうか? 玉井尚人
ステロイド抵抗性潰瘍性大腸炎には血球成分除去療法かtacrolimusかinfliximabか? 加藤順
大腸ポリープ治療後の経過観察に至適間隔はあるのか? 岡本真
カプセル内視鏡検査はどのようなときに行うべきか? 渡部宏嗣

IV.肝胆膵
肝腫瘤性病変の診断においてGd-EOB-DTPA造影MRIは、従来の検査モダリティに置き換わることが可能か? 小笠原定久
転移性肝癌にRFAを行うべきか? 三枝善伯
肝移植は肝癌治療の第一選択となりうるか? 市田隆文
免疫抑制・化学療法時のB型肝炎再活性化予防とその問題点は? 大岡美彦
IPMN、膵嚢胞の経過観察はどうあるべきか? 多田稔
総胆管結石の治療はESTかEPBDか? 辻野武

V.腎臓
代謝性アシドーシスに炭酸水素ナトリウムは必要か? 坂口俊文
ネフローゼ症候群に生じた急性腎障害はどう治療するのか? 藤倉知行
慢性糸球体腎炎に抗血小板薬・抗凝固薬は必要か? 河野圭志
高齢者CKDの第一選択降圧薬は、Ca拮抗薬かRA系抑制薬か? 木村玄次郎
糖尿病性腎障害患者に対する厳格な低蛋白食管理は必要か? 荒木信一
CKDの降圧治療で第二選択薬は利尿薬かCa拮抗薬か? 神保りか
高齢者の急速進行性糸球体腎炎で大量免疫抑制療法は必要か? 臼井丈一
Fabry病において酵素補充療法はどういう場合に必要か? 土井研人
尿路結石においてメタボリックスタディは必要か? 片桐大輔
CKDにはACE阻害薬とARBどちらが第一選択薬か? 鈴木越

VI.内分泌・代謝
2型糖尿病の食事療法はカロリー制限だけなのか? 山田悟
1型糖尿病の食事療法はカーボカウントだけなのか? 小川洋平
糖尿病運動療法の基本は有酸素運動だけなのか? 江川達郎
日本人2型糖尿病の薬物療法の第一選択はmetforminなのか? 大杉満
日本人2型糖尿病インスリン療法の開始にはBOTがよいのか? 細井雅之
糖尿病合併高血圧患者の降圧薬の第一選択はARBでよいのか? 矢島賢
高コレステロール血症患者にスタチン製剤投与は必要なのか? 森雄作
痛風発作既往のない高尿酸血症患者に薬物療法は必要なのか? 西川元
メタボリックシンドロームの診断基準に腹囲は必須か? 入江潤一郎
妊婦はthiamazoleを使用してはいけないのか? 荒田尚子
潜在性甲状腺機能低下症は治療すべきか? 田尻淳一
PAC、PRA測定の際にRAS阻害薬の中止は必須なのか? 大村昌夫
無症候性副甲状腺機能亢進症も手術の適応になるのか? 稲葉雅章
BSC中の担癌患者に対して栄養サポートは必須なのか? 小山茂樹

VII.神経・筋
ストレスはてんかん発作の誘因になりうるか? 小林勝哉
高齢者の心房細動に脳梗塞予防のためのwarfarin投与は必須であるか? 棚橋紀夫
パーキンソン病において神経保護作用を検証することはできるのか? 菅野直人
本態性振戦は神経変性疾患か? 柳澤信夫
慢性脳脊髄静脈不全が多発性硬化症の病因となりうるか? 西山修平
緊張型頭痛は片頭痛とまったく別の疾患なのか? 濱田潤一
抗コリンエステラーゼ薬早期投与のためのアルツハイマー病早期診断は可能か? 浦上克哉

VIII.血液
高齢者急性骨髄性白血病に対する化学療法は、どのように用量調節すべきか? 石山謙
再発または治療抵抗性のPhiladelphia染色体陰性急性リンパ性白血病に対する治療戦略は? 薄井紀子
骨髄異形成症候群の治療は新規薬剤の登場でどう変わるか? 鈴木隆浩
慢性期の慢性骨髄性白血病の治療におけるチロシンキナーゼ阻害薬の使い分けをどうするか? 松村到
びまん性大細胞型Bリンパ腫(DLBCL)に対する最新の治療動向は? 鏡味良豊
再発または治療抵抗性の多発性骨髄腫に対する治療戦略は? 萩原將太郎
急性リンパ性白血病に対する骨髄非破壊的移植前治療を用いた同種造血幹細胞移植の適応をどう考えるか? 藥師神公和
造血幹細胞移植における好中球減少時のニューキノロンの予防投与は必要か? 藤田浩之

IX.感染症
市中肺炎の治療にキノロンを第一選択としてよいか? 吉田耕一郎
人工呼吸器関連肺炎におけるMRSAカバーはlinezolidとするべきか? 山田康一
わが国の医療介護関連肺炎の概念は米国の医療ケア関連肺炎と整合性を保つべきか? 門田淳一
細菌感染症の治療効果判定に血清CRP値を使用するべきか? 北薗英隆
感受性のあるAcinetobacter baumanniiもカルバペネム系薬で治療するべきか? 藤谷好弘
基礎疾患のない健常者にも抗インフルエンザ薬を投与するべきか? 畠山修司
水痘・帯状疱疹の曝露後予防にacyclovir・valacyclovirを投与するべきか? 勝田友博
CD4カウント500/μl以上の無症候性キャリアにも早期にHAARTを導入するべきか? 岩渕千太郎

X.膠原病・リウマチ
関節リウマチ患者の関節破壊進行マーカーとしてCRPは有用か? 亀田秀人
関節リウマチ患者が妊娠した場合に生物学的製剤は継続すべきか中止すべきか? 渡部香織
関節リウマチ患者の関節外症状に生物学的製剤は有効か? 徳永美貴子
全身性エリテマトーデス患者の治療中に出現した妄想に対してステロイドは増量すべきか減量すべきか? 満尾晶子
皮膚筋炎に合併する急速進行性間質性肺炎にステロイドパルス療法は有効か? 亀田智広
混合性結合組織病に合併する肺高血圧症にステロイド治療は有効か? 田中住明
抗リン脂質抗体症候群における血栓症予防にaspirinは有効か? 渥美達也
ANCA関連血管炎に免疫抑制薬は使用すべきか? 江里俊樹

●View Spot
糖尿病腎症の進展阻止から、寛解/退縮と発症予防を目指して 片山茂裕
●Research最前線
第33回日本造血細胞移植学会総会 原雅道
【BookReview】
チーム医療で行う造血幹細胞移植プラクティカルガイド 原田実根
指導医が教える循環器診療の基本 問診・身体所見から考える 石坂信和
プライマリケア医のための抗菌薬マスター講座 藤田次郎
分子標的治療薬の副作用マネジメント 古瀬純司
マップでわかる抗菌薬ポケットブック グラム染色による整理 畠山修司
アトラス応急処置マニュアル 原書第9版 高井大哉

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索引
総目次

最近の内科診療においては、さまざまな学会から発表されたさまざまな疾病に対するガイドラインを利用することが多くなっている。その学会のガイドライン作成委員会が、科学的に妥当と考えられる一定の方法に基づき、論文を選択、吟味し、内容を採択しているため、「エビデンスに基づいていて、偏向性のない、わかりやすい診療方針」が記載されていることが多い。このわかりやすい診療方針の記載により、初学者でも、ベテラン同様の診療計画を立てることができるようになり、内科診療の向上に寄与している。
 しかし、その一方で、科学的に未確定な領域についても一定の結論を出さざるをえないのがガイドラインというものの宿命である。よって、エビデンスレベルは低いのに、推奨レベルが高いというような勧告文も存在するわけである。本来は、こうした勧告文については、一定の批判的吟味を加えていく必要があるのだが、忙しい日常臨床の中でそうした態度を取り続けることはむずかしく、概して、本来臨床医が悩むべき疑問は遮蔽されがちである。
 本特集では、今日、内科医が臨床現場で直面する課題、問題の中からcontroversyを内含する話題を取り上げ、それに対する既存の議論の内容と今後の方向性を提示することを試みた。この特集を通じて、若手医師には必ずしも臨床上の課題のすべてが解決しているわけではないことをご理解いただきたく思う。また、ベテラン医師にはご自身の専門分野の奥行きを広げる一助としていただければ幸いである。
 最後に、今回の特集にあたり、ご自身の立場や心情を超え、中立的な立場でのご執筆にご理解くださった先生方に感謝申し上げたい。
「内科」編集室